黒字倒産が起きる4つの原因と、黒字倒産体験研修
弊社ではボードゲーム型の財務会計研修を実施していますが、ゲームを体験していく中で黒字倒産に陥る場合があります。(そのように作っています)
財務研修ゲーム「財務の虎」 詳細
多くの人は黒字倒産というものは聞いたことはあるが、実際になんでそんなことが起こるのか理解していません。そこで今回は、黒字倒産が起きる4つの原因を紹介したいと思います。
黒字倒産が起きる4つの原因
早速結論から。4つの原因全てに関連するのですが、基本的にお金(キャッシュ)が無いと売上や利益があっても会社は倒産します。
キャッシュ不足になることによって、取引先などへの支払いができなくなり、その結果、倒産に繋がります。(預金も含まれます。)
では、なぜキャッシュ不足になるのかというと、以下の4つの原因が挙げられます。
2.売掛金、入金サイトの管理不足
3.買掛金、支払サイトの管理不足
4.過剰な設備投資
それぞれ解説していきたいと思います。
1.在庫の抱えすぎ
1つ目の原因は在庫の抱えすぎです。これは比較的わかりやすいと思います。お金を支払って商品を仕入れたが、それが売れずに在庫として溜まってしまい、お金にならないということです。
在庫があるということは、仕入れるためのお金を支払って、入ってくるはずのお金が無いのでキャッシュフロー的には厳しい状況です。
つまり、在庫を抱えることによって直接的に倒産に繋がるわけではありませんが、キャッシュ不足に陥るということになります。
2.売掛金、入金サイトの管理不足
2つ目は売掛金や入金サイト(回収サイト)の管理不足です。
言葉だけ聞いてもよくわからないと思いますが、売掛金(うりかけきん)とは、商品は売ったけど、代金はまだもらっていない状態のことを言います。
特に企業との取引の場合、商品を納品してから、実際にお金が入ってくるのは1ヶ月後というケースが多いと思います。
つまり、1ヶ月後にはお金が入ってくるけれど、今月厳しい、ということになりえます。この1ヶ月の間に取引先に支払いができないと倒産となります。
取引先によっては、納品後、3ヶ月後に支払いますという条件を突きつけてくることがあります。そうなると、3ヶ月間は飢えを凌がないと行けません。この期間のことを入金サイトや回収サイトといいますが、できるだけサイトを短くすることが重要となります。
3.買掛金、支払サイトの管理不足
3つ目は買掛金、支払サイトの管理不足です。
買掛金(かいかけきん)とは、商品は買っているが、まだ代金を払っていない状態で、先程紹介した売掛金の逆となります。
身近な例としてはクレジットカードで買い物をした場合、商品は先にもらっていますが、手元の現金や、預金口座の残高はすぐには減りません。通常、1ヶ月後のクレジットカードの引き落とし日に銀行口座から引き落とされると思います。
企業との取引でも買掛金(いわゆるツケ払い)が使われていますが、来月の支払いのことを忘れてクレジットカードで散財していると引き落としができなくなるのと同じで、買掛金の管理ができていないと支払いが滞り、倒産となります。
なお、クレジットカードの場合は通常、1ヶ月後に引き落とされますが、支払サイトは企業側で自由に設定できます。現実的には大手企業ほど支払サイトを長く設定しているケースが見受けられます。
キャッシュ不足に陥らないためには支払サイトを長くする(できるだけ先延ばしする)こともポイントになります。
4.過剰な設備投資
最後は過剰な設備投資です。こちらもイメージしやすいと思いますが、製造業では特に工場を作ったり、少し古いですが自社ビルを立てたりはもちろん、サービス業では特に過度な人材採用も含まれると思います。
設備投資のポイントはその取得額が莫大だということです。人材採用の場合は莫大とは言えませんが、日本では特に解雇が簡単にはできないため、給与などの固定費が掛かり続けるということになります。
このように設備投資や人材採用などを行ったが、思ったような成果が出なかった場合、キャッシュ不足に陥る可能性があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。黒字倒産になる4つの原因を紹介しましたが、頭ではなんとなくわかるけど、実際そのシーンにならないとよくわからないというのが現実ではないでしょうか。
ただし、難しいのはそのシーンになったときにはもう遅いということです。そこで、弊社では黒字倒産を疑似体験できるような経営シミュレーションゲーム形式の研修を実施しています。
社員に財務会計の基礎を学ばせたい、黒字倒産を疑似体験させたいという場合はぜひご検討下さい。