2016年2月17日
メンタルヘルスとアルバート・エリスのABC理論
大企業〜中堅企業を中心にメンタルヘルスに関する関心が高まってきています。
2015年12月より従業員数50名以上の企業では年1回以上のストレスチェックが義務化されたことも大きな要因でしょう。
今回はメンタルヘルス研修でも教えられているアルバート・エリスのABC理論(ABCDE理論)について書いてみたいと思います。
アルバート・エリスのABC理論
アルバート・エリスはアメリカの臨床心理学者で、論理療法の提唱者として知られています。
論理療法とは
心理的問題や生理的反応は、出来事や刺激そのものではなく、それをどのように受け取ったかという認知を媒介として生じるとして、論理的(rational、あるいは合理的)な思考が心理に影響を及ぼすことを重視している
心理的問題や生理的反応は、出来事や刺激そのものではなく、それをどのように受け取ったかという認知を媒介として生じるとして、論理的(rational、あるいは合理的)な思考が心理に影響を及ぼすことを重視している
日本風に言えば「ようは気の持ちよう」ということになるでしょうか。
ABC理論は論理療法をモデル化したもので、以下の頭文字となっています。
A(Activation event) = 賦活事象(ふかつじしょう)
B(Belief) = 信念
C(Consequence) = 結果
B(Belief) = 信念
C(Consequence) = 結果
少しわかりづらいので、簡単にまとめると、「A=出来事」に対する「C=反応」は、その人の「B=解釈」によるということになります。
具体的には、先輩に怒られた部下の反応として以下の2つが考えられます。
1.B=怒られることは恥ずかしいこと ⇒ 気持ちが沈む
2.B=怒られることは期待されている証拠 ⇒ 奮起して頑張る
2.B=怒られることは期待されている証拠 ⇒ 奮起して頑張る
参考図書:「職場のメンタルヘルス」を強化する
というようにその人の「解釈」が「反応」に影響をあたえるというものです。
先の例では、
1.怒られることは恥ずかしいこと ⇒ 気持ちが沈む ⇒ ストレスに弱い
2.B=怒られることは期待されている証拠 ⇒ 奮起して頑張る ⇒ ストレスに強い
2.B=怒られることは期待されている証拠 ⇒ 奮起して頑張る ⇒ ストレスに強い
ということになるでしょう。
従って、ストレスに強い人になるためには Bの「解釈」を変えていく必要があります。
これがABCの続きのDEです。
D(Dispute) = 反論
E(Effect) = 効果
※Effective new philosophy = 効果的な新しい哲学 とも言われる
E(Effect) = 効果
※Effective new philosophy = 効果的な新しい哲学 とも言われる
「D=自分の考え方を再考する」ことで「E=新しいBを創りだす」ということになります。
重要なのは「健全な自己否定」ということになると思います。
米国ハーバード大のクリス・アージリス教授の著書の中で「ダブルループ学習」というモデルが登場します。
このモデルも「前提を捨て、これまでの行動基準自体を見直す」ということがポイントになっています。
詳しく知りたい方はこちらを御覧ください。
ダブルループ学習を組織で活用する3つの方法
まとめ
アルバート・エリスのABC理論(ABCDE理論)は以下のとおりです。
A(Activation event) = 賦活事象(ふかつじしょう) ⇒ できごと
B(Belief) = 信念 ⇒ 解釈
C(Consequence) = 結果 ⇒ 反応
D(Dispute) = 反論 ⇒ 考え方を再考する
E(Effective new philosophy) = 効果的な新しい哲学 ⇒ 新しい解釈を創りだす
B(Belief) = 信念 ⇒ 解釈
C(Consequence) = 結果 ⇒ 反応
D(Dispute) = 反論 ⇒ 考え方を再考する
E(Effective new philosophy) = 効果的な新しい哲学 ⇒ 新しい解釈を創りだす
社内でメンタルヘルス研修を実施されるときはぜひ紹介して下さい。