ジャック・フィリップスによる研修効果測定
研修効果の測定方法にはカークパトリックによる4段階評価が有名ですが、ジャック・フィリップスによるROI(投資対効果)を含んだ5段階評価も存在しています。
前提:カークパトリックの4段階評価
カークパトリックの4段階評価については下記で詳しく記載していますが、簡単に書くと、研修の効果測定方法として以下の4つの段階を示しています。
カークパトリックによる研修効果の測定(4段階評価)
ジャック・フィリップスによる5段階評価
ジャック・フィリップスは1996年にカークパトリックの4段階評価にROI( = Return on Investment = 投資対効果)を加えて5段階評価を提唱しました。
研修におけるROIは以下のように算出します。
研修に掛かる費用には、会場費、備品、講師料などの他に研修を受講した人の人件費、研修時間を他の業務に当てた際の機会損失費用などを含むこともあります。
しかし、研修によって得られる利益の算出はとても難しいのは容易に想像できるでしょう。
具体的には、営業研修として、アポイントの獲得率をあげるための研修を実施したとしましょう。
この研修の半年後、アポイント獲得率が10%向上したとします。
さて、このアポイント獲得率の向上に営業研修がどの程度の影響を与えているのでしょうか。
もしかしたら、経験による学習によってアポ獲得率が上がったのかもしれませんし、市場の変化でアポが獲得しやすくなったのかもしれません。
このように研修によって得られる利益を算出することはとても難しいのです。
ジャック・フィリップスの5段階評価は理論的には納得できるものですが、現実的には測定が難しい評価方法です。
超簡易版ROIの算出方法
弊社では超簡易版ROIの算出として、アンケートに以下のような項目を入れています。
※1人あたりの具体的な金額を記入してください。
この項目を受講生に記入して頂き、以下のようにROIを算出します。
※研修を受講した人の人件費、研修時間を他の業務に当てた際の機会損失費用を含まず
弊社にお支払い頂く金額が100万円の場合、 記入された金額の合計が100万円を下回れば、ROIは低かったということになります。
外部の研修会社を利用した場合はこのような計算式で簡易的ではありますが、満足度とは別の定量的な評価を行うことが可能です。
まとめ
ジャック・フィリップスによる5段階評価とはカークパトリックの4段階評価にROIを加えたものである。
ROIの算出方法は以下の通り。