複数の現場社員に面接官を依頼する際、それぞれの社員が統一された採用基準を持っていることはとても重要です。
 
もし統一された採用基準が無いとしたらAさんは「とても良い応募者だ」と判断しても次の面接官のBさんでは「なんでこんな人を上げてきたのか」となり、Bさん(多くは上位職)の不当な工数を割くことになりかねません。

コンピテンシーモデルとは

そこで、応募者をコンピテンシーモデルというモデルによって5つのレベルに分類し、採用基準の統一化をはかります。
 
コンピテンシーモデルの基本的な考え方は以下のとおりです。

再現性のある過去の成果をみることによって、その人が未来に成果を生み出すであろう可能性を評価することです。
 
参考:コンピテンシー面接マニュアル

つまり、応募者の過去の成果の話の中に「再現性」があるかどうかを分析することによって、その応募者が自社でも同じように「思考・行動」し、活躍できるかどうかを判断します。

5つのコンピテンシーレベル

コンピテンシーレベル コンピテンシーモデル
 
上の図に表したのがコンピテンシーモデルのレベル分けです。(コンピテンシーレベル)
全体が5つのレベルから成り立っており、当然ですが、上に行くほどレベルの高い応募者ということになります。

レベル5 パラダイム転換行動

最もレベルの高いレベル5はパラダイム転換行動です。
新卒採用に限ればほとんど現れないレベルということになります。
一言で表すと以下の様な行動を取る人と言えます。
 

パラダイム転換行動 = まったく新たな、周囲にとっても意味のある状況を作り出す行動

例えば、以下の様な例を上げてみましょう。

某大型スーパーで3年間、アルバイトをしていたAさん(大学3年生)はアルバイトの評価が適当に行われており、なぜBさんの時給が20円上がり、Cさんの時給は1円も上がらないのか、疑問を持っていました
 
そこで、社員のDさんと話していると、アルバイトの評価基準が無いことを知り、社員の独断と偏見で時給を上げていることがわかりました。
 
Aさんはそういった不合理な理由で、以前にとても優秀なアルバイトが何名も辞めていったのを目にしていました。
社員のDさんも優秀なアルバイトが辞めていっていることを危惧していました。
 
そこでAさんは3年間のアルバイトの経験を活かして、優秀なアルバイトの評価基準を独自で作成し、社員のDさんのフィードバックをもらい、店舗マネージャーのEさんに「アルバイトの評価基準の作成のお願い」をしました。
 
EさんはAさんの情熱と、よく考えられている評価基準を目にし、Aさんの評価基準を店舗で導入することにしました。
 
その結果、この店舗では優秀なアルバイトの定着率が高まり、売上も僅かながら貢献しているようでした。
それを受けてAさんはEさんに複数店舗のマネージャーが集まるエリアMTGの参加を直訴。他店舗のマネージャーへのプレゼンを実施しました。
 
そして、なんと複数店舗でAさんの評価基準が採用されることになりました。
1アルバイトのAさんが大型スーパーのアルバイトの評価基準を作成・浸透させたのです。

 
いかがでしょうか。かなり凄い例ですが、Aさんの様なイノベーションを起こす行動
がレベル5のパラダイム転換行動です。

レベル4 創造行動

レベル5のパラダイム転換行動はほとんど現れないため、業界や業種、会社の規模等にもよりますが、レベル4の創造行動を取れる応募者を採用できれば、良い応募者を採用できた、といえるのではないでしょうか。
一言で表すと以下の様な行動を取る人と言えます。
 

創造行動 = 独自の効果的工夫を加えた行動、独創的行動、状況を変化させよう、打破しようという行動

例えば、先の例でAさんが1店舗だけでアルバイトの評価基準を導入できたとしたら、または、そこまでは至らないにしても、アルバイトの時給を決める立場にある社員に独自の評価基準を紙にまとめて伝えたとしたら、それは創造行動といえるでしょう。
 
例自体がレベルが高い例なので、ピンと来ないかもしれませんが、自社に応募してくる学生の「大学時代に頑張ったこと」などを分析してみると各レベルが明確になると思います。
 
大学の勉学で言えば、「こういう研究をしたかったのですが、大学の科目だけでは足りないので、自分で勉強会を主催し、社会人の方を呼んで、他大学の学生たちと研究をし、発表を行いました」などが創造行動といえるでしょう。

レベル3 能動行動

3つ目のレベルは能動行動です。
 

能動行動 = 明確な意図や判断に基づく行動、明確な理由をもと選択した行動

 
能動行動は目的意識や、人に説明できる理由がある行動といえます。面接で言えば「何でそれをやったんですか?」「なぜその方法を選んだのですか?」という質問をした場合に明確に答えられば、能動行動と言えます。
 
また、「能動」とされていますので「誰かに言われたから」ではなく、「自分の意思」でその選択を選んでいることが重要です。
 
大学の勉学で言えば、「こういう研究をしたいので、自分の学科の科目の他に他学部の科目を取得したり、独学で勉強しました」というのは能動的な行動の例でしょう。

レベル2 通常行動

4つ目のレベルは通常行動です。
 

通常行動 = やるべきことをやるべきときにやった行動

ここでやっと「通常」とされる行動が入ってきます。
具体的に先の例では、評価基準を受け入れて、時給を上げるためにミス無く淡々とこなす、というのが通常の行動でしょう。
そこに能動性や、工夫は見られません。現状の中で取れる通常の行動です。
 
「大学で進級のために単位を取るために勉強してきました。」と言われても、「それ、普通だよね」となってしまうでしょう。

レベル1 受動行動

最後は受動行動です。
 

受動行動 = 部分的・断片的な行動

極端に言えばアルバイトの評価が理不尽なので、文句を言って辞めました。
留年しないように単位の取りやすい科目を選びました。
など、目的意識が無い、もしくは低い、行き当たりばったり、他責な行動です。
 
こういう思考・行動プロセスの人とは一緒に働きたくないと思います。
 
逆に言うと、ここまで来ると、できればコンピテンシーレベルが3以上の人と働きたいと思うでしょう。

自社で求めるコンピテンシーレベルとは

もちろん、コンピテンシーレベルが低い人とは一緒に働きたくないと思うでしょうが、逆に、どこまでコンピテンシーレベルが高い人を求めているでしょうか。
 
自社の応募者への認知度、既存の社員のレベル感で考えた時に、いきなりレベル5の応募者が入社したら現場が混乱するかもしれませんし、文化になじまないかもしれません。
 
逆に、組織を改革するためにレベル5の社員を入社させようと言う戦略的な採用が必要かもしれません。
 
従って、採用戦略の段階で、どのコンピテンシーレベルの応募者を何名ずつ入社させたいというような戦略も生まれてくるかもしれません。
 
あなたの会社ではどのレベルの応募者を求めているでしょうか。

まとめ

コンピテンシーモデルとは
レベル5:パラダイム転換行動
レベル4:創造行動
レベル3:能動行動
レベル2:通常行動
レベル1:受動行動
である。
 
自社がどのレベルの応募者を求めているか、全ての面接官に意識の統一感が求められています。

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