不定期でお届けしているシステム思考において基本となる8つのシステム原型のご紹介をしていきたいと思います。

今回が7回目で、今回は成功には成功をを紹介したいと思います。
過去のシステム原型 シリーズの記事についてはこちらをご覧ください。

簡単に解説!システム原型 シリーズ

システム原型全般についてはかなり古い本ですが、下記がおすすめです。
参考文献:システム・シンキングトレーニングブック

システム原型その7:成功には成功を

さて、改めてですが、今回紹介するシステム原型は成功には成功をというものです。因果ループ図は後ほどご紹介するとして、まずは簡単な事例を紹介したいと思います。

成功には成功を、の事例としてわかりやすいのが金魚の飼育です。


画像引用先:https://t-aquagarden.com/column/goldfish_beginner10

ん?システム思考の事例で金魚の飼育?と思った方も多いと思いますが、お付き合い頂ければ幸いです。
ある時、思い立って(または、子供の要望で)、家で金魚を飼育することにしたとします。
一匹では可哀想ですし、病気などで死んでしまうと子供も悲しむので、数匹買うことにしました。

買ってきた時点ではどの個体も大きさは同じくらいでした。
しかし、飼育開始から1年後は個体の大きさがまったく違っていたのです。
買ってきた金魚はどれも同じ品種で、大きくなりやすい品種が混じっていたということではありません。なぜこんなことが起こるのでしょうか?

ちなみに成功には成功を、のシステム原型が働くのは以下の3つの条件が整ったときとされています。

1.複数が同じリソースを求めて争う、ゼロサム・ゲームであること
2.一方がより多くの資源を得ることで、さらに成功していくこと
3.リソース配分の減少を被った側は、さらに成功から遠ざかること

さて、金魚の大きさの違いとシステム原型の関連はわかったでしょうか?

複数の金魚が飼育されている水槽にを与えます。この餌がゼロサム・ゲームなのです。

極論を言えば、1匹の金魚がすべての餌を食べてしまうと、他の金魚は餌を食べられないわけです。
ここで、仮にAという金魚が飼育開始直後に少し多めに餌を食べたとしましょう。すると、Aは成長し、体が大きくなります。
体が大きくなれば食べる量も増えるでしょうし、他の金魚よりいいポジション?を取れるかもしれません。そうやって、Aは次の餌も他の金魚よりもたくさん食べることができます。

一方、A以外の金魚はどんどん大きくなっていくAに餌をたくさん食べられてしまい、なかなか成長することができません。
これが、成功には成功を、の簡単な事例です。

成功には成功をの因果ループ図

さて、成功には成功をの因果ループ図は下記のようになります。先程の金魚の話に関連付けて見てもらえればと思います。

成功には成功を

なお、本来は「+」をSameを表す「S」、「ー」をOppositeを表す「O」で書くのが一般的です。ただ、SとOよりも+とーの方が一般にはわかりやすいのではないか?と思っています。

まずは、金魚Aが偶然、多くの餌にありつけたとしましょう。するとAの成功(ここでは成長)に繋がります。

すると、大きくなった金魚Aは他の金魚よりも多くの餌にありつけることになります。これがAにとって好循環ループとなります。(因果ループ図左側)

一方、A以外の金魚郡Bにとっては、大きくなっていくAに餌を奪われ、成長の機会を得ることができません。(因果ループ図右側)

改めて成功には成功を、のシステム原型が働くのは以下の3つの条件が整ったときとされています。

1.複数が同じリソースを求めて争う、ゼロサム・ゲームであること
2.一方がより多くの資源を得ることで、さらに成功していくこと
3.リソース配分の減少を被った側は、さらに成功から遠ざかること

カオス理論をご存知の方は、初期値に対する鋭敏性と似ていると思ったかもしれません。
すなわち「最初の状態がほんの少し違うだけで、将来非常に大きな違いを生む」というものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は8つのシステム原型の7つ目として、成功には成功をについて書いてみました。

不定期とはなりますが次回をお楽しみにしてください。

成功には成功を

システム思考関連でおすすめの書籍はこちらです。


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