今回は法人営業におけるチームワーク型営業についての面白い論文があったので紹介したいと思います。
その論文がこちらです。

チームワーク型営業のパフォーマンス向上要因の研究
山崎淳一,高野研一

人間工学 Vol.57, No.1(’21)
P.24-33

https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I031274920-00

この論文ではチームワーク型営業パフォーマンスの因子を調査し、まとめています。

また、論文中ではチームワーク型営業と個人営業の違いを下画像のようにまとめ、データによる分析をされています。


画像引用:図1 営業形態の例と商談の傾向 より

法人営業におけるチームワーク型営業の3つの成功要因

調査方法などの詳細は論文を読んで頂くとして、ここでは結論部分を紹介していきたいと思います。
それが下画像のパス図です。

チームワーク型営業 成功要因
画像引用:図4 パフォーマンスモデル(パス図)

図にも説明書きがありますが、上段の相関係数がチームワーク型営業(チームワーク型営業)で、下段の相関係数が個人営業の数値となっています。

パス図から読み取れることとして、論文中では下記のように記述されています。

真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」因子が、
仕事への満足感と会社への信頼」「明朗闊達な情報共有」
商品の売りやすさ」および、
ローテーション(担当変更)」因子に影響を与え、
これらの因子と共に「パフォーマンス」因子に影響を与える。

また、「仕事への満足感と会社への信頼」が
明朗闊達な情報共有」に影響を与え、
明朗闊達な情報共有」が「商品の売りやすさ」に影響を与える

という構造である。

ちなみに、各因子の説明は下表をご覧ください。

画像引用:表2 抽出された因子一覧

個人営業との違いという意味でどうか?と見てみると、このように記述されています。

個人営業の場合は、
「真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」がパフォーマンスに直接的に
大きな影響を
与えるのに対し、

チームワーク型営業の場合は、
「真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」が他のパフォーマンス要因に
大きな影響
を与える。

つまり、チームワーク型営業の場合、「真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」間接的にではありますが、他の要因に影響を与え、結果としてパフォーマンスに影響を与えていることになります。

個人営業との違いからチームワーク型営業の3つの成功要因(チームワーク型営業のパフォーマンス向上要因)として、以下の3つがあげられます。

チームワーク型営業と個人営業のパフォーマンス要因のうち、
推定値の差異が大きい
「明朗闊達な情報共有」
「真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」
「ローテーション(担当変更)」の3つ
が,
チームワーク型営業の特徴的要因であることが明らかになった.

個人的に面白いなと思ったのは、パフォーマンスだけを見れば、商品の売りやすさの相関係数が、「真摯で前向きな営業活動と業務姿勢」や「ローテーション(担当変更)」よりも高いわけですが、それは個人営業との違いが少ないために、チームワーク型営業の特徴的要因とは言えないということです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。法人営業のチームワーク型営業についての論文は珍しいと思いますので個人的にはとても興味深かったです。
みなさんもぜひ読んでみて下さい。

チームワーク型営業のパフォーマンス向上要因の研究
山崎淳一,高野研一

人間工学 Vol.57, No.1(’21)
P.24-33

https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I031274920-00


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