サンクスカードを定着させる4つの工夫|社内コミュニケーション活性化インフォグラフィック

みなさんの会社では「サンクスカード」を導入されていますか?

【結論】サンクスカードは「ありがとう」の気持ちをカードに書いて見える化する社内コミュニケーションツールです。社内SNSの「いいね」がアナログの感謝を代替しつつある現代でも、紙のカードならではの「手書きで気持ちが伝わる温かさ」が再評価されています。本記事では、サンクスカードの基本的な書き方・テンプレート、株式会社武蔵野やJALグループの導入事例、そして社内に定着させるための具体的な工夫まで、導入を検討中の人事・総務担当者向けに整理しました。

目次

1. サンクスカードとは
2. サンクスカードがもたらす効果
3. サンクスカードのテンプレートと書き方
4. サンクスカードの導入事例
5. サンクスカードを社内に定着させる4つの工夫
6. 受け取る側に配慮したデザインの工夫
7. サンクスカードに関するよくあるご質問
8. まとめ
9. サンクスカードについてより深く学びたい方へ

サンクスカードはその名の通り、「感謝」の気持ちをカードに乗せて「見える化」するための社内コミュニケーションツールの1つです。

IT時代の現代では「ありがとう」の気持ちは社内SNSの「いいね」やSlackのリアクション絵文字に置き換えられている職場も多いでしょう。しかし、デジタル化が進むほど手書きの一言が持つ重みが再評価されており、紙とデジタルを併用する企業も増えています。

サンクスカードとは

サンクスカードとは、同僚や部下、上司に対する感謝・称賛のメッセージを書いて手渡しするカードのことです。1980年代に米国で広まり、日本では2000年代以降、株式会社武蔵野や日本航空などの導入事例が知られるようになりました。

導入の主な狙いは、以下の3つに集約されます。

・部署や役職を越えた横の繋がりを生む
・日常業務では伝わりにくい感謝の気持ちを可視化する
・組織全体にポジティブな称賛文化を根付かせる

近年は紙のカードに加えて、Unipos・GRATICA・TUNAGなどの専用アプリ・SaaSを活用するケースも増えています。日常的にはアプリで気軽に贈り合い、特別な機会には紙のカードを使い分ける、という運用が主流になりつつあります。

サンクスカードがもたらす効果

サンクスカードによる感謝のやり取りには、組織心理学の観点から以下のような効果が期待されています。

・受け手・贈り手双方のウェルビーイング向上
・職場の心理的安全性の向上
離職率の低下・エンゲージメント向上
・部署を越えた協力行動の活性化

これらの効果については、別記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。

サンクスカードの効果

サンクスカードとウェルビーイングの関係

サンクスカードのテンプレートと書き方

サンクスカードの決まったテンプレートはありませんが、社内で利用する場合は以下の項目を記入するのが一般的です。

・自分の名前
・相手の名前
・日付
・感謝の言葉(具体的なエピソード+感謝の表現)

カードのサイズは名刺サイズが最も普及しています。胸ポケットや手帳に収まり、受け取った側が後で読み返しやすいためです。

書き方のコツとしては、「何に対して感謝しているのか」を具体的に書くことが挙げられます。「ありがとうございました」だけでは漠然としますが、「先週の資料作成で深夜まで一緒に手伝ってくれてありがとう。おかげで顧客プレゼンが成功しました」のように場面と結果をセットで書くと、受け取った側にも気持ちが伝わりやすくなります。

サンクスカード本体はAmazonや楽天で「サンクスカード」と検索すると、デザインの異なる商品が複数見つかります。まずはサンプルとして1セット購入して試してみるのも手です。

サンクスカードとは少しニュアンスが異なりますが、上司から部下への「褒める」に特化した「グッジョブ」カードもAmazonで購入可能です。

グッジョブカード

社内にデザイナーやデザインが得意な方がいれば、会社のロゴや行動指針(クレドなど)を入れたオリジナルカードを作成するのも、文化定着には効果的です。

サンクスカードの導入事例

サンクスカードの導入事例として最も有名なのが、株式会社武蔵野(東京都小金井市)の取り組みです。

会社の名前は知らなくても「小山昇社長」の名前を、書店のビジネス書コーナーで目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。経営計画書や環境整備など、独自の経営手法で中小企業経営者から支持を集めている企業です。

サンクスカード 社内コミュニケーションツール

株式会社武蔵野では、サンクスカードを以下のように制度として明確化しています。

・月に5枚以上書くと、500円の報奨金が支給される
・一般社員は月10枚、管理職は月20枚以上書かなければ罰金5,000円

「ありがとうを伝える」という本来は自発的な行為に、金銭的なインセンティブとペナルティの両方を組み合わせたのが武蔵野流の特徴です。賛否はあるものの、「習慣化するまでは強制的に回数をこなさせる」という考え方は、社内施策として参考になります。

もう一つの代表例がJALグループの取り組みです。JALではサンクスカードのデザイン面で、現場からの声を取り入れた工夫を行っています。

サンクスカードは役員も携帯しているが、役員からの「デザインが可愛らしすぎて、照れくさくて渡しづらい」という要望を受け、渋めのデザインを採用したカードもある。

参考:日経ITpro

受け取る側・渡す側の心理的ハードル」をデザインで下げる、というのは多くの企業で参考になる視点です。

サンクスカードを社内に定着させる4つの工夫

サンクスカードの導入を検討するときに、最も多い不安は「みんなやってくれるかな…」というものです。良い活動だと頭ではわかっていても、忙しい業務に加えてカードを書く工数を投下できないのが実情です。

定着には以下の4つの工夫が有効です。

制度として組み込む
武蔵野方式のように枚数ノルマや報奨金を設ける。心理的抵抗が大きいなら、まずは「全員月3枚以上」など緩めから始める。

経営層が率先して書く
社長や役員が部下に渡す姿を見せると、社内全体の心理的ハードルが下がる。「上から書く文化」を作るのが定着の近道。

デザインを多様化する
JAL方式のように、年代や役職に応じて選べる複数のデザインを用意する。可愛らしいもの・落ち着いたもの・ビジネス向けの3パターン程度が目安。

デジタルツールと併用する
日常はSlackやUnipos等のアプリで気軽に、特別な機会(誕生日・プロジェクト完了時)は紙のカードで、と使い分ける。

トップダウン経営でなければ難しいと思われがちですが、「広めるための施策を導入時に必ず設計しておく」ことが、組織の規模を問わず最も重要なポイントです。

受け取る側に配慮したデザインの工夫

サンクスカードのデザインは、受け取る側の属性(年代・性別・役職)に応じて使い分けるとより定着しやすくなります。

JALの事例で紹介したように、男性役員が「可愛らしいデザインのカード」を渡すのには心理的抵抗があります。逆に若手社員には親しみやすいポップなデザインの方が喜ばれるケースもあります。

具体的には以下のような3〜4種類のバリエーションを用意するのが現実的です。

ベーシック:シンプル&汎用。新入社員〜中堅向け
ポップ:イラスト多め。若手社員・カジュアルな部署向け
渋め:モノトーン基調。役員・年配層向け
記念日仕様:誕生日・周年などの特別な日用

オリジナルカードを社内デザイナーで作る場合は、会社のロゴ・コーポレートカラー・行動指針を盛り込むと、社員のエンゲージメント向上にも繋がります。

サンクスカードに関するよくあるご質問

Q. サンクスカードは紙とデジタルどちらがおすすめですか?

A. 併用が最も効果的です。日常的な「ありがとう」はSlackやUniposなどのデジタルツールで気軽に、誕生日や大型プロジェクト完了など特別な機会には紙のカードで、と使い分けると形骸化を防げます。手書きの紙カードは「気持ちの重み」が伝わりやすい反面、ハードルが高く頻度が落ちやすいという特性を踏まえた設計が重要です。

Q. 社員が書いてくれるか不安です。何から始めればよいですか?

A. まずは経営層・管理職が率先して書くことから始めるのが有効です。社長や役員が部下にカードを渡す姿を見せると、社内全体の心理的ハードルが下がります。同時に「月に3枚以上書く」など緩めの目標値を設定し、徐々に文化として定着させていくのが現実的です。武蔵野方式の罰金制度は最終手段として捉えてください。

Q. サンクスカードの導入コストはどれくらいかかりますか?

A. 紙のカードのみの運用なら1人あたり月数百円程度の印刷費で済みます。Amazonや楽天の市販品なら100枚で数千円から購入可能です。デジタルツール(Unipos・TUNAG等)は月額数万円〜となりますが、運用工数が大幅に削減されるため、組織規模が大きくなるほどコスト効率は上がります。

Q. サンクスカードがマンネリ化したらどうすればよいですか?

A. マンネリ化は最も多い失敗パターンです。①デザインの定期的な刷新、②感謝の対象を変える(同部署内→他部署→お客様)、③月間MVPなどの表彰制度と組み合わせる、④経営層が「最近もらった嬉しいカード」を朝礼で共有するなどの施策で再活性化できます。1〜2年に1度はカードのデザインや運用ルールを見直すのが理想です。

Q. サンクスカードの効果を数値で測定できますか?

A. 直接的なROI測定は難しいですが、従業員エンゲージメントスコア・離職率・社内アンケートでの心理的安全性スコアなどを導入前後で比較するのが一般的です。詳しい効果測定の枠組みについては、サンクスカードの効果サンクスカードとウェルビーイングの関係もご参照ください。

まとめ

・サンクスカードは感謝の気持ちを「見える化」する社内コミュニケーションツール
・テンプレートは「自分名・相手名・日付・具体的な感謝の言葉」の4要素が基本
・株式会社武蔵野は制度化と報奨金、JALはデザインの多様化で定着に成功
・定着には制度設計・経営層の率先・デザイン多様化・デジタル併用の4工夫が有効
・効果測定はエンゲージメントスコアや離職率の変化で行うのが一般的

サンクスカードについてより深く学びたい方へ

サンクスカードを単なる施策で終わらせず、感謝と称賛が組織にもたらす効果を学術的に深く理解したい方には、東京大学出版会から刊行されている下記の書籍が参考になります。

質問紙調査とアプリの活動データから、感謝・称賛が職場にもたらす効果を可視化・検証した一冊です。サンクスカードを「文化」として根付かせたい人事・経営企画担当者に特におすすめします。


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