OJTは人材育成において重要な役割を担う機会です。
OJTトレーナーとなる人は、期待を込めて抜擢する場合が多いと思いますが、日常の仕事が忙しい中でモチベーションをもって、優先順位をあげて取り組み続けてもらうのはなかなか難しいのではないでしょうか。

企業によってはOJTトレーナーに選抜した際の「OJTトレーナー研修」を実施しているかと思います。
しかしその後は現場に任せきり、となっていないでしょうか。

OJTは数ヶ月〜1年に渡って新入社員を育成する長期的な取り組みであるにも関わらず、OJTトレーナー自身を長期的にフォローする仕組みがないのが現実です。

そこで今回は、OJTトレーナーを長期的に支援、育成する方法として、2週間に一回、1時間程度の「座談会」形式の場を設ける施策をご紹介します。

「OJTトレーナー育成座談会」という取り組み

形式:現状のOJT業務における悩みをざっくばらんに共有できる座談会

参加者:各部署のOJTトレーナー+有識者(人事、過去のOJTトレーナ、社外の有識者)

頻度:2週間に1回、一回あたり1時間程度

上記のような場を設けることで生まれる、3つのメリットがあります。

1.OJTトレーナーの悩みの共有

OJTトレーナーの悩みは自分のやり方があっているのかどうか
なかなか相談できないことです。

周りに同じ立場の人がいない、自分が悩みを聞く側なのに相談はできない、初めての指導体験なので、正しいやり方がわからない。
こういった状況の中で悩みを一人で抱えてしまうことがあります。

定期的に同じ立場の人同士で集まる場があることによって、自分の悩みを素直に吐き出し、不安や悩みを解消することができます。

また他者の体験が学びになるとともに、自身の体験が他者の学びに繋がることでモチベーションアップにもなります。

2.有識者からのピンポイントアドバイス

横の悩み共有は大事にですが、それだけでは自分たちの固定観念で進んでしまう危険性もあります。
そこで、内部の先輩OJTトレーナーや、人事も参加し、客観的な視点を入れることが重要です。

また、人事コンサルタントなどの外部の有識者の方は広く専門性を持っており、他社の事例共有から学ぶことも出来るでしょう。

OJTの導入研修だけではどうしても一般論でおわってしまいますが、毎月の定期的な場に有識者が同席することで、その時々に合った学びをピンポイントで提供できます。

また、ここでの学びは翌年のOJTトレーナー研修の内容にも大きく寄与するでしょう。

3.横の繋がりによるネットワークの構築

昨今は仕事が専門化し、かつ業務量が増えて忙しく、なかなか部署の枠を超えた横の繋がりを作るのが難しく、部署横断で相乗効果を生み出すのが難しい状況になっていると思います。

同じメンバーで顔を合わせることで、テーマであるOJTとしての情報交換に関わらず、様々な情報が自然と交換される「コミュニティ」ができあがります。このコミュニティは部署を超え、会社に良い影響を与えるハブ的な存在となるでしょう。

このような会社の中での「部署を超えたソフトな繋がり」は、会社全体の潤滑油として大きな役割を果たすことでしょう。

まとめ

OJTは長期的な取り組みだからこそ、OJTトレーナー自身も長期的に育成、支援していく枠組みが重要です。

その取り組みはOJTトレーナー本人達の成長につながるのはもちろん、その場を持つことが、会社としての人材育成の思いが社会に伝わり、社員のモチベーションアップに繋がるでしょう。
また会社を活性化するハブとなる繋がりが生まれることも期待できるはずです。


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