研修の効果を測る理論として有名なものに、カークパトリックの4段階評価があります。

詳しくは下記のページをご覧頂ければと思いますが、レベル1が受講者の満足度を測定すること、レベル2は確認テストなどで学習定着率を測定する方法、レベル3は研修から一定期間後に受講者にインタビューなどを行い、行動変容を測定するもの、レベル4は一定期間後の業績・成果を数値で測定するもの、となります。

カークパトリックによる研修効果の測定(4段階評価)

できればより高いレベルでの効果が測定することが望ましいと思います。しかしながら、実際にはレベル3以上の測定がなかなか難しいと言うことになります。(具体的には、インタビューに協力してもらえるような時間が確保できない、定性的な評価にやりやすいなど)

しかし、効果が測定できづらいとはいえ、行動変容につながりやすい研修にすることはとても重要です。そこで今回は、行動変容段階モデルを紹介し、研修後の受講者の行動変容が起こりやすいような研修をいかに設計するかということを書いていきたいと思います。

行動変容段階モデルとは

行動変容段階モデル

行動変容段階モデルはもともと、禁煙や依存症などの治療のためにジェイムス・プロチャスカが提唱したモデルで、健康教育などに活用されています。

行動変容段階モデルは上図のように5つのステージで表されます。

1.無関心期:6ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がない時

2.関心期:6ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がある時期

3.準備期::1ヶ月以内に行動変容に向けた行動を起こす意思がある時期

4.行動期:明確な行動変容が観察されるが、その持続がまだ6ヶ月未満である時期

5.維持期:明確な行動変容が観察され、その期間が6ヶ月以上続いている時期

無関心期では、課題や問題となる行動に気づいていない(ex.メンタルヘルスの重要性に気づいていない)ケースが多い、また、過去に挫折してしまった(ex.会計を学ぼうとしたが挫折した)ケースも考えられます。

企業における研修は半強制的なものが多いかと思いますが、無関心期にある状態では、任意参加では参加しない人が多いと考えられるため、半強制も悪くないと思います。

関心期では、なんとなく課題は認識していて(ex.会計勉強したほうがいいよな)、行動変容の必要性を理解しているものの、迷いがある状態です。多くの人がこのステージに長くとどまっているとも言われています。

ここでは以下の4つのプロセスが重要とされています。

1.気づき:情報の提供
2.感情体験:感情が揺さぶられる体験
3.自己の再評価:自分の思考プロセスの振り返り
4.環境の再評価:業務や組織との繋がりの理解

研修に特化して書けば、情報を与えて気付きを促し、研修中のワークなどで成功・失敗などの感情が動く体験を提供し、それを振り返りながら現状の自分の知識・能力・考え方を振り返り、それを学ぶことで業務や組織運営にどのような影響があるかを理解してもらうことで、関心期から次の準備期への移行を促すことが重要となります。

なお、弊社ではビジネスゲームと呼ばれるゲームを用いた研修を提供しておりますが、ビジネスゲームを用いた研修では、ゲームを通して勝ち・負けという感情体験を行うことができ、ゲームを振り返ることで自己の再評価が比較的簡単に行うことが可能です。

準備期では認識している課題について前向きに行動をおこす時期となります。ここで重要なのは支援者の存在です。

以前の 研修での学びを現場で活かすにはどうすればよいのか? でも書いたのですが、上司の関わり方が重要になってきます。

具体的には、上司が学んだことを実践しているかについて追跡・評価することが重要で、つまりは、上司が行動変容の支援者となることが重要です。

実行期ではいかに継続できるかが重要になります。以下の4つの仕組みで行動変容を強化することができるとされています。

1.褒美:褒める、フィードバック
2.逆条件付け:NG行動をしているときの条件を見つける
3.刺激統制:行動を止めるような刺激を排除する
4.援助関係の利用:複数人で実施する
参考:http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-05.pdf

研修に特化して書けば、褒美とは他の人からの正のフィードバックとなります。また複数人で行動変容を起こすことも重要となります。

維持期では、行動変容によってでた成果を他の人に周知する(アピールする)ことによって他の人を巻き込んでいくことが重要となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。行動変容を促すことができる研修設計として、特に関心期の4つのポイントと、実行期での上司からのフィードバックが重要になってくることがみえてきました。

研修設計の参考になれば幸いです。


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