コーヒーが買える4社を4Pで比較したマトリクス|マーケティング研修の4Pワーク用インフォグラフィック

【結論】マーケティング研修で4Pを効果的に教えるには、受講者自身が頭を動かす実践的なワークショップの導入が最適です。
具体的には、スターバックスやドトール、マクドナルド、セブンイレブンという身近な4つのブランドを題材にします。
それぞれの4Pにおける差別化戦略を個人やグループで比較分析させることで、実務に活きるマーケティング視点を体系的に養うことができます。

目次

1. マーケティング研修で4Pを教える時の具体事例
2. コーヒーショップ4社を4Pで比較した記入例
3. 受講者がつまずきやすい4つのポイント
4. ワークの進め方と時間配分の目安
5. 議論が止まったときの問いかけ例
6. 4Pの次に伝えたい「4C」の視点
7. よくある質問
8. マーケティング研修で使えるボードゲーム「スウィート・マーケット」
9. 研修導入をご検討の方へ

マーケティングの教科書で必ず出てくるキーワードの1つにマーケティング・ミックスと呼ばれる4Pがあります。

ご存知の通り4Pとは以下の頭文字を取ったものです。

Product:製品
Price:価格
Promotion:販促
Place:流通チャネル

そして書籍などでは4Pがうまく活用できた事例としてユニクロ(を運営するファーストリテイリング)が紹介されたります、

具体的には以下のようなものです。

Product:製品:1998年フリースの発売(様々な色の展開)
Price:価格:2000円を切るような価格での販売
Promotion:販促:有名人を起用したインパクトのあるCM
Place:流通チャネル:中国での生産、中間業者の排除、SPAモデル

と、ここまで事例を見せられて「ふーん、なるほどー」となるわけですが、読むだけでは知識が右から左に流れてしまうだけでどうも身になった気がしません。(これは私だけかもしれませんが・・・)

ということで、新入社員研修などのマーケティング研修で4Pを教える時に自分の頭で考えてもらうような事例を紹介したいと思います。

マーケティング研修で4Pを教える時の具体事例

【要点】マーケティング研修で4Pを教える際は、身近な店舗の差別化ポイントを整理するワークショップの実施が効果的です。具体的には、スターバックスコーヒーやドトールコーヒー、マクドナルド、セブンイレブンを題材とし、消費者の目線で各社の違いを分析します。個人やグループでのワークを通じて、自社が他社とどのように差別化を図っているのかを視覚的に理解しやすくなります。

コーヒーショップを題材にしたマーケティング研修の4Pワーク

例えば、コーヒーショップをいくつか紹介し、それぞれが4Pの観点のどこで差別化しているのかを表にまとめると言ったものです。

例えば、以下のようなコーヒーショップ(コーヒーを提供している店舗)を考えてみます。

・スターバックスコーヒー
・ドトールコーヒー
・マクドナルド
・セブンイレブン

以下のような表を書き、それぞれがどこで差別化を図ってるのかを消費者の目線で見てみると、自社が他社とどのように差別化を図っているのかも見えやすくなるかと思います。

4P 事例

まずは個人ワークorペアワークで表を記入し、その後4人グループなどで話しあい、最後にグループの代表者に発表してもらうというような流れを考えています。

コーヒーショップ4社を4Pで比較した記入例

【要点】同じ「コーヒーを売る」ビジネスでも、4社は4Pの組み合わせがまったく異なります。スターバックスは空間という価値で高価格を成立させ、ドトールは駅前立地と回転率、マクドナルドは低価格と圧倒的な店舗網、セブンイレブンは買い物のついでという動線で顧客を獲得しています。この違いを言語化すること自体がワークのゴールです。

先ほどの表に記入していくと、例えば以下のような整理ができます。研修の場で受講者から出てきた意見をまとめる際の参考にしてください。

4P / 店名 スターバックス ドトール マクドナルド セブンイレブン
Product
製品
エスプレッソ系を中心にカスタマイズ可能。くつろげる空間そのものが商品 コーヒーとミラノサンドなどの軽食。短時間で済ませられる組み合わせ ハンバーガーが主役。コーヒーはセットや単品で気軽に頼める位置づけ カウンターで淹れる挽きたてコーヒー。弁当やパンとの組み合わせ前提
Price
価格
4社の中では高め。滞在時間や空間の対価も含んだ価格設定 日常的に通える手頃な価格帯 低価格。セットメニューやクーポンでさらに割安に もっとも手軽な価格帯。ワンコインで完結する
Promotion
販促
大規模なCMに頼らず、店舗体験や口コミ、季節限定商品で話題をつくる 店頭やモーニングセットなど、来店動機に直結した訴求が中心 テレビCMやアプリのクーポンなど、マス+デジタルの大規模な販促 レジ前のPOPや「ついで買い」を促す売り場づくり
Place
流通チャネル
直営中心。駅前や商業施設など、滞在需要のある立地に出店 駅前やオフィス街など、通勤動線上への出店 ロードサイドから駅前まで幅広く展開。ドライブスルーやデリバリーも 生活動線上にある店舗網そのものがチャネル。24時間いつでも買える

ここで重要なのは、この表に唯一の正解があるわけではないという点です。受講者によって「スターバックスのProductは空間だ」「いやドリンクの品質だ」と意見が割れますが、その議論こそがマーケティングを自分の言葉にするプロセスになります。講師は正解を配るのではなく、意見の違いを引き出す役割に徹するとワークが深まります。

受講者がつまずきやすい4つのポイント

【要点】4Pのワークでは、Place を「立地」だけ、Promotion を「広告」だけと狭く捉えてしまう誤解が頻出します。またProductを目に見えるモノに限定してしまうと、スターバックスのような体験価値を説明できません。4つのPは互いに整合していて初めて戦略になるという点まで押さえると、知識が実務につながります。

ワークを実施すると、受講者が引っかかりやすいポイントはある程度決まっています。あらかじめ想定しておくと、講師としてフォローしやすくなります。

Place を「立地」だけで考えてしまう:Place は「どうやって顧客に届けるか」という流通全体を指します。セブンイレブンの24時間営業やマクドナルドのデリバリーも Place の話です。立地だけに絞ると議論が浅くなります。

Promotion を「広告」に限定してしまう:Promotion には店頭POP、クーポン、季節限定商品、口コミの設計まで含まれます。スターバックスのように大規模CMを打たない企業を扱うと、この点に気づいてもらいやすくなります。

Product を目に見えるモノだけと捉えてしまう:コーヒーという飲み物は4社ともほぼ共通です。それでも選ばれ方が違うのは、提供している価値が飲み物だけではないからです。ここが体験価値に話を広げる入り口になります。

4つのPをバラバラに評価してしまう:高価格(Price)を成立させるには、それに見合う空間(Product)と立地(Place)が必要です。4つのPが噛み合っているかどうかを最後に確認させると、戦略として理解が進みます。

ワークの進め方と時間配分の目安

【要点】このワークは40〜50分程度を目安に設計できます。個人ワークで自分の考えを持たせてからグループ討議に入るのが重要で、いきなりグループで話し合わせると発言力のある人の意見に流れてしまいます。個人5〜10分、グループ15分、発表と共有15分、講師のまとめ10分という配分が扱いやすい構成です。

進行の一例は以下の通りです。

個人ワーク(5〜10分):表を配布し、まずは1人で埋めてもらいます。埋まらないマスがあっても構いません。「わからない」と気づくこと自体に意味があります。

グループ討議(15分程度):4名程度のグループで、記入内容を突き合わせます。同じ企業でも人によって書いた内容が違うので、その差を話題にしてもらいます。

発表・全体共有(15分程度):グループごとに1社ずつ担当を割り振ると、時間内に4社すべてを扱えます。全グループに全社を発表させると時間が足りません。

講師によるまとめ(10分程度):4つのPの整合性、そして自社の商品・サービスに置き換えるとどうなるかを問いかけて締めます。

新入社員研修であれば、この後に自社の商品を題材にした同じフォーマットのワークへつなげると、知識が自分ごとになります。

議論が止まったときの問いかけ例

【要点】グループ討議が沈黙したときは、比較の軸を具体的な問いに変換すると再び動き出します。「なぜ高くても選ばれるのか」「同じコーヒーなのに価格差はどこから来るのか」といった問いは、受講者が自分の消費体験から答えられるため発言のハードルが下がります。

議論が止まってしまったときに投げかけると効果的な問いをいくつか挙げます。

・スターバックスは他社より高い価格ですが、それでも選ばれているのはなぜでしょうか。
・同じコーヒーという商品なのに、4社で価格差が生まれているのはどこに理由がありそうですか。
・セブンイレブンのコーヒーは、他のコーヒーショップと競合しているのでしょうか。それとも別の何かと競合していますか。
・自分が最後にコーヒーを買ったのはどの店で、そのときなぜその店を選んだのでしょうか。
・皆さんの会社の商品に置き換えると、4つのPのどこで差別化していると言えそうですか。

最後の問いは、研修のゴールを「4Pを知っている」から「自社を4Pで説明できる」に引き上げるための重要な問いかけです。

4Pの次に伝えたい「4C」の視点

【要点】4Pはあくまで売り手側から見たフレームワークです。同じ対象を買い手の視点で捉え直した4C(Customer Value・Cost・Convenience・Communication)とセットで伝えると、独りよがりな戦略設計を防げます。研修の締めくくりで軽く触れておくだけでも、受講者の視野が広がります。

4Pは製品・価格・販促・流通という売り手の言葉で構成されています。これに対して4Cは、同じ要素を買い手の立場から言い換えたものです。

Product(製品) → Customer Value(顧客にとっての価値)
Price(価格) → Cost(顧客が払う費用)
Promotion(販促) → Communication(顧客との対話)
Place(流通チャネル) → Convenience(顧客にとっての利便性)

先ほどのコーヒーショップの例で言えば、セブンイレブンのコーヒーが選ばれる理由は「安いから」だけではなく、買い物のついでに立ち寄れるという利便性(Convenience)にあります。売り手目線の4Pだけで整理していると、この観点が抜け落ちがちです。

新入社員研修で4Cまで一度に詰め込む必要はありませんが、「今日整理したのは売り手から見た形で、お客様から見ると別の言い方になる」と一言添えておくだけでも十分です。

よくある質問

Q. マーケティング研修で4Pを教える際、受講者が最もつまずきやすいポイントは何ですか?

Place(流通)を単なる「立地」、Promotion(販促)を「広告」だけに限定して狭く捉えてしまう点です。これらを広く捉え、4つのPが互いに整合していることを理解させることが重要です。

Q. 4P分析ワークショップの適切な時間配分はどのくらいですか?

全体で40〜50分程度が目安です。内訳としては、個人ワークに5〜10分、グループ討議に15分、発表と全体共有に15分、講師によるまとめに10分を配分するとスムーズに進行できます。

Q. 4Pのワークショップでグループ討議を行う前に個人ワークを挟むのはなぜですか?

いきなりグループで話し合わせると、発言力のある受講者の意見に流されてしまうためです。最初に個人ワークで自分の考えを持たせることで、多様な意見が生まれ、議論が活性化します。

Q. ゲーム型研修「スウィート・マーケット」はオンラインでも実施できますか?

スウィート・マーケットは対面専用のゲームとなっており、オンライン版の提供はございません。対面での実施において、受講者が主体的にマーケティング戦略を練るプロセスを体験するのに最適な設計となっています。

Q. 4Pのワークで受講者の意見が割れた場合、講師はどのように対応すべきですか?

唯一の正解を提示するのではなく、なぜそのように考えたのかという理由を引き出す問いかけを行います。意見の食い違いこそが、マーケティングを自分の言葉で理解する貴重なプロセスとなります。

マーケティング研修で使えるボードゲーム「スウィート・マーケット」

今回ご紹介したワークは、紙とペンがあればすぐに実施できます。一方で、4Pを「知っている」から「使える」に引き上げるには、実際に意思決定をして結果を受け取る体験があると効果的です。

弊社では、マーケティング研修で使えるボードゲーム「スウィート・マーケット」をご用意しています。参加者はお菓子会社の経営者となり、商品カード・流通カード・販促カードを組み合わせてマーケティングポイントの獲得を目指すゲームです。カードの構成がそのままProduct・Place・Promotionに対応しているため、今回のワークで整理した4Pを、意思決定と結果という形で体験できます。

【対象人数】5〜50名程度(1チーム4名推奨)
【実施時間】3〜7時間
【特徴】マーケティングに関する事前知識が不要

なお、スウィート・マーケットについては弊社講師ではなく、外部パートナー講師での実施となります。ゲームの詳しい内容は下記の記事をご覧ください。

マーケティング研修で使えるボードゲーム「スウィート・マーケット」

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この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
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