企画会議などでまずはたくさんのアイデアを出したいというシーンがあると思います。
議論の最初の段階では、「発散」のフェーズは非常に重要です。

ここがうまく機能しなければ、多角的な意見が検討されず、結局、予定調和やありきたりのアイデアから抜け出すことができません

そこで、下記にアイデア創出のためのファシリテーションのためのポイントをいくつか示したいと思います。

アイデアを沢山出すためのファシリテーションスキル

1.「アイデアを沢山出す場である」という前提を共有する

まずは「マインドセット」についてです。普段の会議ではどうしても、「何か意味のある発言をしなければならない」「的外れな意見を言ってはいけない」「自分が無知だとバレたくない」など、失敗や自己評価を気にしすぎてしまいます。

そこでまずは「この会議では意見を沢山出すことが目的である」ということをメンバーに共通認識として伝えることが大事です。

それを助長するために効果的なのか、3で紹介する「ブレインストーミング」のルールです。
後ほど詳しく解説しますが、まずは概要だけ記載しておきます。

1.判断・結論は先延ばしにする

2.突飛な考えを歓迎する

3.質より量を重視

4.他者の意見に便乗する

2.「アイデア創出に適した環境」を用意する

2つ目は、「環境の整備」についてです。
アイデア創出型会議では「いつもの会議と違う環境」を用意することで生み出されるアイデアの数が異なってきます。

具体的にはこんなことを行っていきます。

1.テーブルの向きはややランダムに並べる
通常の会議用にきちんとした四角型ではなく、2つのテーブルをくっつけて4〜6人がけとして、そのテーブルをややランダムに配置することで「あれ?今日はなんか雰囲気が違うな」と感じてもらうことが重要です。

2.お菓子を用意する
各テーブルにチョコレートや、ハッピーターンなどのちょっとしたお菓子を用意することで和やかな雰囲気を作っていくことも重要です。
昔好きだったお菓子についての話がでてきたりと、自然とアイスブレイクに繋がることがあります。

3.テーブルごとに大きな模造紙を用意する
通常の会議ではホワイトボードを使ったり、各自のノートに記入することが多いと思いますが、大きな模造紙を用意し、できれば、プロッキーなどのマーカーペンを用意し、大きな紙に大きな文字を書くことで、大きな発想をしてもらうということも重要です。

他にもあると便利な備品についてまとめておりますので参考にしてください。

ワークショップのための便利な備品(ポストイットなど)

ワークショップ形式の場の作り方についてはこちらの書籍がオススメです。

3.「ブレインストーミング」を活用する

次は「具体的なやり方」についてです。ここではブレストを紹介します。
ブレインストーミング(通称ブレスト)とは、集団でアイデアを出し合うことによって相互の連鎖反応や発想の誘発を促進する方法です。

すでに取り入れられていることが多いと思いますが、確認の意味でブレストの4つのルールについて書いておきます。

1.判断・結論は先延ばしにする
判断し、結論を出すのは次の段階に譲り、この場は発散する場であることを徹底しましょう。

2.突飛な考えを歓迎する
新規性のある発明はたいてい最初は笑いものにされる事が多いもの。
誰もが思いつきそうなアイデアよりも、奇抜な考え方やユニークで斬新なアイデアを歓迎しましょう。

3.質より量を重視
最初にでてくる5〜6個目までのアイデアは多くの人が思いつくものであることが多いです。
良いアイデアとはありふれたアイデアを出し尽くした先に現れます。
できるだけ多くのアイデアを出すことがとても重要です。

4.他者の意見に便乗する
たくさんのアイデアを出すためには別々のアイデアをくっつける、一部を変化させるなど、他者の意見を利用してアイデアを膨らませましょう。

ブレストをうまく機能させるポイント

次にブレストをうまく機能させるポイントを少しだけまとめておきます。

1.個人で考える時間を必ずとる

いきなりグループワークに入ると、最初の意見にひっぱられて意見が限定されたり、他人任せになって主体性を発揮しないメンバーが出てきたりします。

そこで短時間でも良いので、まずは個人で考える時間を必ず取りましょう。
この際にポストイットに記載し、グループワークではそれを共有するところから始めると良いでしょう。これはブレストに限らず、普段の会議でも重要なポイントです。

この時、ポストイットには無記名でアイデアを記入してもらい、封筒や箱に入れてもらい、全員分が集まったところでファシリテーターが箱から出しながらアイデアを読み上げます

こうすることで誰が書いたかではなく、アイデア自体が評価されやすくなります。

2.参加者を多様化する

多角的なアイデアを出すといっても、参加者が一様化していたらなかなか難しいものです。
自部署だけではなくそのテーマに関わる他部署のメンバーを呼んだり、新鮮な視点を得るために若手を入れたり、場合によっては社外のメンバーや有識者などを入れると、アイデアの幅がぐっと広がり、多くの気づきがあるでしょう。

3.「発想法フレームワーク」を活用する

アイデアを発想するためのフレームワークを活用することも効果的です。
書籍としてはこちらの書籍にフレームワークがまとまっています。

サイトでは下記に発想法がまとまっていますので、よろしければご参照ください。

https://medifund.jp/marketing/idea-framework

ブレストでふせん/ポストイットを使う際にはKJ法をぜひご確認ください。
また「発散」に特化すると、「SCAMPER」「マインドマップ」「マンダラート」あたりが効果的です。

4.「発想」に取り掛かれるような「ツール」を使う

いきなり「アイデアを出してください」と言われてもなかなか難しいものです。
そこで、本格的なブレストを行う前に頭を「発想モード」への切り替えるようなアシストとなるワークが必要です。

3で紹介したフレームワークを用いるのも良いのですが、ゲーム形式でアイスブレイクを行うことでもう少し楽しみながら発想モードに入ることができます。

具体的には下記のブレスターや、ASOPICAといったツールがあります。


https://amzn.to/3SPN5Ck


https://amzn.to/42sLndz

このような補助ツールを使って発想モードへのアシストを行うことで本格的なブレストでのアイデアが出しやすくなります。

まとめ

アイデアを沢山出すためのファシリテーションスキルとして「マインドセット」、「環境」、「具体的な進め方」を紹介してきました。

上記を参考に、様々な方法を実験しながらチャレンジしてみて下さい。
今までとは全く違った議論ができるようになるでしょう。

なお、ファシリテーションスキルについては別記事でも触れていますので参考になれば幸いです。

ファシリテーション進化論?発言と論点のファシリテーション


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