部下の指導においては、部下の状態やシチュエーションに合わせて様々なコミュニケーションスタイルを使い分けることが求められます。

ここではOJTトレーナーに求められる3つのコミュニケーションスキルを紹介します。

1.コーチング

コーチングとは「部下に適切な目標設定をさせ、それを達成するためのプロセスを支援する」ことです。
「答えは相手がもっている」という前提で関わり、答えを与えるのではなく、「問い」を与えることで前に進めていきます。

問いを投げかける際に重要なポイントは以下の4点です。

・途中で自分の意見を言わない
・共感しながら聞く(相手の立場に立つ)
・評価(善し悪しの判断)をしない
・アドバイス(自分の意見の押しつけ)や誘導をしない

いわゆる傾聴力が求められます。

上記の徹底により、本人が「自分で意思決定し、行動している」という自覚をもち、自分の行動に対してのコミットメントをもたせることができ、モチベーションが持続するようになります。
目標を達成するプロセスにおいても、適切な問いを与え、問題を見極め、解決する支援をします。

2.ティーチング

ティーチングは言葉のとおり、新しい情報や知識を教えることです。
自発性を生むという観点でコーチングが万能だと言われることがありますが、そもそも知識が浅かったり未経験者に対しては「どうすればいい?」と尋ねても、適切な答えは出てきません

基礎知識や経験がない相手にはティーチングで教える必要があります。
ティーチングは、最初はこまかくルールやマニュアルまで落とし込み、具体的に伝える必要があります。

しかし、いつまでもそうしていると自発性を逆に殺してしまい、状況に合わせて対処できない「マニュアル人間」になってしまいます。そのため、慣れてきたら抽象度をあげた「ガイドライン的指導」に切り替えていくとよいでしょう。

まずは目的、手段を共に具体的に。慣れて来たら目的のみ与えて手段は任せてみる。
さらに進むと目的も自ら考えさせるコーチングに移行していくという流れで部下の状況をみながら移行していきましょう。

3.カウンセリング

コーチングを「目標達成」とした時に、カウンセリングは「問題解決」です。
ただ、コーチングであっても目標を達成するために出てくる障壁を問題と捉え、それを解決し、乗り越えていくプロセスを支援します。

コーチングとカウンセリングの違いと共通点

ではコーチングの問題解決とカウンセリングの問題解決は何が違うのでしょうか。
それはカウンセリングで扱う問題が「思考問題」だということです。

人が悩み、葛藤し、停滞してしまうときの多くは、既存の自分のやり方、常識や固定観念では対処できない状況に出会ったときです。
人は一度成功パターンを築いてしまうと、無意識のうちにそのやり方を絶対化してしまうため、それを客観視したり、手放すことは大変難しいと言われています。

だからこそ、過去の成功によってできあがった「思考の癖」こそが、自分の可能性を妨げる要因になりえるのです。
自分の思考こそが問題を作り出している根本原因である」ということに気づけば、大きな飛躍を遂げるチャンスとなります。

ここに気づかせるためには、自己の思考を客観視させ、変容させる必要があります。
それができるようになると、部下は大きな成長を遂げることが出来るでしょう。

また、コーチングとカウンセリングに共通して必要なスキルとしては傾聴力が挙げられます。
傾聴とは

まとめと関連製品

部下をモチベートし、目標達成をするという意味において、「コーチング」は非常に重要です。
しかし、その自発が生み出す土壌を作るために、初期段階での「ティーチング」は必要です。
そして、今までの延長のやり方が通用せずに葛藤している時には、そこから抜け出す示唆を与える「カウンセリング」が必要です。

部下の状態やシチュエーションに合わせ、適切なコミュニケーションスタイルを見極め、実践していきましょう。


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