今回は心理的安全性についての面白い論文を見つけましたのでご紹介したいと思います。

それがこちらです。

心理的安全性を高める上司の行動が職場にもたらす影響
島村 香代
立教ビジネスデザイン研究,19,119-133 (2022)

立教大学学術リポジトリ(立教Roots)

タイトルにある通り、こちらの論文では心理的安全性を高める上司の行動について研究されています。

なお、心理的安全性の重要性についてはご存知の方も多いと思いますが、かのGoogle社がチームの効率性について分析したこちらが有名です。

Google のリサーチチームが発見した、チームの効果性が高いチームに固有の
5つの力学のうち、圧倒的に重要なのが心理的安全性です。

リサーチ結果によると、心理的安全性の高いチームのメンバーは、Googleからの
離職率が低く、他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用する
ことができ、収益性が高く、「効果的に働く」マネージャーから評価される機会が
2倍多い、という特徴がありました。

Google社 re:Work ホームページより

ちなみに、Google者による評価の高いマネージャーに共通する10の行動様式は下記のようになっています。

画像引用先:Google社 re:Work ホームページより

さて、研究の紹介に戻りたいと思いますが、論文では心理的安全性を高める上司の行動として下記のような分析結果が記載されていました。
心理的安全性 上司 行動

上画像にあるように、最も相関が強いのはあなたのチームリーダー(上司)は進捗状況に応じて,予測可能なことは具体的に説明してくれるという行動で、ここからは私見ですが、相関の強い上位3つを先程紹介した10の行動様式に分類すると「5効果的なコミュニケーションをするー人の話をよく聞き、情報を共有する」に該当するでしょうか。(良いコーチであるにも該当しそうです)

また、論文では心理的安全性とワーク・エンゲージメント、職務満足感の関連性を示したパス図を掲載されています。
心理的安全性 ワークエンゲージメント

上画像から分かる通り、心理的安全性を高める上司の行動は職場の心理的安全性に大きな影響を与えています。そして、職場の心理的安全性はワーク・エンゲージメントに、ワーク・エンゲージメントは職務満足感につながっていきます。
※ただし、ワーク・エンゲージメントについては心理的安全性以外の要素でもっと影響が大きなものが存在していそうな結果です。

また、心理的安全性を高める上司の行動は心理的ストレス反応に負の影響を与えています。これはつまり、心理的安全性を高める上司の行動はストレスを減らしてくれるということになります。
心理的安全性 ストレス反応

ただ、職場の心理的安全性が心理的ストレス反応に正の相関があるのは、心理的安全性の高い職場というのは決してヌルい職場ではないということになるのでしょうか。(ここの部分については論文中で解説がなかったように思えます)

まとめと関連製品

いかがでしょうか。今回は心理的安全性を高める上司の行動とその効果について研究した論文を紹介しました。
ぜひ本文も読んでみてください。

心理的安全性を高める上司の行動が職場にもたらす影響
島村 香代
立教ビジネスデザイン研究,19,119-133 (2022)

立教大学学術リポジトリ(立教Roots)

なお、弊社では心理的安全性を知り、高めるゲーム型研修として「ベストチーム」を提供しています。

心理的安全性を知り、高めるゲーム型研修「ベストチーム」

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