今回は企業向け人狼ゲーム「人狼取締役会オンライン」についてご紹介したいと思います。

人狼取締役会オンラインは、ZoomやTeamsなどのビデオ会議システムでブレイクアウトルームを行いながらブラウザで実施できる人狼ゲームです。

ゲームを実施するのに特別なアプリのインストールは不要で、指定のURLにアクセスし、チーム名と名前(ニックネーム可)を入力することで実施できます。
ブラウザで実施するゲームですので、PCはもちろん、タブレットやスマートフォンでも実施可能です。

ゲームの進行は一般的な人狼より簡略化されていますが、いわゆるワンナイト人狼よりは 議論のラウンドが多めです。

また、企業向けということで、仕事上はそこまでコミュニケーションを取らない方々とコミュニケーションを取るという目的で、チームを入れ替えてゲームを複数回実施する想定となっています。

人狼取締役会オンラインにおける役職は「村人(取締役)」、「占い師(監査役)」、「人狼(侵略者)」、「狂人(裏切り者)」の4つとなっています。
設定としては、村人、人狼、狂人はとある会社の取締役、占い師は監査役という設定で、人狼陣営が会社を乗っ取るために他の取締役や監査役を解任していく形となっています。

ゲームの流れ

1日目昼:占い

ログイン画面からログインをすると、システムで自動的に自分の役割が決まります
下画像の場合は監査役、つまり、占い師となりました。

ゲームの最初のアクションは1日目の昼の占い師による占いとなります。占い師は自分以外の誰か1人を指定して、占いを行うことによって、その人の役割を知ることができます。

1日目昼:会議

続いては会議です。ブレイクアウトルームを行い、4分程度の会議を行います。
会議ではお互いの役割を探り合い自分の陣営にとっての敵を特定することが重要となります。

ここで、企業内で人狼ゲームを実施する際の注意点として、はじめて人狼ゲームに参加する人が多いことから、会議で何を話したらいいのかわからないという問題があります。

そこで弊社では会議での振る舞い方と具体的なトークスクリプトを説明し、人狼初心者でも会議が進行できるように工夫しています。

1日目昼:投票

会議が終わると、次は解任投票となります。全てのプレイヤーが「解任すべきと思うプレイヤー」を選択して投票し、最多票を獲得した1名は解任されます。

ただし、最多票を獲得したプレイヤーが2名以上いた場合(同数だった場合)誰も解任されません

ということで、ここでは「ふじた」さんが解任されてしまったようです。ゲームのログは「取締役会の議事録」として公開されます。

1日目夜:襲撃

続いて、1日目の夜のターンに入ります。夜のターンでは、人狼による襲撃(強制解任)が行われます。

人狼役は誰か1名を選択して、襲撃を実行します。
このとき、気をつけなければならないのは本来は仲間である狂人を襲撃しないようにしなければなりません。

ここでは占い師である「ちば」さんが人狼によって解任されてしまったようです。

占い師を解任できると、人狼陣営にとって有利となります。

2日目昼:占い⇒会議⇒投票

これで1日目が終了し、2日目に移ります。

1日目に占い師が解任されていた場合には、2日目の昼に占いを行うことはできません

また、すでに解任されてしまった場合でも会議で発言することは可能です。ただし、投票には議決権がないため、参加できません

ということで、ここでは2日目の昼の投票について、最多得票数が同数だったため、誰も解任されなかった、という結果となりました。(下画像の議事録)

ゲーム終了!

2日目の投票が完了したらゲームは終了です。
結果表示画面には勝利した陣営や、それぞれの役割、議事録などが表示されます。

なお、人狼取締役会では若干ではありますが、村人陣営が有利なケースがあるため、村人陣営で勝利すると2ポイントを獲得し、人狼陣営で勝利すると3ポイントが獲得できる設計となっています。

また、この画面をみながら、ゲームについての簡単な振り返りを実施します。

ここで振り返りを実施することで次のゲームでの振る舞い方を考えるきっかけとなります。

この振り返りまで含めて1ゲームが20分程度となります。

企業向けの人狼ゲームということでゲームを複数回実施することを想定しているため、累計獲得ポイントによる個人得点ランキングを表示しています。

ここで、次のゲームに向けて「チーム替え」と「役割替え」を行います。

このゲームで占い師だった人と、狂人だった人が違うチームに移動し、新たに迎えたメンバーとまた新しい役割でゲームをプレイします。

実施時間にもよりますが、ゲームに1時間半程度使える場合は4〜6回ゲームを繰り返し、獲得ポイントが最も多い個人の優勝となります。

ゲーム後の振り返り

全体のゲームが終了し、優勝者を発表したあとは、仕事に使える学びを深めるための振り返りを行います。

振り返りを実施しない場合はタダの人狼ゲームとなりますが、企業内で実施する場合には振り返りを実施し、学びの要素を追加することが必須だと思います。

具体的にはまずは「人狼取締役会ではやっても許されたが、現実ではやってはいけないことは?」といった問いかけを行います。

人狼では嘘をついたり、根拠も無いのに誰かを人狼だと決めつけたり、騙したりといった行為が正当化されますが、現実でそんなことをやったら人間関係を壊すだけです。

また、人狼では攻撃的なコミュニケーションを取ったり、初めて実施するゲームの中で非主張的なコミュニケーションを取る方が出てきますが、現実ではアサーティブ・コミュニケーションを意識しましょうということで、アサーティブ・コミュニケーションについても解説しています。

人狼の教育的効果についての論文

ここまで読んで頂いて、「とはいえ、人狼を研修で実施するのはどうなんだろうか?」と思っている方も多いと思います。

過去記事でもご紹介していますが、人狼ゲームの教育的効果について調査されている論文があります。
この論文によれば以下のように結論付けられています。

人狼ゲームを用いたトレーニングによって、 社会的スキルと自己主張の持続的な促進効果が期待できる。

具体的なデータはこちらを御覧ください。

人狼ゲームを用いた コミュニケーショントレーニングの 効果測定
東京福祉大学 丹野 宏昭

https://osf.io/t9np2/

ということで、人狼を研修で実施するのはゲーム単体としても効果があり、さらに振り返りを実施することで効果を高めることができるといえると思います。

人狼取締役会オンラインの提供について

弊社ではオンラインで人狼取締役会オンラインを実施するにあたっての上画像のようなシステム、及び、投影用のスライド(パワーポイント形式)、動画マニュアル、希望者についてはファシリテーター用の事前レクチャーの提供を行っております。有料となります。

提供するパワーポイントには講師向けのトークスクリプトや解説が含まれています。

詳細な資料や、デモ(体験版)の確認をご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。
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