ピーターセンゲ著 学習する組織とは
書店では年に1度ほど分厚い専門書が平積みされ、話題になりますが、学習する組織もそんな1冊と言えるでしょう。
※今年はなんといってもピケティです。他にもU理論などが同様の現象です。
しかし、例に漏れずその全章を読み切る人はわずかだと思います。
ここではピーターセンゲ著の「学習する組織」を3分でわかる学習する組織として、そのエッセンスだけを(多少デフォルメすることにはなりますが)書いてみたいと思います。
【学習する組織】とは
本書では以下のように記述されています。
ここではもう少しだけ噛み砕いて説明したいと思います。
著者【ピーター・M・センゲ】とは
ピーターセンゲは米国の経営学者でマサチューセッツ工科大学の上級講師です。
1990年に発表した著書「最強組織の法則」で日本でも有名となりました。
センゲは以下のように主張しています。
学習する組織を構成する5つの要素
学習する組織を構成する要素として以下の5つを挙げています。
2.自己マスタリー
3.メンタル・モデル
4.共有ビジョン
5.チーム学習
以下では5つの要素それぞれについて簡単に記述しておきます。
1.システム思考
システム思考とは表面上の「問題・できごと」ではなく問題が発生する「構造」に注目する思考法です。
例として、以下の様なループ図を書いて問題が発生する構造を記述することをシステム思考といいます。
ループ図についてはこちらもご覧ください。
システム思考における因果ループ図の読み書き入門
また、本の中で、システム思考を理解するためのワークとして「ビールゲーム」が紹介されていますが、こちらに関しては下記をご覧ください。
ビールゲーム実施の流れ|システム思考研修
システム思考についてはこちらの本が参考になります。
2.自己マスタリー
マスタリーとは「熟達」の意味になります。
個人が、自らの経験を振り返り、学習する【経験学習】や【内発的動機づけ】とよばれる自らが進んで学び、行動を起こすことが重要としています。
以下は、コルブによる経験学習モデルの図となります。
経験学習についてはこちらの本が参考になります。
3.メンタル・モデル
個人の発言や、行動のもと、となっている思い込み・バイアス、思考プロセスが個人や組織の成長を阻害するのであれば、逆に学習を加速するのにも利用できるとセンゲは述べています。
以下は、意識決定時のバイアスの一例です。
4.共有ビジョン
本書では、共有ビジョンとは
としています。
つまり、「ビジョナリー・カンパニー」のように全員が納得できるビジョンを掲げ、目指していくことが重要ということです。
5.チーム学習
本書では、チーム学習とは
としている。
本書では特にディスカッションではなくダイアログ(対話)の重要性を説いています。
以下ではダイアログとディスカッションの違いをまとめました。
対話:「そもそも論」の話し合い。お互いの価値観を話し合う。
議論:目標、行動、方針、役割分担など、具体的に何をするのかを話し合う。
参照元:会社の「会議」や「議論」がうまくいかないのはなぜ?
おざなりな会話と対話にこそ、その原因が潜む
http://diamond.jp/articles/-/14797
ここでは、ダイアログの手法として有名なワールド・カフェのやり方について紹介したいと思います。
社内でのワールドカフェのやり方(実施編その1)
ダイアログについてはこちらの本が参考になります。
まとめ
復元するしなやかさ(レジリエンス)をもつとともに、環境変化に適応し、学習し、自らをデザインして進化し続ける組織である。
学習する組織を構成する要素は以下の5つです。
1.システム思考
2.自己マスタリー
3.メンタル・モデル
4.共有ビジョン
5.チーム学習