メンタルヘルスにおいて「ストレス」とどう向き合っていくかということはとても重要だと思います。

しかしながら、仕事の現場でストレスを0にはできませんし、むしろ適度なストレスはパフォーマンスの向上に繋がることも知られています。(ヤーキーズ・ドットソンの法則)

つまり、メンタルヘルスにおいて、過剰なストレスを貯めこまないことと、ストレスとうまく付き合っていくことの両方が必要と言えます。

今回は本質的なストレスへの対処法として、アントノフスキーのSOCを紹介したいと思います。

アントノフスキーのSOC

アメリカ人医療社会学者のアントノフスキーが提唱したSOCは「Sense of Coherence」の略で、日本語では「首尾一貫感覚」と訳されます。

ちょっとわかりづらいですが、ストレスに打ち勝てる人の共通点ということになります。

SOCが生まれた背景

第二次世界大戦時にアウシュヴィツ強制収容所を経験した女性と、経験していない女性に分け、精神的・身体的健康度を比較しました。

すると、強制収容所を経験した女性のうち29%が精神的・身体的に健康とされました。
※ちなみに、強制収容所を経験していない女性は51%が健康でした。

あれだけの辛い経験をしながらも、そこでのストレスに打ち勝った人にはどのような共通点があるのかを調べ、3つの能力にまとめました。

ストレスに強い人に共通する3つの能力

1.有意味感
どんなにつらいことに対しても、何らかの意味を見いだせる感覚

2.把握可能感
直面した困難な状況を、秩序だった明確な情報として受け止められる感覚

3.処理可能感
どんなにつらいことに対しても、「なんとかなるはず」と思える感覚

参考図書:職場のメンタルヘルスを強化する

これを見ると一瞬、ポジティブシンキングに近いかな、とも思いますが、2の「把握可能感」を見るとなんでも楽天的に考えるのではなく、そこには情報の整理や、現状の把握というクリティカルな視点を持っている必要があることがわかります。

SOCの具体的な活用案

最後に、SOCを現実的にどのように活用したら良いのか、ということですが、例えば新入社員への活用方法として週報にSOCを組み込むという方法が考えられます。

例えば、週報のフォーマットとして以下の様な項目を設けます。

Q.今週に起きた大変だった、辛かったことを書いて下さい。
A.記入欄

Q.上記の困難の暫定的な対応策と、恒久的な対応策(本質的と同義)にはどのようなものが考えられますか?
A.記入欄

Q.上記の困難を解決するためには、「何があれば」解決できますか?
(上司の助けや、ここだけ抑えておけば大丈夫というポイントなど)
A.記入欄

Q.上記の困難はあなたにとってどのような意味があると思いますか?
 (例:こんなことが学べた、や、自分の成長に繋がる、など)
A.記入欄

といった形式で(あくまで案ですが)週報という定期的に振り返る場で利用するのが効果的と考えます。

まとめ

SOCは「Sense of Coherence」の略で、日本語では「首尾一貫感覚」と訳されます。

ストレスに強い人に共通する3つの能力

1.有意味感
どんなにつらいことに対しても、何らかの意味を見いだせる感覚

2.把握可能感
直面した困難な状況を、秩序だった明確な情報として受け止められる感覚

3.処理可能感
どんなにつらいことに対しても、「なんとかなるはず」と思える感覚

参考図書:職場のメンタルヘルスを強化する


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