OJTトレーナーになったら知っておきたい教え方の理論(ADDIEモデル)
新入社員や中途入社社員のOJTトレーナーに初めて指名された時に悩むのがどうやって教えればいいのか?という教え方についてだと思います。
仕事の仕方は自分自身の経験からなんとなくわかってはいるものの、教え方については習ったことが無い方がほとんどだと思いますので不安になるのはよくわかります。
そこで今回は教育研修では有名な教え方のモデルであるADDIEモデルを紹介したいと思います。
ADDIEモデル
ADDIEモデルとは上図にあるとおり、それぞれの単語の頭文字を取ったものです。
Design:設計
Develop:開発
Implement:実施
Evaluate:評価
※AnalyzeをAnalysis、DevelopをDevelopment、ImplementをImplementationと表記する場合もあります。
このサイクルを回すことでより効果の高い教育を実施することができるとされています。それぞれを少し詳しく見ていきましょう。
1.分析(Analyze)
まずは分析です。メンバーの現状を分析し、何ができて、何ができないのか、何が得意で、何が苦手なのか、どこまでの知識・経験があるのかを知るところからスタートです。
2.設計(Design)
次に、設計です。設計というとすごく難しいように感じますが、ようは、何ができるようにするのか?という目標を設定することです。
また、ここで設定した目標はメンバーと共有しておくのがよいでしょう。
3.開発(Develop)
3つめのステップが開発です。開発も難しそうに感じますが、ようは何を、どの手順で進めるか、という流れを決めることです。
余裕のある人は社内にある資料を用意してあげたり、学習の手助けとなる資料を作ってあげると良いでしょう。
資料のレベル感は作り込みすぎる必要はなく、「自分が新人の時にもらっていたら楽だった」ぐらいのところでよいでしょう、
4.実施(Implement)
ここまで考えた上で、実施です。実際にやらせてみるということですね。
すぐに実施でもよいですし、丁寧に行うなら練習問題を与えてあげたり、クイズ形式で知識を確認することからスタートしてもよいと思います。
5.評価(Evaluate)
サイクルの最後は評価です。実は、評価には2つの意味があります。
1つは、メンバーに対する評価です。4の実施の結果を見て、2で設計した学習目標に到達しているかどうかを評価し、そのフィードバックを与えることです。
もう1つは3の開発フェーズに対する評価です。つまり、このステップで学ばせることが最善だったのか?という評価です。
ここまでサイクルを回した上で、また1の分析を行い、現在のメンバーの知識などを考慮していきます。
あわせて読んでおきたい2つの記事
今回はADDIEモデルという少し理論的な話しでしたが、もう少し現実的なことを知りたいという方はこちらを御覧ください。
新入社員(新人)への教え方の基本4ステップ
また、もう少し詳しい理論を知っておきたいという方はこちらを御覧ください。タイトルは研修となっていますが、OJTトレーナーの方にも使える内容となっております。