NVC(非暴力コミュニケーション)を用いた叱り方
NVC(非暴力コミュニケーション)というコミュニケーションの方法をご存知でしょうか。
NVCはNonviolent Communicationの略で、名前だけみると「暴力」という単語の印象が強く、なんだか怖い名前に見えますが「非」暴力ですのでご安心下さい。
NVCの詳細については別の機会で書くとして今回は新入社員や部下を「叱る」というシーンでNVCがどのように使えるのか、を書いていきたいと思います。
NVCの4つの要素
NVCでは以下の4つの要素を重要視しています。
1.観察(事実)
2.感情
3.ニーズ
4.リクエスト
これと対をなす4つの要素も挙げておきましょう。
1.判断
2.分析
3.批判
4.命令
Aの4つの要素が非暴力コミュニケーションだとすると、対をなすとされるBの4つの要素は「暴力的なコミュニケーション」と言えます。
NVCの具体例
具体的に、会議に遅れた部下を叱るシーンでAとBの要素を比べてみましょう。まずはBの方から。
また遅刻かよ。いつも遅刻してるよね。(判断)
やる気あるの?(分析)
社会人としてどうかと思うよ。(批判)
2年目なんだしもっとしっかりしろよ。(命令)
文章で読むときついなーと思いますが、実際は社内ではよくあるコミュニケーションスタイルではないでしょうか。
続いてAの方です。
1か月の間で、3回目の遅刻だよね。(事実)
正直、悲しいよ。(感情)
お前に期待してるからなおさらだよ。(ニーズ)
しんどいなら無理のない時間で設定するから言ってくれ。(リクエスト)
いかがでしょうか。Bに比べればAの方が怒られた側が受け入れられやすいのではないでしょうか。
NVCは「感情」を大事にしている
Aの文章の方が叱り方としては適切なのはなんとなくわかりますが、実際に現場でAの方法をやってみましょう、と言われると難しい気もします。
これは、ビジネスの世界で「悲しい」とか「寂しい」といった「感情」を言葉で表現することがなんとなくタブー化されている(幼稚に思われる)
からだと思います。
ビジネスは論理や数値といった感情を除いたもので語るべきであるというイメージの方が強いと思います。
NVCは「人の感情」に注目し、自分がどう感じたか、相手に何を期待しているかを伝えることで、友好的な人間関係を構築することを助けてくれます。
実践するには少しトレーニングが必要ですが、部下を持つ人にはぜひとも知っておいて欲しいコミュニケーション方法です。
感情についてはプルチックの感情の輪も参考になりますので合わせてご覧ください。
管理職研修で伝えたい「感情の一覧」〜プルチックの感情の輪〜
まとめ
NVCの4つの要素=
1.観察(事実)
2.感情
3.ニーズ
4.リクエスト