今回から不定期でシステム思考において基本となる8つのシステム原型を1つずつご紹介していきたいと思います。

なお、システム思考は2017年にUNESCOによって提唱された持続可能な市民になるために必要な8つのコンピテンシー(下画像)でも一番最初に挙げられている今後の社会を生き抜くために必要なスキルであると考えています。

持続可能な市民になるために必要な8つのコンピテンシーについてはこちらを御覧ください。

SDGs研修で伝えたい8つのコンピテンシー

システム原型その1:応急処置の失敗

さて、今回紹介するシステム原型の1つ目は応急処置の失敗というものです。
因果ループ図は下記のようになります。

なお、本来は「+」をSameを表す「S」、「ー」をOppositeを表す「O」で書くのが一般的です。ただ、SとOよりも+とーの方が一般にはわかりやすいのではないか?と思っています。

システム原型 応急処置の失敗

1回目なので、因果ループ図についても書いておきたいと思いますが、以下のように定義されます。

1つの要素(重要要素)の値の変化が、他の要素の値にどのように影響を与えていくか、複数の要素の関係がバランスをもたらすのか、あるいは拡大や衰退をもたらすのもかを描く。

参考文献:システム・シンキングトレーニングブック

ちなみに、上で紹介したシステム・シンキングトレーニングブックは成功循環モデルで有名なダニエル・キムによる名著で、弊社にも1冊おいてありますが、ほとんど売りに出ていません。古本屋さんで見つけたらぜひ買っておくのが良いと思います。

ということで、システム原型の1つめ、応急処置の失敗ですが、以下のような意味となります。

1.問題が増えると、応急処置(暫定対応)の必要性が増える(+)

2.応急処置(暫定対応)が増えると、一時的に問題は減る・解決される(ー)

3.ただし、応急処置(暫定対応)によって、中長期的に(遅れを伴って)意図しない結果が生まれる(+)

4.意図しない結果が、次の問題を生んでしまう(+)

もう少し具体的に書くと、下の因果ループ図となります。
応急処置の失敗

赤字の企業応急処置としてリストラを行ったところ、一時的に黒字化したが、企業文化が損なわれたり、残った従業員のモチベーションが下がったりして、結局売上が回復せず、また赤字となってしまう、というようなケースです。

応急処置の失敗というシステム原型に対する対策は、他のシステム原型にも言えるのですが、問題を正しく定義することや、自分の打ち手が与える影響を想定し、先回りして対応策を打つことだと思います。

言うは易く行うは難し、ですが、結局これが大事なんですよね。。。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は8つのシステム原型の1つ目として、応急処置の失敗について書いてみました。不定期とはなりますが次回をお楽しみにしてください。

システム原型 応急処置の失敗


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