前回のアプリシエイティブ・インクワイアリー(AI)に続いて

はじめてのアプリシエイティブ・インクワイアリー

今回はオープンスペーステクノロジー(OST)と呼ばれる対話の手法について書いていきたいと思います。

AIやOSTはホールシステムアプローチというできるだけ多くの関係者が集まって自分たちの課題や目指したい未来などについて話し合う大規模な会話の手法の1つです。

オープンスペーステクノロジー(以下、OST)と文字を見ると社内にカフェスペースのような人が集まり、交流する場所を作る技術と思い方もいるでしょう。

オープンスペーステクノロジー(OST)とは分科会のようなもの

OSTについて「ワールド・カフェをやろう!」ではこのように記述されています。

話したいテーマを持っている参加者がテーマを提案し、それぞれのテーマに関心を持っている参加者がグループを組んで話し合いを行うので、話し合いの結果得られた結論に対して強い納得感が得られるという特徴があります。

ポイントは2つです。

1.参加者がテーマを提案する
2.関心のあるテーマに参加して話し合う

つまり、「分科会」のようなものだと言えるでしょう。

自分の興味のあるテーマに参加することで、より積極的な発言が期待され、質の高いアウトプット(アクションプランなど)がもたらされます。

具体的なやり方は以下の通りです。

1.「大テーマ」を発表する
2.大テーマに関連して「話してみたい小テーマ」を参加者から募集します
3.参加したい「小テーマ」に移動し、テーマについて話し合います
4.最終的には全体に対して話し合った内容を発表します

ポイントとなるのは2の「小テーマの募集」です。
ファシリテーターは「大テーマに関してみんなで話し合ってみたいことをみなさんの中から、X個程度、募集します」という形で参加者からテーマを募集します。

ファシリテーターは小テーマが参加者から主体的に出てくるまでじっくりと待ちます。なかなかテーマを発表する人が出てこないからといってファシリテーター側で用意したテーマで進めてしまうと、オープンスペーステクノロジーの効果が無くなってしまいます。

また、運営側が期待していなかったテーマが発表されることもあるでしょう。
「そのテーマはちょっと・・・」と退けたい気持ちもわかりますが、実はそういうテーマこそ、多くの人が興味があり、根本的な問題である可能性があるので、目をつぶって受け入れましょう。

小テーマの数に関しては、10個程度と多めに伝えておくことで誰でもテーマを出せるようにしておくのがポイントです。

ここではとてもシンプルに書きましたが、もっと詳しく知りたい方はその名も「オープンスペーステクノロジー」という書籍を読んでみてください。

OSTの4つの原理と1つの法則

基本的なやり方は前述の通りなのですが、OSTには4つの原理と1つの法則というものがあります。

4つの原理
1.ここにやって来た人は誰でも適任者である
2.何が起ころうと、起こるべきことが起こる
3.それがいつ始まろうと、始まった時が適切な時である
4.それが終わった時が、本当に終わりなのである
1つの法則
主体的移動の法則

4つの原理についてですが、2つめは例えば、自分が出したテーマに人が全く集まってくれなかったとしてもそれは「起こるべくして起こる」と捉えましょうと説明することもできます。

また、小テーマについて話している時に、あっけなく結論がでてしまったとしたらそれは4つめの原理に適応し、そこでやめてしまっても構いません。

また、法則についてですが、先ほどの結論が出てしまった場合や、そのテーマに参加したけど、ちょっと違った、という時は「他のテーマに移動しても構わない」ということを意味しています。

まとめ

オープンスペーステクノロジー(OST)とは分科会のようなものである。

OSTには4つの原理と、1つの法則が存在している。

4つの原理
1.ここにやって来た人は誰でも適任者である
2.何が起ころうと、起こるべきことが起こる
3.それがいつ始まろうと、始まった時が適切な時である
4.それが終わった時が、本当に終わりなのである
1つの法則
主体的移動の法則

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