ハラスメント研修で使えるゲーム・ツール7選|認識のズレを見える化する体験型研修
「ハラスメント研修を実施しているが、毎年同じ座学で社員の反応が薄い」「法律の説明だけでは、実際の行動変容につながらない」——そんな悩みを持つ研修担当者は少なくありません。
2020年6月のパワハラ防止法施行(中小企業は2022年4月〜)により、すべての企業にハラスメント防止措置が義務化されました。しかし、義務だからと形式的に座学を繰り返すだけでは、ハラスメントの本質的な予防にはつながりません。
そこで注目されているのが、ゲームやワークを活用した体験型のハラスメント研修です。本記事では、ハラスメント研修にゲームが有効な理由と、すぐに導入できるゲーム・ツール7選を紹介します。
なぜハラスメント研修に「ゲーム」が有効なのか
1. 認識のズレを”見える化”できる
ハラスメント問題の根本には「自分の言動がハラスメントだと思っていない」という認識のズレがあります。座学で「これはパワハラです」と教えても、当事者は「自分は違う」と感じがちです。
ハラスメント問題の本質は「自分の言動がハラスメントだと認識できていない」ことにあるのです。
ゲーム型研修では、同じ事例に対して参加者それぞれが判断を示すため、「自分と他者で認識が違う」ことを体感できます。この気づきは、講師から一方的に伝えられるよりもはるかに強く記憶に残ります。
2. 心理的安全性が確保される
ハラスメントはデリケートなテーマです。「あなたの発言はパワハラです」と直接指摘されれば、防衛的になってしまいます。
ゲームという形式を取ることで、「ゲームの中の出来事」として客観的に議論できます。立場に関係なくフラットに意見交換しやすくなり、本音が出やすい場が生まれます。
3. 受講者の集中力と満足度が高い
座学だけの研修は、特に毎年実施する場合にマンネリ化しがちです。ゲーム型は能動的な参加が求められるため、集中力が持続し、「今年の研修はよかった」という声につながりやすくなります。
ハラスメント研修で使えるゲーム・ツール7選
ここからは、ハラスメント研修で活用できるゲーム・ツールを7つ紹介します。
1. ハラスメントフラグ カード版

概要:ハラスメントに関する事例カードを読み、参加者が「ハラスメントだと思う/思わない」を判定するカードゲーム型研修です。
特徴:同じ事例に対する判断が参加者によって分かれるため、「認識のズレ」がその場で可視化されます。「自分はセーフだと思っていたが、周囲はアウトだと感じていた」という発見が、行動変容のきっかけになります。
・対象人数:3名〜100名程度
・所要時間:1〜2時間
・提供形態:レンタル
・対応テーマ:パワハラ、セクハラ、マタハラなど幅広く対応
導入事例:

公益財団法人千葉県文化振興財団様(講師派遣)では、全職員36名を対象に実施。「会場のあちらこちらで『意外です!』『そういう見方もあるんですね』という声が挙がっていました」とご担当者様。受講者からは「世代や性別に関係なく意見が分かれ、お互いの価値観を伝えあうことが大事だと思いました」との声も。
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東洋紡労働組合様(レンタル)では、「”楽しく学ぶ”研修にしたいと思い探していたところ、職場でありそうな事例が多く掲載されている『ハラスメントフラグカード』がヒットし、導入を決めました」とのこと。
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2. ハラスメントフラグ オンライン版

概要:カード版と同様のコンセプトを、オンラインで実施できるワーク型研修です。Webブラウザ上で回答・集計が行われます。
特徴:「自分と世間一般」「自分とチームメンバー」の認識のズレをデータで確認できます。リモートワーク環境でも実施でき、全国の拠点を横断した研修にも対応可能です。
下の画像は実際の画面です。同じ設問に対するチームメンバーの回答分布が表示され、自分の回答とのズレが一目でわかります。

さらに、1,500名以上の回答者データと自分の回答を比較することもできます。下の例では「美容室に行った翌日、『その髪型、似合ってるね』と言われる」という設問に対し、ホワイト〜ブラックの4段階に回答がほぼ均等に分かれており、人によって認識が大きく異なることがわかります。

デモ版で実際の操作感を体験できます。
ハラスメントフラグ デモ版を試す
・対象人数:5名〜100名程度
・所要時間:1〜2時間
・提供形態:オンライン
・対応テーマ:パワハラ、セクハラ、マタハラなど
導入事例:
株式会社TRUSTDOCK様(社内講師型)では、「社内制度を作っただけでは形骸化する。予防的なアプローチとしてハラスメントフラグを導入しました」とコーポレート部法務グループの長澤様。
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3. 人狼取締役会(オンライン版・カード版)

概要:人気ゲーム「人狼」の仕組みを活用し、ハラスメントとアサーティブ・コミュニケーションを学ぶ研修です。オンライン版に加え、対面で使えるカード版もあります。

特徴:ゲームの中で「主張する」「傾聴する」「合意形成する」といったコミュニケーションスキルを実践的に体験できます。振り返りでは「人狼取締役会ではやっても許されたが、現実ではやってはいけないことは?」という問いを通じて、ゲーム中の行動と実際の職場行動のギャップに気づくことができます。

振り返りではアサーティブ・コミュニケーション(自分も相手も大事にした自己表現)についても学びます。

・対象人数:5名〜100名程度
・所要時間:1〜3時間
・提供形態:オンライン/カード(対面)
・対応テーマ:アサーティブ・コミュニケーション、ハラスメント防止
4. ハラスメント研修スライド(約90スライド)

概要:セクハラ・パワハラ・マタハラを網羅した、PowerPoint形式の研修スライド教材です。購入後は自社内で自由に編集・利用できます。
特徴:約90スライドのボリュームで、ハラスメントの定義から具体的な事例、対処法まで体系的にカバーしています。ゲーム研修と組み合わせることで、知識のインプットとアウトプットの両方を1回の研修で実現できます。
・スライド数:約90枚(PowerPoint形式)
・料金:40,000円(税別)
・対象人数:2名〜100名程度
・所要時間:最大4時間程度
5. ハラスメントクイズスライド

概要:パワハラ・セクハラ・マタハラに関するクイズを収録した、PowerPoint形式のスライド教材です。
特徴:全9スライドとコンパクトなため、既存の研修プログラムの冒頭や合間に「アイスブレイク」として差し込むのに最適です。5,000円と導入しやすい価格も魅力です。
・スライド数:9枚(PowerPoint形式)
・料金:5,000円(税別)
・対象人数:2名〜100名程度
・所要時間:15〜30分程度
6. ワークハラスメント防止カード(他社製品)
概要:株式会社ブレインコンサルティングオフィスが製作・販売しているカードゲームです。50枚の「現象カード」に記載された職場の事例を、「レッド(職場で発生)」「イエロー(起こりうる)」「ブルー(問題なし)」の3段階に分類して話し合います。
特徴:3色分類というシンプルなルールで、誰でもすぐに参加できます。50種類の豊富な事例カードがあり、職場の実態に近い事例を選んで実施できる柔軟性が魅力です。
出典: 株式会社ブレインコンサルティングオフィス「ワークハラスメント防止カード」
7. ボスの品格(他社製品)
概要:参加者が「ボス役」と「部下役」に分かれ、日常の指導場面をロールプレイするゲーム型研修です。
特徴:ボス役だけでなく部下役の参加者も、自分が感じるハラスメントポイントと他の参加者の感覚の違いに気づけます。「誰しも認識にズレがある」ことを全員が実感できる設計になっています。
目的・人数・時間別の選び方ガイド
7つのツールを比較表にまとめました。自社の研修ニーズに合わせてお選びください。
| ツール名 | 形式 | 人数 | 時間 | オンライン | おすすめ用途 |
| ハラスメントフラグ カード版 | カードゲーム | 3〜100名 | 1〜2時間 | × | 認識のズレを体感したい |
| ハラスメントフラグ オンライン版 | Webワーク | 5〜100名 | 1〜2時間 | ○ | リモート環境で実施したい |
| 人狼取締役会 | カード/オンライン | 5〜100名 | 1〜3時間 | ○(オンライン版) | コミュニケーション力も強化 |
| 研修スライド(90枚) | スライド教材 | 2〜100名 | 〜4時間 | ○ | 体系的な知識も教えたい |
| クイズスライド(9枚) | スライド教材 | 2〜100名 | 15〜30分 | ○ | 短時間で気軽に導入したい |
| ワークハラスメント防止カード | カードゲーム | 4〜6名/卓 | 1〜2時間 | × | 少人数で深く議論したい |
| ボスの品格 | ロールプレイ | 4〜6名/卓 | 1〜2時間 | × | 管理職向け研修に |
目的や時間に合わせて複数のツールを組み合わせると、より効果的な研修になります。
おすすめの組み合わせ例:
・半日研修(3〜4時間)の場合:研修スライド(知識インプット)+ ハラスメントフラグ カード版(体験アウトプット)
・短時間研修(1〜1.5時間)の場合:クイズスライド(導入)+ ハラスメントフラグ カード版 or オンライン版
・オンライン研修の場合:ハラスメントフラグ オンライン版 + 人狼取締役会オンライン
ハラスメント研修を企画する際の3つのポイント
1. 管理職と一般社員で研修内容を分ける
管理職は「加害者にならない」視点、一般社員は「被害を受けたときの対処法」や「自分も無意識に加害者になりうる」視点が必要です。同じゲームを使う場合でも、振り返りの論点を階層別に変えることで、より実践的な学びになります。
2. 単発ではなく定期的に実施する
ハラスメント防止は一度の研修で完了するものではありません。年1回以上の定期実施が推奨されます。毎年同じ内容だとマンネリ化するため、ゲーム型研修のように毎回異なる気づきが得られる形式が継続実施に向いています。
3. 相談窓口の周知とセットで行う
ゲーム研修で「これはハラスメントかもしれない」と気づいた参加者が、次の行動を取れるよう、社内の相談窓口や対応フローを研修内で必ず案内しましょう。気づきを行動につなげる仕組みが、研修効果を最大化します。
ハラスメント研修のお問い合わせ
紹介したゲーム・ツールについて、資料請求は下記フォームよりお気軽にどうぞ。
まとめ
ハラスメント研修は、法令遵守のためだけでなく、社員が安心して働ける職場環境をつくるための重要な取り組みです。
座学だけでは「自分ごと」として捉えにくいハラスメント問題も、ゲームやワークを取り入れることで、認識のズレを可視化し、自然な行動変容を促すことができます。
本記事で紹介した7つのゲーム・ツールの中から、自社の研修目的・人数・時間に合ったものを選び、効果的なハラスメント研修を実現してください。
