研修やワークショップのファシリテーターを行う方は開始前やワーク中にBGMを掛けておくことがあるでしょう。

BGMで流す音楽として一般的に言われていることは

1.日本語の歌詞でないもの(洋楽や、インストゥルメンタル)
2.有名なCMやドラマ・映画などを想起させないもの
3.著作権がフリーなもの

とされています。

ワーク中の思考を音楽が奪う

特にワーク中に流す音楽については上記の1,2を強く意識する必要があります。

理由としては、思考の一部が音楽に奪われてしまうからです。

よく知っているCMやドラマ、映画の曲が流れば、頭はそのCMなどのシーンを勝手に思い浮かべてしまいます。
本来、ワークに集中して欲しいはずの時間が音楽からイメージされるものに奪われてしまいます。

また、日本語の歌詞の場合は、知らない曲であっても、頭が歌詞を理解しようと思考をはじめてしまいます。

このように音楽によって思考の一部が奪われてしまうことはワークによるせっかくの学びの機会・効果を損ねてしまいます。

研修での音楽の使用は著作権に抵触しないのか?

こちらに関しては、私は答えを持ち合わせていません
音楽の使用についてはこちらに詳しくQ&Aが掲載されています。

公益社団法人著作権情報センターHP

http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html

私的使用のための複製(著作権法第30条)

自分自身や家族など限られた範囲内で利用するために著作物を複製することができる。ただし、デジタル方式の録音・録画機器等を用いて著作物を複製する場合には、著作権者に対し補償金の支払いが必要。コピープロテクション等技術的保護手段の回避装置などを使って行う複製については、私的複製でも著作権者の許諾が必要。私的使用目的の複製であっても、違法著作物であることを知りながら音楽又は映像をインターネット上からダウンロードする行為は、権利制限の対象から除外される。

非営利目的の演奏など(著作権法第38条)

営利を目的とせず、観客から料金をとらない場合は、著作物の上演・演奏・上映・口述(朗読)などができる。ただし、出演者などは無報酬である必要がある。

私的使用に該当するのかは少し微妙ですし、非営利の研修である必要もあります。

BGMのボリューム調整が研修の盛り上がりを決める?

BGMの効果についてもう1つご紹介しておきたいと思います。

東京大学大学総合教育研究センター准教授の中原淳さんの著書「知がめぐり、人がつながる場のデザイン」という本の中で研修、ワークショップ前のBGMについてこのように記述されています。

参加者が入ってきたばかりで、まだ改行が静かなあいだはBGMのボリュームはやや上げ気味にしてあります。
人は静かな空間では恥ずかしがってあまり話そうとしないため、わざと少しだけ音量を大きくするのです。

すると、参加者は自ずとちょっと大きめの声で話します
そこでさらに音量を上げると参加者の声はますます大きくなり、会場はざわめきはじめます。

ただし、そのままだと参加者がうるさく感じはじめるため、そうなる手前ぐらいで今度はボリュームを少し落とします

体験型の研修や、ワークショップでは参加者同士の対話、ディスカッションで発言してもらう機会が多いため、参加者が会場内で1度は声を発していること、あらかじめテーブル内で話しやすい雰囲気をつくること、はとても重要になります。

中原教授はBGMのボリュームの調整でそのような雰囲気作りをされているということです。

まとめ

1.開始前にBGMのボリュームを調整することで話しやすい雰囲気を作る
2.ワーク中の音楽は日本語歌詞や有名なCM曲などは避ける
3.BGMとして利用する曲にも著作権があることを念頭に入れる

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