先日、とある方から「ビジネスゲームってどうやって作るんですか?」という質問を受けて自分自身の開発プロセスを振り返るきっかけがありました。

この記事をご覧頂いている方の中にもビジネスゲーム、研修用ゲームを作ってみたいけど作り方がわからないという人がいるかもしれません。

そこで今回は、ビジネスゲームを作るために我々が意識していることと、具体的な要素の1つであるジレンマについて書いてみたいと思います。

ゲーム開発時に我々が意識していること

まずは、ゲーム開発時(初期フェーズ)に我々が意識していることを紹介したいと思います。ざっと書くとこんな感じです。

・テーマ
・コアな学びの要素

・対象者
・プレイ時間
・プレイ人数

・知識教授 / 知識活用
・元となるゲームシステム
・ジレンマ
・ランダム性の有無

上記は初期フェーズで考えている要素なので、フェーズが進むとゲームバランスなどについても考えていきますが、そこは今回は一旦置いておきます。

まずはテーマを考えます。考えると言うよりも思いつくという感じかもしれません。

例えば、ストレスチェック義務化によってメンタルヘルス対策研修が増えていくるだろうからメンタルヘルス対策ゲームが必要になるかな、とか、ビジネスマナーって受ける方も、実施する方もつまらないのではないか?といったようにテーマについては日常の中で思いつくという感じです。

次に考えるのはコアな学びの要素を考えます。コアな、と書いたのは、1つのゲームに複数の学びの要素を盛り込むと複雑になりすぎたりするので、基本はコアを1つに絞ります

例えば、メンタルヘルス対策ゲームの「ストマネ」であれば、ラインケアにおける上司・同僚の支援の重要性を学んでもらおうといったことです。

実施のついての運営面

ここからは順不同ですが、運営面についても考えます。具体的には対象者や、プレイ時間、プレイ人数などを考えます。

例えば、対象は新入社員の方なのか、管理職の方なのか、若手社員か、といった形で、テーマの時点である程度対象は絞られてくると思います。

プレイ時間は研修用のゲームとして開発する場合、1日研修の中の最初の1時間で使ってもらうゲームなのか、最初から2時間枠の研修でゲームと講義を配置するのか、といった形です。これによってゲームの難易度も限定されていきます。(1時間のゲーム時間だと複雑にはできない)

プレイ人数というのは研修参加者数という大枠の人数と、1卓何名まで対応可能なのか、という2つの視点です。全体で40名程度が参加する研修で、1卓5名で8卓あってもファシリテーター2人で運用に耐えられるか?といったようなことを考えていきます。

ファシリテーターが多くなると事前のティーチングも必要になります。また、研修となると通常のボードゲーム会とは異なり、同じゲームを複数卓で実施することがデフォルトなのでそのあたりも考慮が必要です。

ゲームシステムについて

ここからは実際のゲームシステムについてです。
まずは、今回のゲームを通して知識を提供したいのか、知識を活用してほしいのかを考えます。

例えば、新入社員にとって名刺交換などのビジネスマナーの知識はほとんどないと考えられます。そこでビジネスマナーゲームの「マナーストーリー」はどちらかといえば知識教授をイメージして開発しました。

一方、メンタルヘルス対策ゲームの「ストマネ」はお互いを支援することの重要性は頭ではわかっているが、実際にできるか?という活用に着目して開発しました。

このように対象者がそのテーマや、コアな学びについて事前にどれぐらいの知識を有しているかを考えます。これがゲームシステムの選択に影響を与えます。

ここでやっとゲームのコアとなるゲームシステムを考えます。ゲームシステムと言われてもナンノコッチャだと思うのですが、例えば、そもそも競争ゲームなのか、協力ゲームなのか(例えばカタンは競争、パンデミックは協力)といったものもゲームシステムですし、もっと言えば、すごろく形式なのか、カードゲーム形式なのかといった形です。

ゲームシステムは悩ましい。だから試作品をつくる

我々の場合は、コアな学びから、一旦既存のゲームシステムをベースに試作品を作ってみます。

例えば「メンタルヘルス ✕ すごろく」でゲームを作ってみるということです。ゲームの作り方がわからないという方の場合、このゲームシステムを考えるのが難しいのだと思います。正直、ここは僕らでも未だに模索中で、今の所の結論としては早く試作品を作ってみるのが良いということです。

作って、テストプレイしてから改善するというアジャイル方式を採用するのをオススメします。

ジレンマについて

ただし、以下の2つの要素については最初から考えておいても良いかもしれません。それがジレンマとランダム性です。

ジレンマとはあちらを立てればこちらが立たずという状態で、ゲームを面白くする1つの要素です。
具体的に、メンタルヘルス対策ゲームの「ストマネ」では、仕事を進めるとストレスが増える、ストレスを減らすと仕事も進まないというジレンマが埋め込まれています。プレイヤーはそのジレンマの中で効率的なプレイを求められるわけです。

ジレンマの要素は特にビジネスゲームにおいては重要で、会社というものはあらゆるリソースが限られていますので、その中でどこに何を配分するのかを考えることが求められます。

ランダム性について

次にランダム性についてです。具体的に言えば、ゲームにサイコロを使うかどうかなどがそれにあたります。
すごろくなどはまさにサイコロを使いますが、出目によって勝敗が左右されると思います。サイコロを振るという行為は昔から楽しさの要素として使われてきました。

一方、ビジネスゲーム(特に研修で使う場合)でサイコロを使うと、「サイコロの出目で負けた。運が悪かった。」という感想を持つ方も出てきますので、本来伝えたかったコアな学びがぼやけてしまうことがあります。

ではビジネスゲームでサイコロを使うのはNGか?と言われるとそうでもありません。どういうことかというと、「サイコロの出目で負けた。運が悪かった。」といえる逃げ道を用意してあげるということも重要なのではないか?と思うからです。

メンタルヘルス対策ゲームの「ストマネ」では最悪の場合、仕事は終わらないし、かつ、メンバーも休職してしまうという結果になることがあります。もしこの状況が現実と同じ場合、心理的なショックが大きい可能性があります。そこで、「今日はサイコロの運がついてなかっただけかもしれません」というエクスキューズを残しておくことも重要だと考えています。

このよjに扱うテーマがシリアスな場合は多少ランダム性を残しておくというのも良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本当はもっといろいろと書きたいことがあるのですがそれはまた別の機会に。


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