今回は、外食チェーンの店長に対する店長研修で使えるリーダーシップ行動チェックリストについて書いていきたいと思います。

なお、本記事は下記の論文を参考にして書いております。
興味のある方はぜひあわせて論文も御覧ください。

外食チェーン店長のリーダーシップ行動尺度の作成の試み

目白大学大学院心理学研究科 浜田 陽子
目白大学人間学部 庄司 正実

店舗の良し悪しは店長で決まる?

まず、論文中では店舗の盛衰は店舗を管理する店長の能力によって決まるということが書かれており(別の論文の引用)、店舗における店長の重要性に言及されています。

また、その上で、店長の精神的健康はパート・アルバイトからのサポートが大きな要因となっていることが言及されています。

従って、店長がパート・アルバイトとどのような関係性を築けているかが、店舗運営に重要な要素であることが言えます。

店長のリーダーシップ行動チェックリスト

そこで、店長がパート・アルバイトにたいしてどのようなリーダーシップ行動を取っているかを示す行動リストが論文中に示されています。

1. スタッフから常に見られているという意識をもって接する
2. 言葉だけでなく行動で示す
3. 何事も自ら率先してやる
4. リーダー自身の行動で、よい例を示す
5. 会社の経営方針を伝える
6. 仕事の目標を伝える
7. 仕事上、重視していることや考え方をはっきりと伝える
8. 目標達成の意義をきちんと説明する
9. よい働きに対してはその場でほめる
10. 感謝の気持ちを言葉で伝える
11. スタッフへの信頼を伝える
12. 気持ちよく働けるよう言葉に気を付ける
13. ネガティブな言葉は使わないようにする
14. 日頃からスタッフひとりひとりのニーズ、能力、希望を知るように努力する
15. スタッフひとりひとりの将来と成長を配慮して教育する
16. スタッフの話をよく聴く
17. どのスタッフに対しても公平に接する
18. すべてのスタッフに声をかける
19. スタッフに対して常に誠実に接する
20. 仕事以外の会話をする
21. 可能なことはできるだけ任せる
22. スタッフの意見を取り入れる
23. 意見や提案によく耳を傾ける
24. 業務に関して意見を述べる機会を与える

論文中では、それぞれの項目において以下の4件法で調査したことが記述されています。

0:しない
1:どちらかといえばしない
2:どちらかといえば行う
3:よく行う

店長研修で利用する際には同様にそれぞれに対して点数を割り振ってもらうのがよいでしょう。

リーダーシップ行動の分類分け

前述の24個の行動リストですが大きく5つの分類に分けることができます。

分類1:模範を示す
行動リスト1〜4

分類2:情報提供
行動リスト5〜8

分類3:ポジティブなフィードバック
行動リスト9〜13

分類4:配慮の提示
行動リスト14〜20

分類5:自律性のサポート・意思決定への参加
行動リスト21〜24

行動リストに点数を振り、他の人と比較した時にどの分類の点数が高く、どれが低いのか比較をすると自分のリーダーシップ行動の特性について把握することができるでしょう。

どの行動がより、成果につながるのか?

最後に、5つの分類のうち、どの分類の行動が、店長としての成果につながるのかを示しています。

店長としての成果につながりやすい分類
・分類1:模範を示す
・分類2:情報提供(論文中では、目標を示す、に該当)
・分類5:自律性のサポート

店長としての成果に無関係な行動
・分類3:ポジティブなフィードバック
・分類4:配慮の提示(職場満足にはむしろマイナスの場合も)

従って、チェックリストの中でも分類1,2,5の点数が高い方が店長としての成果につながりやすいと言えます。

まとめ

まとめとしては、以下のことが言えます。

・店舗の良し悪しは店長の要因が大きい

・店長の精神的な健康はパート・アルバイトからのサポートによる

・店長のリーダーシップ行動のうち、模範を示す、目標を示す、自律性のサポートの3つの分類がより成果につながりやすい

ぜひ、貴社の店長研修でチェックリストを活用してみて下さい。

また、ぜひ論文も読んでみてください。

外食チェーン店長のリーダーシップ行動尺度の作成の試み

目白大学大学院心理学研究科 浜田 陽子
目白大学人間学部 庄司 正実


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