OJTトレーナーのためのコーチングスキル〜GROWモデル〜
一般に、OJTトレーナーにはコーチングのスキルが必要だとされています。
実際に、研修会社によるOJTトレーナー研修でコーチングの単元が含まれていることが多いです。
また、コーチングとは以下の様に定義されています。
相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すとするコミュニケーション技法である。
参考:Wikipedia
ここでは簡単に「新入社員のサポートをすること」とします。
GROWモデルとは
そんなコーチング理論の1つにGROWモデルという理論が存在しています。
GROWとは以下の頭文字を取ったフレームワークです。
R:Reality ⇒ 現状の把握
O:Options ⇒ 選択肢の創造
W:Will ⇒ 目標達成の意思
※RにはResource ⇒ 「資源の発見」が追加されることがあります。
GROWモデルの具体例
具体的な使用法について見て行きましょう。
例えば、新入社員 Aさんが「テレアポを取る」という業務を行っていたとしましょう。
しかしながらAさんはなかなかアポが取れません。
そこでOJTトレーナーであるあなたに相談に来ました。
Aさん「先輩、テレアポが全く取れずに悩んでます。相談に乗ってくれませんか。」
あなた「もちろん、ちょっと話そうか。」
G:Goal ⇒ 目標の明確化
Aさん「今週中にテレアポを5件取ることです。」
あなた「そうだよね、今週中だから残り2日で5件ってことだよね。」
Aさん「そうです。」
R:Reality ⇒ 現状の把握
Aさん「今は1件だけです。」
あなた「お、1件は取れてるだね。いいじゃん。」
Aさん「はい、ただ5件には遠くて。それで悩んでます。」
あなた「なるほど、つまり、あと2日で4件のアポを取る必要があるんだね。」
Aさん「そうです。」
O:Options ⇒ 選択肢の創造
Aさん「いつも通りの話をしたところ、お客さんが、他の会社で例えばどこが使ってるの?と聞かれて、◯✕さんが使ってます、と答えたらアポが取れました。」
あなた「なるほどね、大手企業への導入実績を聞いて安心したのかもね。」
Aさん「そうかもしれないですね、そういうのって伝えても大丈夫なんですか?」
あなた「会社として公表しているものに関しては大丈夫だよ。」
Aさん「そうなんですね、よくわかっていなくて。」
あなた「そうだよね、例えば、◯✕社で導入しているというのを先に伝えてみるのはどうかな?うまく行ったやり方を試してみるってのは。」
Aさん「そうですね、いいかもしれません。」
W:Will ⇒ 目標達成の意思
Aさん「はい」
あなた「途中で進捗を確認するなら、いつがいいかな?」
Aさん「トークスクリプトを直してみて実施するので1時間半後でいいでしょうか。」
あなた「OK、じゃあ1時間半後に進捗確認しよう」
Aさん「はい、ありがとうございました。」
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まとめておきます。GROWモデルとは以下の頭文字を取ったものです。
R:Reality ⇒ 現状の把握
O:Options ⇒ 選択肢の創造
W:Will ⇒ 目標達成の意思
上記の例の様にGROWのフレームワークに合わせて話すことで相手に考えさせながら、サポートすることが可能です。
ぜひ、活用してみてください。