デザイン思考の3つのポイント|観察・ブレスト・プロトタイプの循環ループで回すインフォグラフィック

【結論】デザイン思考をビジネスで活かす鍵は「プロトタイプ」です。観察→ブレインストーミング→プロトタイプの3つのポイントを高速で回し、紙の試作・ロールプレイ・業務での試行運用など”モノ以外”も含めて素早く形にして検証することで、議論では見えなかった「効くもの/効かないもの」を明確化できます。本記事では各ステップの具体例とコツを解説し、ゲーム型研修「ジョブスタ」での体験方法もご紹介します。

目次

1. デザイン思考とは何か?
2. デザイン思考の3つのポイント
3. ①観察|"イノベーションは見ることから始まる"
4. ②ブレインストーミング|"良いアイデアは量から生まれる"
5. ③プロトタイプ開発|"制作はイノベーションへの近道"
6. デザイン思考の3ポイントを回すときのコツ
7. まとめ
8. よくある質問
9. デザイン思考研修|ジョブスタ導入をご検討の方へ

◯◯思考と名のつく発想法は数多くありますが、2025年現在もサービス企画・新規事業開発・UXデザインの現場で定番となっているのがデザイン思考です。

“デザイン”という言葉のイメージから「デザイナーやアーティスト向けの話」と敬遠されがちですが、それは誤解です。デザイン思考は非デザイナーがイノベーションを起こすために使う発想法です。

本記事では、デザイン思考を理解するうえで押さえたい3つのポイント(観察/ブレインストーミング/プロトタイプ開発)を整理します。

デザイン思考とは何か?

デザイン思考とは人間中心デザインに基づいたイノベーションを起こすための、主として非デザイナーを対象とした発想法である。
(出典:Wikipedia)

デザイン思考

新製品の企画・新規事業の立ち上げだけでなく、既存製品の改善長年解決しない社内の問題の解決にも使える汎用的な思考法です。

デザイン思考の全体像やプロセスについて、関連概念とあわせて整理したい方は以下もご参考にしてください。

サービスデザイン思考の5原則とは?デザイン思考の課題とアート思考との違い

デザイン思考におけるキーワード「ダブルダイヤモンド・モデル」

デザイン思考の3つのポイント

【要点】デザイン思考をビジネスで活かすには、「観察」「ブレインストーミング」「プロトタイプ開発」の3つのポイントを押さえることが重要です。ユーザーの本当の問題を発見し、解決策のアイデアを量産し、試作品で素早く検証することで、効果的な課題解決へと繋げられます。

押さえておきたいのは次の3つです。

ポイント 役割
①観察 ユーザーの”本当の問題”を発見する
②ブレインストーミング 解決策のアイデアを量産する
③プロトタイプ開発 試作品で素早く検証する

以下、それぞれを掘り下げます。

①観察|”イノベーションは見ることから始まる”

世界最高のデザインファームとして有名なIDEOのCEOトム・ケリー氏は著書『発想する会社!』で次のように述べています。

イノベーションは見ることから始まる

日本にも「答えは現場にある」という言葉がありますが、デザイン思考でも先入観を捨てた観察がすべての出発点とされます。

観察で見つけたいもの 観察が効く例
想定していなかった使われ方 家電が別用途で使われている/書類を別フォルダにコピー
ユーザー自身が気づいていない不満 迷いながら使っている/間違えて戻る操作をしている
発言と行動のギャップ 「満足している」と答えた人が現場で困っていた

観察は部下の育成にも効きます。営業職なら部下の商談に同行し、口出しせずに観察するだけで、自分や部下では気づけなかった改善点が見えてきます。

実験で判明!デザイン思考で重要なのは「ユーザーリサーチ」と「ニーズの定義」

新製品開発や製品改善の研修・ワークショップで使えるKA法という手法

②ブレインストーミング|”良いアイデアは量から生まれる”

【要点】デザイン思考におけるプロトタイプ作成の第二段階は、チームでブレインストーミングを行い、観察で発見した課題の解決策を量産することです。ブレインストーミングでは「質より量」「自由奔放な発想の歓迎」「他のアイデアへの便乗」「批判禁止」という4つのルールを意識し、多くのアイデアの中からイノベーションの種を見つけ出すことが重要です。

よいアイデアを手に入れる最良の方法は、多くのアイデアを手に入れることだ。
(ライナス・ポーリング)

観察で発見した課題の解決策を、チームでブレインストーミングによって量産します。

ブレストの4ルール 意図
質より量 多く出すほど良質なアイデアが混じる
自由奔放・突飛な発想を歓迎 常識の外にイノベーションの種がある
他の人のアイデアに便乗 組み合わせから新しい価値が生まれる
批判禁止 発言の心理的ハードルを下げる

ブレストそのものを改善したい方は以下もあわせてどうぞ。

アイデアを沢山出すためのファシリテーションスキル

ブレストで出たアイデアはなぜ実行されないのか?とその対策

問いを考えるブレスト「クエスチョン・バースト」のやり方

③プロトタイプ開発|”制作はイノベーションへの近道”

【要点】デザイン思考において、ブレストで生まれたアイデアはプロトタイプとして素早く形にし、検証することが推奨されます。プロトタイプ制作はイノベーションへの近道であり、議論では見えなかった「何が効いて、何が効かないか」を明確にします。プロトタイプは紙の試作からロールプレイ、業務での試行運用まで多岐にわたり、“モノ”だけではないことが重要です。

ブレストで出たアイデアを、デザイン思考ではプロトタイプ(試作品)として素早く形にして検証することを推奨します。

プロトタイプ制作はイノベーションへの近道。(IDEO)

プロトタイプを作って試すことで、議論では見えなかった「何が効いて、何が効かないか」が明確になります。

プロトタイプの威力を体感できる代表的なワークがマシュマロチャレンジです。スパゲッティ20本・マスキングテープ・糸・マシュマロ1個を使い、18分でできるだけ高い自立式タワーを作るシンプルなワークですが、いきなり完成形を目指したチームより、早い段階で小さな試作を組んで失敗を重ねたチームの方が高く積み上げるという結果が世界中の研修で繰り返し確認されています。「素早く形にする→検証する→修正する」というプロトタイプの本質を体感できるため、デザイン思考の導入研修としても活用されています。

マシュマロチャレンジ|プロトタイプの本質を体感できる代表ワーク

プロトタイプの形 使える場面
紙の試作/付箋プロトタイピング アプリ画面の操作フロー/業務改善の流れ
簡易なモック/3Dプリンタ プロダクトの形状・手触り検証
ロールプレイ/ストーリーボード サービス体験の検証
業務での試行運用 組織施策・育成施策の検証

プロトタイプは”モノ”だけではないというのが重要です。例えば前述の部下育成の例で言えば、「開発職を営業に同行させてみる」という運用変更そのものが1つのプロトタイプです。

開発職の話が長すぎて顧客が飽きるかもしれません。しかし一方で、開発職が顧客の声を直接聞くことで、新製品のアイデアが生まれるという思わぬ副産物が出ることもあります。

デザイン思考の3ポイントを回すときのコツ

【要点】デザイン思考を効果的に回すには、いくつかのコツがあります。まず、観察には十分な時間を確保し、実際の現場に足を運ぶことが重要です。また、ブレストの前に個人思考を挟むことで、多様な意見を引き出せます。プロトタイプは完璧を目指さず、早く見せることを優先し、観察→ブレスト→プロトタイプのループを往復することで、より良い解決策へと導きます。

コツ 内容
①観察には”時間”を確保する 会議室から出て、実際の現場に足を運ぶ時間をスケジュール化
②ブレストの前に個人思考を挟む 声の大きい人の意見で場が染まらないよう、まず各自で書き出す
③プロトタイプは完璧を目指さない “動かないものでもいい”、早く見せることを優先
④3つは順番通りではなく往復する プロトタイプ→新たな観察→再ブレスト、のループが基本

まとめ

【要点】デザイン思考はイノベーションを起こすための思考法であり、デザイナーに限らず活用できます。その理解には、観察ブレインストーミング、そしてプロトタイプ開発という3つのポイントを押さえることが重要です。これらの要素を意識し、自身の業務に不足している部分を見つけることで、日々の仕事にデザイン思考を取り入れることができます。

デザイン思考はイノベーションを起こすための思考法であり、デザイナー専用のものではありません。

理解するときに押さえたいのは3つのポイントです。

ポイント キーワード
①観察 イノベーションは見ることから始まる
②ブレインストーミング 良いアイデアは量から生まれる
③プロトタイプ開発 制作はイノベーションへの近道

自分の仕事の中で、どれが不足しているかを意識するだけでも、日々の業務にデザイン思考を取り入れる入口になります。

よくある質問

Q. デザイン思考はデザイナー以外でも活用できますか?

はい、デザイン思考は非デザイナーがイノベーションを起こすための汎用的な発想法です。新製品の企画や新規事業の立ち上げだけでなく、既存製品の改善や社内の問題解決にも有効です。チームで体験しながら学ぶには、カードゲーム形式のジョブスタなどの研修プログラムが効果的です。

Q. プロトタイプ開発で完璧な試作品を作る必要はありますか?

いいえ、プロトタイプは完璧を目指さず、早く見せて検証することを優先します。紙の試作やロールプレイなど、動かない簡易なものでも問題ありません。素早く形にして検証を繰り返すプロセスは、カードゲーム版のジョブスタを通じて疑似体験することができます。

Q. デザイン思考を社内研修に導入するメリットは何ですか?

受講者が「観察」「ブレスト」「プロトタイプ」のプロセスを体感することで、日々の業務における課題解決力が向上します。弊社のゲーム型研修であるジョブスタでは、チームで未来の仕事を創り出すプロセスを通じて、これらの思考法を楽しく主体的に学ぶことができます。

Q. ゲーム型研修「ジョブスタ」はオンラインでも実施可能ですか?

はい、対面で実施するカード版だけでなく、Web会議システム等を利用して実施できるジョブスタオンラインもご用意しております。受講者の勤務形態や研修の実施環境に合わせて、最適な形式を選択していただくことが可能です。

Q. ジョブスタの研修を企画する際、費用はどのくらいかかりますか?

社内講師で実施するためのジョブスタのツールレンタルやパッケージ購入など、ご予算や実施規模に応じたプランをご用意しております。具体的な料金プランやお見積りについては、資料請求やお問い合わせをいただいた際にご案内しております。

Q. デザイン思考の3つのプロセスを回す際のコツは何ですか?

観察には現場に足を運ぶ時間を確保し、ブレスト前には個人思考を挟み、プロトタイプは完璧を目指さないことが重要です。これら3つのプロセスは順番通りではなく、往復してループさせます。こうした一連のサイクルは、ゲーム型研修のジョブスタを通じて短時間で体感できます。

デザイン思考研修|ジョブスタ導入をご検討の方へ

デザイン思考を素材にした研修は多数ありますが、弊社ではアイデア発想から新規事業立案までを疑似体験できるゲーム型研修「ジョブスタ」をご用意しています。チームで未来の仕事を創り出すプロセスを通じて、観察・ブレスト・プロトタイプに相当する体験ができます。

ジョブスタ|デザイン思考を体験できるゲーム型研修

ゲームを用いたデザイン思考の研修

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この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
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