このところ、従業員満足(ES)が再注目されています。
2018年8月号のハーバード・ビジネス・レビューも従業員満足についてがメインテーマとなっています。「従業員満足は戦略である」というタイトルです。

再注目されている背景としては、日本において人材不足が深刻になりつつあり、人材採用が困難になっていることや、従業員満足が中長期的に顧客満足につながることが挙げられるでしょう。

従業員満足と顧客満足の相関

従業員満足は顧客満足にどれぐらい相関があるのでしょうか?これまでいくつもの研究が行われてきましたが、それらの研究をまとめて分析したBrown&Lamによるメタアナリシスによれば、相関関係は以下のように分析されています。

職務満足度と顧客満足度の相関係数は0.25で、弱い正の相関がある

つまり、職務満足度と顧客満足度は少しだけ相関があるということになります。しかし、これは従業員満足度が顧客満足度の4〜6%程度を説明しているに過ぎないということでもあります。

また、職務満足度が直接的に顧客満足度に影響を及ぼしているというよりも、職務満足度がサービスの質の向上に繋がり、それが間接的に顧客満足度に影響するということがわかっています。

これをわかりやすく示したのが下のサービス・プロフィット・チェーンです。

ヘスケットらによるサービス・プロフィット・チェーン

サービス・プロフィット・チェーン
画像参照:http://logical.ofsji.org/houjin/jirei/service/

従業員満足と顧客満足度の関係性を表したモデルにサービス・プロフィット・チェーンというものがあります。

サービス・プロフィット・チェーンは1994年にハーバード・ビジネス・スクールのヘスケット教授(Heskett)らによって提唱されました。(上図)

これは、優れた企業では、従業員に向けた内部サービス、従業員満足、サービスの質、顧客満足、収益性という指標が循環的に高まることを意味しています。(下図)

サービス・プロフィット・チェーン

これを見ていただければ、ハーバード・ビジネス・レビューのタイトルになっている「従業員満足は戦略である」の意味がわかってくると思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。いま再注目されている従業員満足(ES)について、顧客満足に対して弱い正の相関があること、またそれをモデル化したサービス・プロフィット・チェーンについて紹介しました。

コストがあまり掛からず、しかし、従業員の満足度が向上する取り組みから始められると素晴らしいですよね。


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