eラーニングの修了率を上げる3つの仕掛け
8月21日〜26日までの6日間、採用支援会社の株式会社ジョブウェブと共に大学生向けのITスキルアップキャンプというプログラミング講座を実施しました。
ITスキルアップキャンプについて
ジョブウェブ社URL
https://ajitora.jobweb.jp/event/sm-13717
前提条件
このプログラミング講座は2部制になっており、1部はeラーニングによる自宅学習、2部が集合学習となります。
1部のeラーニングが修了できなければ2部に進むことはできません。
なお、eラーニングは弊社が開発、運営している初心者向けプログラミング学習システム「ゼロプロオンライン」を利用しています。
https://heart-quake.com/zeropuro_online.html
動画による講義と、課題をプログラミングで行い、インターネット上から講師に提出するスタイルです。
修了にはおおよそ20時間(動画25本、課題25問)の時間が掛かります。
修了期限を設定しており、期間は各学生が申し込みを行った日によって異なります。
1部には45名の大学生が参加し、修了したのは34名の学生でした。
修了率は75.5%となります。
eラーニングの修了率
eラーニングの修了率に関しては多くの方が「低い」と認知していると思います。
実際に最近流行りのMOOC(Massive Open Online Courses)の平均修了率は4〜5%ということです。
参考:http://164s.net/3259.html
※こちらのサイトによると15%になっています。
http://katyjordan.com/MOOCproject.html
一方、企業研修としてeラーニングを提供している企業様のホームページにはどこも70〜90%の修了率を達成していると書かれています。
ちなみに、大前研一氏が代表を務めるBBT大学の修了率は90%近いとされています。
参考:http://www.ohmae.ac.jp/10th/
企業研修として実施される場合と、個人的に学習する場合で修了率に違いがあるかもしれませんね。
一般に、研修ではなく、個人的に学習する場合のほうが強制力がなく修了率は低くなると考えられます。
eラーニングの修了率を上げる3つの仕掛け
ITスキルアップキャンプの1部は大学生なので企業の研修ではなく、個人的な学習ですが修了率が75%を超えているのは3つの仕掛けがあるからだと考えています。
2.ランキング機能
3.質問機能
1.修了後のインセンティブ
一般的に個人の学習は語弊のある書き方になりますが「学ぶことが目的」になります。
例:作りたいアプリがあるのでプログラミングを学ぶ
しかしながら今回のケースではeラーニングを修了すれば2部に進める、というインセンティブがあります。
目標が「学習」ではなく、「修了」なのです。
BBT大学の例も修了・卒業すれば「経営学士の学位」が授与されます。
参考:https://bbt.ac/about/outline.html
「学習」よりも「修了」することによるインセンティブが高い修了率を生み出すと考えられます。
2.ランキング機能
「ゼロプロオンライン」では1部の参加者の中で他の人が何問目まで到達しているのかをランキング形式で閲覧することができます。
2部に参加した大学生の話を聞くと「ついついランキングを見てしまう」と言っていましたし、実際のデータでも平均して14.7回ランキングを見ていることが証明されています。
なお、修了者のみの平均は15.6回、未修了社のみの平均は12.5回となっており、進んでいる人ほどランキングを見ていることになります。
3.質問機能
3つ目はeラーニングながら講師に質問することができる機能です。
本や動画通りやっているつもりでもうまくいかない場合、プログラミングに関して言えばスペルミスや「)」が1つ足りないなどのミスなのですが、本人だけでは気づきづらいものです。
そこで、講師に直接質問できる機能を用意しています。
45名中31名の受講者が少なくとも1度は質問機能を利用しており、全体平均で2.58回、修了のみだと3.47回、未修了者のみでは1.5回の利用回数となります。
多くの問題に挑戦したほうが質問が多くのなるのは当然だと思いますので相関関係とはいえませんが、多くの受講生が質問機能を使うことによってうまくいかない問題の解決が行えたと言えると思います。
まとめ
eラーニングの修了率を上げる3つの仕掛けとは以下の3つだと感じています。
⇒「学習」だけでなく「修了」したくなる仕組みが必要
2.ランキング機能
⇒1人で勉強しているので余計に他人が気になる心理
3.質問機能
⇒1人では解決できない問題をサポートしてくれる人が必要