山登り研修の目的と効果とは?
新入社員研修などで山登りを取り入れている企業の記事を目にします。
研修で山登り?と思われる方も多いと思います。人によってはスパルタ研修だと感じる方もいるでしょう。
参考URL:http://xn--qckyd1cw85ujh1a1uy.jp/review826.html
その多くはチームワークを育むこと、つまりチームビルディングを目的としています。
具体的には
・共通の苦労を体験する
・遅れているメンバーへのサポート
という体験を山登りを通じて頭ではなく体で感じて欲しいという意図があると思います。
山登りとチームワークの理論
ここからは少し理論的にチームワークの7つの要素に当てはめて山登り研修の効果について考えてみたいと思います。(ディッキンソンとマッキンタイアの理論)
チームワークの7つの要素についてはこちらを御覧ください。
チームワークの7つの要素について
チームの指向性:全員で山頂を目指すという姿勢
チームワーク理論の1つめの要素はチームの指向性です。
ここでは目標と言い換えてもよいでしょう。
良いチームには共通の目標が必要です。
山登り研修においては全員で山頂を目指す、またはチームワークを発揮して全員で山頂を目指すとしても良いでしょう。
ここではそもそも、研修の目的が受講者に伝わっているかどうか、ということもポイントになるかと思います。
リーダーシップ:目標を明確に示していること
2つ目の要素はリーダーシップです。
良いチームには優れたリーダーが存在することが多いのはみなさんも納得頂けると思います。
リーダーの役割は目指すべき方向性や目標を示すことといえますが、山登り研修においては誰か特定のリーダーシップというよりも、目標を全員で決めたという方が目的に合致しているでしょう。
研修効果を最大化したいのであれば、目標自体(何時間で山頂にたどり着く等)を受講者から引き出すのが理想です。
今まで担当者が目標を明確にしてしまっていることもあると思いますが、目標設定から自分たちでやらせることも重要です。
モニタリング:他のメンバーの状況を観察する
3つ目の要素はモニタリングです。
ここでは他のメンバーの状況を観察することと言うことができるでしょう。
登山中、自分自身の状況はもちろん、他のメンバーの疲労度、怪我の様子などの状況を把握できているかどうかは、全員で(かつ、時間内に)目標達成するためには重要な要素となります。
フィードバック:他のメンバーの状況を全体に伝える
4つ目の要素はフィードバックです。
ここでは、他のメンバーの状況を全体に伝えることと言えます。
具体的には誰かが疲れているからここで休憩を取ろう、誰かが遅れているから少し待って欲しいという状況を全体に伝える行動となります。
山登り研修をより効果的にするために、下山後にモニタリングやフィードバックができたかどうかを振り返る時間を取ることをオススメします。
相互支援:他のメンバーへのサポート
5つめの要素は相互支援です。
ここでは、他のメンバーへの直接的なサポートということになります。
チームワークと言った時、多くの人がイメージするのはこの相互支援かもしれません。
具体的には疲れている人に声を掛けたり、荷物を軽くしてあげたりというサポートや階段や坂道で手を取ってあげたりという行動がそれにあたります。
何よりモニタリングができていないと、相互支援はできません。
相互調整:メンバーの状況に全員が連動する
6つめの要素は相互調整です。
ここではメンバーの状況に全員が連動することを指します。
具体的には疲れているメンバーがいるときにフィードバックによってグループに状況が伝わったら全員が連動して休憩を取るまたは複数グループが存在する場合は小グループ間の連絡を伝えるといった行動が重要です。
コミュニケーション:話すしか無い環境が山登りにはある
最後はチームワークのベースとなる要素のコミュニケーションです。
山登りの際には山を登る以外にはメンバーと話すことしかできません。
現代では携帯電話やインターネットがすぐに利用できるため、話すことしか出来ない環境を作ることで相互のコミュニケーションを促進することができます。
従って、登山中に音楽を聞きながら歩くと言った行為は禁止としたほうが良いでしょう。
もちろんこれも自分たちで決めるほうが効果的となります。
まとめ
ここまでは主に登山中の行動について書いてきましたが他にも以下のことを通してチームワークを高めることができます。
・山頂付近で一緒に御飯を食べること
・帰り道に銭湯に立ち寄る(強制でないほうがいいかもしれません)
いかがでしたでしょうか。山登りを研修というと人によっては違和感を感じる方もいるかもしれませんが研修としての設計を行えばチームビルディングに役立つと思います。
ご検討の方のお役に立てていれば幸いです。