◯◯思考と名のつく発想法は数多くありますが、2025年現在もサービス企画・新規事業開発・UXデザインの現場で定番となっているのがデザイン思考です。

“デザイン”という言葉のイメージから「デザイナーやアーティスト向けの話」と敬遠されがちですが、それは誤解です。デザイン思考は非デザイナーがイノベーションを起こすために使う発想法です。

本記事では、デザイン思考を理解するうえで押さえたい3つのポイント(観察/ブレインストーミング/プロトタイプ開発)を整理します。

デザイン思考とは何か?

デザイン思考とは人間中心デザインに基づいたイノベーションを起こすための、主として非デザイナーを対象とした発想法である。
(出典:Wikipedia)

デザイン思考

新製品の企画・新規事業の立ち上げだけでなく、既存製品の改善長年解決しない社内の問題の解決にも使える汎用的な思考法です。

デザイン思考の全体像やプロセスについて、関連概念とあわせて整理したい方は以下もご参考にしてください。

サービスデザイン思考の5原則とは?デザイン思考の課題とアート思考との違い

デザイン思考におけるキーワード「ダブルダイヤモンド・モデル」

デザイン思考の3つのポイント

押さえておきたいのは次の3つです。

ポイント 役割
①観察 ユーザーの”本当の問題”を発見する
②ブレインストーミング 解決策のアイデアを量産する
③プロトタイプ開発 試作品で素早く検証する

以下、それぞれを掘り下げます。

①観察|”イノベーションは見ることから始まる”

世界最高のデザインファームとして有名なIDEOのCEOトム・ケリー氏は著書『発想する会社!』で次のように述べています。

イノベーションは見ることから始まる

日本にも「答えは現場にある」という言葉がありますが、デザイン思考でも先入観を捨てた観察がすべての出発点とされます。

観察で見つけたいもの 観察が効く例
想定していなかった使われ方 家電が別用途で使われている/書類を別フォルダにコピー
ユーザー自身が気づいていない不満 迷いながら使っている/間違えて戻る操作をしている
発言と行動のギャップ 「満足している」と答えた人が現場で困っていた

観察は部下の育成にも効きます。営業職なら部下の商談に同行し、口出しせずに観察するだけで、自分や部下では気づけなかった改善点が見えてきます。

実験で判明!デザイン思考で重要なのは「ユーザーリサーチ」と「ニーズの定義」

新製品開発や製品改善の研修・ワークショップで使えるKA法という手法

②ブレインストーミング|”良いアイデアは量から生まれる”

よいアイデアを手に入れる最良の方法は、多くのアイデアを手に入れることだ。
(ライナス・ポーリング)

観察で発見した課題の解決策を、チームでブレインストーミングによって量産します。

ブレストの4ルール 意図
質より量 多く出すほど良質なアイデアが混じる
自由奔放・突飛な発想を歓迎 常識の外にイノベーションの種がある
他の人のアイデアに便乗 組み合わせから新しい価値が生まれる
批判禁止 発言の心理的ハードルを下げる

ブレストそのものを改善したい方は以下もあわせてどうぞ。

アイデアを沢山出すためのファシリテーションスキル

ブレストで出たアイデアはなぜ実行されないのか?とその対策

問いを考えるブレスト「クエスチョン・バースト」のやり方

③プロトタイプ開発|”制作はイノベーションへの近道”

ブレストで出たアイデアを、デザイン思考ではプロトタイプ(試作品)として素早く形にして検証することを推奨します。

プロトタイプ制作はイノベーションへの近道。(IDEO)

プロトタイプを作って試すことで、議論では見えなかった「何が効いて、何が効かないか」が明確になります。

プロトタイプの形 使える場面
紙の試作/付箋プロトタイピング アプリ画面の操作フロー/業務改善の流れ
簡易なモック/3Dプリンタ プロダクトの形状・手触り検証
ロールプレイ/ストーリーボード サービス体験の検証
業務での試行運用 組織施策・育成施策の検証

プロトタイプは”モノ”だけではないというのが重要です。例えば前述の部下育成の例で言えば、「開発職を営業に同行させてみる」という運用変更そのものが1つのプロトタイプです。

開発職の話が長すぎて顧客が飽きるかもしれません。しかし一方で、開発職が顧客の声を直接聞くことで、新製品のアイデアが生まれるという思わぬ副産物が出ることもあります。

デザイン思考の3ポイントを回すときのコツ

コツ 内容
①観察には”時間”を確保する 会議室から出て、実際の現場に足を運ぶ時間をスケジュール化
②ブレストの前に個人思考を挟む 声の大きい人の意見で場が染まらないよう、まず各自で書き出す
③プロトタイプは完璧を目指さない “動かないものでもいい”、早く見せることを優先
④3つは順番通りではなく往復する プロトタイプ→新たな観察→再ブレスト、のループが基本

まとめ

デザイン思考はイノベーションを起こすための思考法であり、デザイナー専用のものではありません。

理解するときに押さえたいのは3つのポイントです。

ポイント キーワード
①観察 イノベーションは見ることから始まる
②ブレインストーミング 良いアイデアは量から生まれる
③プロトタイプ開発 制作はイノベーションへの近道

自分の仕事の中で、どれが不足しているかを意識するだけでも、日々の業務にデザイン思考を取り入れる入口になります。

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