「問い」についてのワークショップに参加してきました
18日の土曜日にこんなワークショップに参加してきました。
問いをデザインする技法を探る-ワークショップにおける”良い問い”とは何か?
http://peatix.com/event/98548?lang=ja
私の問題意識としてワークショップを行う際にファシリテーターはどのような問いを立てるのが良いのか?というものがありました。
というのも、過去に自分が行った/参加したワークショップの中で「問い」によって話しづらかったり、話が盛り上がったりした経験があるからです。
このワークショップではまさにその「問い」についてどのようにデザインしていくか?という切り口で、東京大学大学院 情報学環 特任助教の 安斎勇樹 先生によって開催されました。
みなさんの中でも社内でワールドカフェや、ブレインストーミング形式の会議を行う際に「問い」の立て方について悩んでいる方も多いと思います。
なお、同じワークショップが8月20日にも実施されるようです。
http://peatix.com/event/186304/view
ワークショップはグループで「良い問い」とは?、「悪い問い」とは?を話し合い、次に、「問い」についての学術的な講義を受け、それを活かして「実際に問いを作り」、それを参加者でやってみる、そして振り返るという流れで実施されました。
研究会の中で個人的に興味があったのは「問いの因数分解」という部分で
問いの”因数分解”についての記事
「問い」という文章を分解してみて、どのような要素で構成されているのか?を詳しく見てみようというものでした。
「長い問い」は「悪い問い」か?
前段の「悪い問い」を考えるグループワークで、私が出したアイデアとして「長い問い」というのをあげていました。「長い問い」が与えられると「何について考えていいのか」が曖昧になることが多いからです。
しかし、この「長い問い」≒「悪い問い」という私の認知は「問いの因数分解」によってもっと解像度を上げて理解することができたと思います。
具体的な問いを上げてみます。
もし、長い問い=悪い問いだとすると、この短い問いは良い問いになる可能性があるわけですが、この問いはなかなか、考えるきっかけをどこに置くのか?が難しい問いです。
研究会の中では「探索」しづらい問い、という説明がされていたと思います。
先ほどの問いに比べて少し長くなりましたが、これは比較的考えやすいと思います。
「今月」という制約によって「探索範囲」が狭くなっていますし、「最も美味しかった朝ごはん」という問いが「自分の経験」を問われていると明確だからです。
先ほどの問いから 「美味しかった」 の部分が 「豊かな」 に変わっています。
「美味しかった」は「味」の問題であると認識できますが、「豊かな」は「味」以外の要素も
想起させ、「自分にとって豊かな朝食とは何か?」という問いを「内包」しています。
このように「問い」の中に「内包される問い」があった方がよりその人の「価値観」を知るという目的では「良い問い」なのではないか?と感じています。
最後の問いです。
先ほどの問いから主語を変えています。「私」から「高齢者」へと。
この問いに置き換わると「高齢者とは?」という問いが「内包」されていることがわかります。
ファシリテーターとしては「豊かな」朝ごはんについて考えて欲しかったつもりなのにさもすればディスカッションタイムの多くを「高齢者の定義」に費やしてしまうことになります。
※もちろん、高齢者の定義を考えてもらうというのであればこれでも良いと思います。
1つの問いに対して「内包」されている問いが複数ある場合は、少し注意が必要なのかもしれません。
ファシリテーターとしては「そこに時間使ってほしくない」という部分に時間を割かれてしまう可能性がありますし、参加者としては「考えるべき要素が多すぎて混乱する」可能性が高まります。
まとめ
さて、話しを最初の方に戻して、当初私は「長い問い」≒「悪い問い」というぼんやりとした認識がありましたが、この研究会を通して「長い問い」にも大きく2つの要素があると感じました。
1つは、前提が細かく定義されている場合。
例としては前述の「高齢者」が「70歳以上で要介護1の高齢者」となっている場合。
こちらは参加者の探索の範囲を狭めることにつながるのでそんなに悪くないのかもしれません。
もう1つは問いに「内包」されている問いが多い場合。
こちらは先程記述したとおり、参加者に「考えるべき要素が多すぎて混乱する」可能性を与えてしまいます。
ちょうど木曜日にとある企業で「新規事業」について考えるワークショップを実施することになっています。研究会での学びを通して、「良い問い」を投げかけられるように考えたいと思います。