学習する組織を読んで、これを自社に取り入れたい!と思った方は多いのではないでしょうか。

ご存知の通り、学習する組織はピーターセンゲによって書かれたこれからの組織のあり方を示した名著です。

では、自社に学習する組織という文化を取り入れるためには、具体的に何をしたら良いのでしょうか? 今回は、こんな疑問を持つ方に向けて企業研修という形式で実践できる取り組み(アイデア)を紹介したいと思います。

なお。学習する組織についての簡単な説明はこちらを御覧ください。

ピーターセンゲ著 学習する組織とは

5つのディシプリンと企業研修

まず、学習する組織で押さえておきたいのは5つのディシプリンです。

1.システム思考
2.自己マスタリー
3.メンタル・モデル
4.共有ビジョン
5.チーム学習

学習する組織を自社に取り入れる、ということは5つのディシプリンを自社に根付かせることとほぼ同義だと思います。そこで、ここでは、5つのディシプリンを研修という形式でどのように伝えることができるか?という視点で書いてみたいと思います。

1.システム思考

システム思考 ループ図

まず、1つめのディシプリンはシステム思考です。システム思考は複雑に絡み合う事象を構造化して捉えることで、本質的な問題に目を向けることのできる思考法です。

システム思考を企業研修という形式で伝えていくためには学習する組織でも紹介されていたビールゲームを実践してみるのが良いでしょう。

ビールゲーム

ビールゲームの詳しい説明は下記をご覧頂ければと思いますが、システム思考を体感するためのよいツールとなるでしょう。

ビールゲーム実施の流れ|システム思考研修

ビールゲームによって表面化している問題だけでなく、それを生み出している構造に目を向けてもらうことで全体をシステムとして捉えることができるようになります。

ただし、システム思考を研修で扱う際には、その前にロジカルシンキングの研修を実施したほうが効果的だと思っています。システム思考はロジカルシンキングの上位概念(応用系)と考えることができるので、「原因と結果」といった最低限のロジカルシンキングの土台は揃えておくと理解が速いでしょう。

5.チーム学習

順番が前後しますが、次はチーム学習です。書籍の中でチーム学習は以下のように説明されています。

メンバーが心から望む結果を出せるようにチームの能力をそろえ、伸ばしていくプロセスである。

言っていることはなんとなくわかるような気がしますが、具体的に何をすべきなのか?が曖昧な気もします。チームが学習することの重要性や、ダイアログ(対話)の重要性はわかりますが、研修という形で具体的に何をすべきでしょうか?

ここでは、チーム学習を体験するための1つの手段として、アクティブ・ブック・ダイアログをオススメしたいと思います。

アクティブ・ブック・ダイアログはまだご存知無い方も多いかと思いますが、チームで学習するための手法としてとても優れています。

アクティブブックダイアログ

上画像だけではわかりづらいとは思いますが、ようは書籍をみんなで読み、語るという新しい読書法です。なんと、1冊の本をバラバラにして、各自が担当のページを受け持ち、自分の担当ページを読み、要約し、プレゼン発表します。

なお、アクティブ・ブック・ダイアログの詳しい説明はこちらを御覧ください。

アクティブ・ブック・ダイアログ(ABD)という新しい本の読み方

この手法を取ることで、1冊の本の内容を短時間で参加者全員が共有することができます。メンバーが共通言語や共通認識を持っているということはコミュニケーションコストを下げるのに大きく寄与すると思います。

また、読書後の対話の時間を取ることで、本で得た学びや、感じた違和感を他の人と話し合うことで本からの吸収率をより高くすることができるでしょう。

2.自己マスタリー & 3.メンタル・モデル

続いて自己マスタリーとメンタル・モデルについてです。

ちなみに、自己マスタリーとメンタル・モデルは以下のように説明されています。

自己マスタリー
個人の成長と学習のディシプリンを指す(P.194)

メンタル・モデル
世の中とはこういうものだという心に染み付いたイメージ(P.240)

どちらもややわかりづらいと思いますが、我々はどちらも自分を知るというプロセスだと考えています。
そこで、自分を知るための研修プログラムとしてハイポイントインタビューを用いるアイデアを提案したいと思います。

ハイポイントインタビューのやり方

ハイポイントインタビューとは、これまでで最も良かった経験をインタビュー形式で振り返ることで「ポジティブ・コア」と呼ばれる「強み・重視している価値観」などを発見するための手法です。

例えば、最も成果を出した仕事について2〜3人グループでインタビュー形式で語ってもらうことで、発表者は自分の過去の経験やその時の思考プロセスを振り返る(=内省)ことができます。

また、聞き手はその人が持っている強みや、その人の価値観に触れることができます。価値観の中にはその人が持つバイアス(=思い込み)が含まれていることもあるでしょう。

このように過去の経験や感情を語ってもらうことで自分自身を知ることができるため、自己マスタリーやメンタル・モデルの研修としてオススメしたいと思います。

4.共有ビジョン

最後は共有ビジョンです。共有ビジョンはすでにビジョン、ミッション、バリューなどを定めている組織も多いと思いますので比較的イメージがしやすいかと思います。

書籍の中では以下のように説明されています。

共有ビジョンとは
「自分たちは何を創造したいのか?」という問いに対する答えである。(P.281)

ここでいう創造とは、製品という話に限らず、どんな会社・社会を創りたいかという話まで含まれていると思います。

そこでこのようなテーマを扱う研修として効果的なものはホールシステムアプローチを用いたワークショップ形式の研修です。

ホールシステムアプローチについてはこちらを御覧ください。

はじめてのホールシステムアプローチ

ホールシステムアプローチを一言で言えばみんなで考え、語るための手法全般ということになります。少しわかりづらいですが、ワールドカフェなどがホールシステムアプローチの1つの手法に該当します。

ワールドカフェ
画像参照:http://j-gift.org/event-report/131126/

共有ビジョンをボトムアップで描くためには、多くの人が集まり、語り、多様な意見を尊重していく必要があります。ワールドカフェという手法はアイデアの発散と収束をバランス良く行える手法ですので、共有ビジョンを描くには良い手法だと思います。

また、オープンスペーステクノロジー(OST)という手法を用いて、Aチームはどんな「製品」を創りたいか? Bチームはどんな「組織」を創りたいか? Cチームはどんな「社会」を創りたいか? というように自分が参加したいグループに分かれて話し合うという手法もあります。

はじめてのオープンスペーステクノロジー(OST)

この手法は、自分の興味のあるグループに入って話し合うことで、熱量の高い対話ができるとされている手法です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。学習する組織を自社の組織に導入するにあたって5つのディシプリン別に、研修という形式でどのように実践していくべきか?というアイデアを提案させて頂きました。

弊社では既にビールゲームの講師派遣、及び、運営キットのレンタルを実施しておりますが、学習する組織という概念自体を自社に取り入れたいというご相談が増えてきたため、そのような想いを持つご担当者様のお役に立てれば幸いです。

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