まだ少し私の中でまとまりきっていない部分があるのですが、問題発見に関する研修を企画・開発中の方の参考になれば幸いです。

先日、同業(研修会社)の取締役の方(知り合いです)から相談を受けて、カフェでMTGさせて頂く機会がありました。

詳細は書けませんが「とある商品について壁打ちをして欲しい」ということで少しでも力になれるなら、と思い、引き受けました。

その商品が「悪くはないが、もう少し何かが足りない気がする」というお話でした。

私にはその商品の分野についての専門知識が無かったものですので専門的なフィードバックはできませんでしたが、思ったことを少しお話させて頂きました。

カフェからの帰り道、その時の自分の思考プロセスがどのようなものだったかを考えていました。

まず、「もう少し何かが足りない気がする」というのは問題の発見ができていない状態だと思いました。

つまり、私の役割としては問題発見のきっかけを提供することだと考えました。

問題とは何か

一般的に、問題とは「現状と、あるべき姿のギャップ」と言われます。
逆に言えば、あるべき姿が描ければ、そこに現実とのギャップが生じ、同時に問題も発見できるということになります。

というのは良く研修で教えられることですが、私はその時、そんな風には考えていませんでした

これはあとから考えて思ったことなのですが、問題には既に顕在化しているものと、そうでないものがあると考えています。
違う言い方をすれば「目で見えている問題」と「脳で見えている問題」とでもいいましょうか。

その境界線はまだ曖昧なのですが、「失敗」や「不具合」など目に見える問題に対して「脳で見えている問題」とは「なんか違うんだよなー」という頭ではなんとなくわかっているけどピンときていいない問題です。

問題の見える化

もちろん後者の方が扱いが難しいでしょう。
しかし、後者のような問題はまずは「データによる見える化」を行うことで問題発見への一歩を踏み出せると考えています。

幸いなことに先の相談では様々なデータがあり、それを見せて頂けました。
これはレアなケースだったと思いますが、まずは「データの測定による見える化」が重要だと思います。

データの分析による問題の発見

次はデータから分析を行い問題を発見していくわけですが、イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」という本の中で「定量分析の3つの型」というものが紹介されており、それを思い出しました。

定量分析の3つの型
1.比較(棒グラフで表されるもの)
2.構成(円グラフで表されるもの)
3.変化(折れ線グラフで表されるもの)

また、同書の中で分析とは次の3つを見つけることだというような記述がありました。

分析とは
1.差がある
2.変化がある
3.パターンがある

そこで私はデータを拝見し、分析をはじめました。すると確かにパターンがあることがわかったのです。

それは、「データに差がない」ということでした。どのデータを見ても同じように見える(パターンになっている)が、本来、差がないとおかしい。

差があるべきなのに、差がないというのが問題だと感じ、それをお伝えすると「確かに!」と仰って頂けました。

問題の大枠が発見できたところでここからは真因探し、問題解決のフェーズに移っていきますが、ここで話は一旦終了となりました。

まとめ

つまり、私は以下のように考えていたのです。

A.これはまだ目に見えていない問題だ、と判断
B.「見える化」するためにデータを見る(データがない場合は測定から始める)
C.分析を行う

 分析とは
 1.差がある、もしくは、ない
 2.変化がある、もしくは、ない
 3.パターンがある、もしくは、ない
 ことを見つけること

弊社ではまだ問題発見の研修を開発していないため、理論に照らし合わせてこのプロセスがどうなのか?はわかりませんが、実地ではこのように考えていたのだということが分かり、今後の開発に役に立ちそうです。

とてもシンプルなプロセスですので、社内の問題発見の研修を企画されている方などの参考になれば幸いです。


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