社内でのワールドカフェのやり方(実施編その3)
ワールドカフェのやり方も今回で最後です。
最後はワールドカフェ実施中のファシリテーターの立ち振るまいについてです。
「立ち振るまい」というとやや大げさですが、ようは実施中に何に気をつけて見ているべきか、ということになります。
なお、ワールドカフェなどのダイアログでは基本的に「参加者の主体性を信じる・尊重する」というスタンスで臨みます。
これはワールドカフェが予定調和な議論や、結論が明白なテーマを扱うわけではなく、参加者1人1人からでてくるアイデアこそが重要であるため、主体性を持って参加してもらう必要があるからです。
そこで、ワールドカフェでは最初に座るテーブルもあらかじめ席を決めておくことはせず、座る場所も自由にしておくことが多いのです。
しかし、新しい形式や、自由というものに適応するのに時間が掛かる方もいますので、そういう方がワールドカフェというやり方によって混乱してしまう部分を支援するというフォローも必要です。
ファシリテーターのポイント
簡単に実施中の気をつけるべきポイントをリストアップしてみます。
・ラウンド間の席の移動のアテンド
・お菓子の消費を促す
・会話のきっかけを提供する
・模造紙の使い方の説明
・全体発表時の積極的な拍手
タイムキープ
まずはタイムキープについてです。
1ラウンドは通常15〜20分で実施されますが、終了の合図にひと工夫することがあります。
ラウンドの終了においても「参加者の主体性」を尊重します。
具体的には、終了時間になったときに、ファシリテーターが手を挙げます。
それに気づいた方は「話すのをやめて、自分自身も手を挙げます」すると、それを見た人がまた話をやめて手を挙げ、段々と声が小さくなっていきます。
最終的に全員が手を挙げ、静かになったらファシリテーターは話し始めます。
このやり方だと、人数が100人をこえても大声をだすこと無くラウンドを終了することができます。
ラウンド間の席の移動のアテンド
2ラウンド目の移動の際に、移動先はできるだけ同じテーブルの人が居ない席に移動してもらうようにアナウンスしますが、偶然にも空いている席には1ラウンド目で同じテーブルだった人がいるという状況が生まれることがあります。
この時は、ファシリテーターの知り合いの方に席を交換してもらうという配慮が必要になります。
お菓子の消費を促す
普段の仕事の中ではお菓子を食べながら会議をするということが無いと思いますので、せっかく用意したお菓子が消費されないことがままあります。
そこで、ラウンドの切れ目に「どうぞお菓子も食べて下さい」と促し次のラウンドが始まるまでのつなぎに使うことができます。
会話のきっかけを提供する
特に1ラウンド目に起こりがちなのですが、テーマについて自由に話し合って下さいと言われると、話し合いが進まず、しーんとなってしまうことがあります。
※特に普段一緒に仕事をしていないメンバーが集まると起こりがちです。
そこで、そんなテーブルを見つけたら、「向こうのテーブルではこんな話がされていましたよ」と他のテーブルで話しているネタを紹介し、会話のきっかけを提供するとよいでしょう。
模造紙の使い方の説明
ワールドカフェでは、テーブルごとに大きな模造紙とマーカーペンを置いて実施することが多いのですが、大きな模造紙が使われないケースも多々あります。
※自分の持っているノートに記入するケースが多いです。
しかし、模造紙に話し合いのメモが残っていないと2ラウンド目にテーブルに残ったホストが自分のテーブルで話し合った内容をシェアできなくなってしまうため困ってしまいます。
そこで、思いついたアイデアや他の人が出した意見を模造紙に書きながら、そのアイデアに関連するアイデアには矢印を引いて関連性がわかるようにするなど、模造紙を使いながらログを残してもらうように促します。
全体発表時の積極的な拍手
ハーベストの時に全体発表を行うケースではファシリテーターが積極的に発表者に対する拍手を行いましょう。
特に一人目の発表の際には発表が始まる前に拍手を行い、発表者を称えます。
また、発表が終了する際にもファシリテーターは最初に拍手を行い、他の参加者からの拍手を促し、全体としてポジティブな雰囲気を作り出しましょう。
まとめ
一部ではありますが、ファシリテーターが実施中に気をつけるべきポイントについて書いてきました。
あとは実際にやってみてその場で対応する、というのが現実ですが、ぜひ社内でワールドカフェを実施してみてください。