今回はいわゆる売れる営業と売れない営業の差について書いていきたいと思います。

結論から先に書けばその差は事前準備にあると言えます。
これは一橋ビジネスレビュー(2018年WIN)の新しい営業の科学という特集の、データから見えてくる日本の営業という記事に記載されています。

データから見えてくる日本の営業

稲水伸行(東京大学大学院経済学研究科准教授)
鏑木幸臣(ソフトブレーン・サービス株式会社セールスサイエンティスト)

一橋ビジネスレビュー(2018年WIN) P.36-49

記事の中で著者らは営業パーソンの属性や認識を確認する営業プロファイルと、営業パーソンのスキルとその実行レベルについての営業スキル・チェックアップの2つからなる営業力調査票を用いて売れる営業パーソンと売れない営業パーソンの差を分析しています。

なお、営業力調査票は134項目の質問から成り、営業スキル・チェックアップは以下の8つの項目に分類されるようです。

1.仕事意識
2.仕事の進め方
3.市場環境理解
4.事前準備
5.アプローチ
6.ヒアリング
7.プレゼンテーション
8.クロージング

調査の結果、データとして見えてきたのは以下のようなことです。

営業成績下位20%以下の市場環境理解について
・営業成績下位20%以下は競合の訴求点を知らない
・営業成績下位20%以下は市場動向について顧客と話していない

営業成績下位20%以下の事前準備について
・営業成績下位20%以下は面談を想定して複数の話し方を用意していない
・営業成績下位20%以下は想定ニーズの裏付けを収集していない

営業成績トップの行動について
・営業成績トップは目標の数字を言える
・営業成績トップは事例で課題解決を理解させている

ご覧の通り、営業成績下位20%以下の営業パーソンは顧客と話す前の段階で負けていることがわかります。市場や競合を分析せず、顧客ニーズも想定してしきれていないことが見て取れます。

営業 時間の使い方
他の記事でも、低業績者は高業績者に比べて情報収集にかける時間が少ないことがわかります。
画像参考:売れる営業と売れない営業はこんなに時間の使い方が違う

上図の記事の中では以下のように言及されています。

低業績者は、情報収集が十分ではないので、顧客の課題把握があいまいになり・・・中略
企画書作成に時間がかかることになります。

一方、営業成績トップになると「数字」と「事例」に強いことが挙げられています。
記事の中では営業成績トップの人間は市場動向について顧客と話している情報の入手方法で創意工夫をしているなどに差があると説明されています。

つまり、事前準備は抜かりなく、その上で、顧客との面談の際には顧客に合わせた最適な事例を紹介できるということになります。

まとめ

ここまで見てきて、何をすべきかがだいたい見えてきましたが、まずは現在使っている時間を分析し、情報収集や社内でのロールプレイングに時間を使うように時間を調整してくことが求められるでしょう。

より詳細を知りたい方は下記を御覧ください。

データから見えてくる日本の営業

稲水伸行(東京大学大学院経済学研究科准教授)
鏑木幸臣(ソフトブレーン・サービス株式会社セールスサイエンティスト)

一橋ビジネスレビュー(2018年WIN) P.36-49


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