ブレインライティングを実施する際に気をつけたいこと

6名で約30分で108個ものアイデアを生み出す「ブレインライティング(6-3-5法)」は、従来のブレストの課題を解決する強力な発想技法です。
しかし、最初の1行目(3つのアイデア)が埋まらないという落とし穴があります。本記事では、発散ブレストやフリートークなど約20〜30分の「助走期間」を設けることで、例えば「月に5万円稼げるアイデア」のようなテーマでも、思考を広げアイデアの種を醸成し、スムーズなアイデア創出を促す方法を解説します。
目次
1. ブレインライティングとは
2. ブレインライティングの進め方(6ラウンド30分)
3. 30分で108個のアイデアを生む計算
4. ブレインライティング最大の落とし穴:1行目が埋まらない
5. 助走期間の作り方:発散ブレストで種を醸成する
6. オンラインでのブレインライティング実施方法
7. ブレインライティング+α:実行可能性を高める後工程
8. アイデア発想を体感する研修:ジョブスタ
9. ブレインライティングに関するよくある質問
10. アイデア発想ワークショップ|研修導入をご検討の方へ
11. まとめ
ブレインライティング(Brainwriting / 6-3-5法とも呼ばれる)は、6名×3列×6ラウンド=108個のアイデアを約30分で生み出すブレインストーミング手法です。会話を伴わない「しゃべらないブレスト」として有名で、ブレインストーミングの弱点である「同時に1人しかしゃべれない問題」を解決する強力な発想技法です。
ただし、いきなりブレインライティングを実施すると最初の1行目が埋まらず失敗することが多くあります。本記事では、ブレインライティングの基本手順、成功の鍵となる助走期間の取り方、オンライン実施のコツまでを解説します。
ブレインライティングとは

ブレインライティングは、6名程度のグループで行うブレインストーミングの手法の1つ。通常のブレインストーミング(以下ブレスト)との決定的な違いは、全員が同時に手を動かしてアイデアをアウトプットする点にあります。
ブレストでは「同時に1人の人しかしゃべれない」ため、6人グループなら残り5人は待機時間が発生します。ブレインライティングは、全員の脳を同時にアウトプットに向ける構造を持っているため、時間あたりのアイデア産出量が桁違いに増えます。
ブレインライティングの進め方(6ラウンド30分)
基本手順は以下の通りです。
2. シート上部にテーマを記入する(例: 月に5万円稼げるアイデア)
3. 1ラウンド目: 1行目の3列にアイデアを記入(A1/B1/C1にそれぞれ違うアイデア)。記入時間は5分程度
4. 紙を左隣の人に回す
5. 2ラウンド目: 1行目のアイデアを参考にして2行目の3列にアイデアを記入(真上のアイデアだけを参考にする必要はなく、他列のアイデアから発想してもOK)
6. 4〜5を残り4ラウンド繰り返す(合計6ラウンド)
3ラウンド目以降はシートに記入されている全アイデアを参考にして書いていきます。
30分で108個のアイデアを生む計算
ブレインライティングの数学的な威力を整理しましょう。
・6人分 = 18 × 6 = 108個のアイデア
・所要時間 = 5分 × 6ラウンド = 30分
人の意見を参考にしつつ全員の脳をアウトプットに仕向けるという仕組みが、アイデア量の爆発を生みます。なお、詳しいブレインライティングのやり方は石井力重氏のサイトからPDFがダウンロード可能です。
ブレインライティング最大の落とし穴:1行目が埋まらない
ブレインライティングを何度か実施するとすぐに気づくことがあります。それは、最も難しいのが「最初の1行目の3つのアイデアを埋めること」です。
2ラウンド目以降は前の人のアイデアを見て連想で書けるため、意外と進みます。しかし、白紙の紙に最初のアイデアを書くのは精神的に重い作業で、ここで詰まると全体のリズムが崩れます。
この問題への対策は、ブレインライティングの直前に助走期間を設けることです。
助走期間の作り方:発散ブレストで種を醸成する
助走期間の狙いは、参加者の頭の中にアイデアの種をつくっておくことです。具体的な進め方を紹介します。
①テーマを広めに投げかけたブレスト(10〜15分)
例: 「月に5万円稼げるアイデア」というテーマなら、助走では「20年後に生まれるビジネス」のような一段階抽象的で自由度の高いテーマで発散的にブレストする。視野を広げてから絞り込む構造。
②参加者同士のフリートーク(5〜10分)
お菓子やコーヒーを囲みながら、テーマに関するカジュアルな雑談。ブレインライティングが始まると会話ができないので、この段階で「他人の思考」に触れておくのがポイント。
③個人リフレクション(5分)
フリートークで刺激を受けたあと、個人でテーマを見直す時間を取る。「さっきの話のどれが自分のテーマに使えそうか」を整理する時間。
この拡散→対話→個人内省のリズムで助走することで、本番のブレインライティング1行目が格段に書きやすくなります。
オンラインでのブレインライティング実施方法
近年はリモートワークの普及により、オンラインでのブレインライティング実施ニーズも増えています。主な選択肢は以下。
①Miro・FigJam・Google Jamboard
オンラインホワイトボード上に3列6行のテンプレートを作成。参加者はそれぞれの列に付箋でアイデアを投下。ラウンドごとに「左の人のフレームに移動する」ルールで運用。
②Google スプレッドシート
低コストで運用可能。シートを共有し、各参加者ごとにシート(タブ)を作成。ラウンドごとにシート移動。
③Notion・Confluence
文書ベースで進める場合、テーブルブロックで3×6のテーブルを作成。参加者が交代で編集する。
オンラインでは助走期間がより重要です。対面と違って雑談が生まれにくいため、ブレイクアウトルームでの意図的な助走時間を設計してください。
ブレインライティング+α:実行可能性を高める後工程
ブレインライティングで108個のアイデアを出しても、選別とブラッシュアップがなければ実行に至りません。おすすめの後工程は以下。
2. ブラッシュアップ(60分): 選ばれたアイデアにPPCO法を適用し、実現可能性を高める
3. アクション定義(30分): 最終的に絞り込んだアイデアの「次の一歩」を明文化
PPCO法についてはブレストで出たアイデアはなぜ実行されないのか?とその対策を参照ください。
アイデア発想を体感する研修:ジョブスタ
ブレインライティングで狙う発想の連鎖と多様性は、テーマ設計次第で大きく成果が変わります。弊社では、発想と選択をゲーム形式で体感する「ジョブスタ」を提供しています。

ジョブスタは、カードを組み合わせて未来の職業を創り出すゲーム型研修。制約のあるテーマの下でアイデアを発想・評価・選択する流れを体験できるため、ブレインライティングの前段で発想筋をほぐす研修としても有効です。
2026年3月現在、ジョブスタの導入社数は約90社、受講者満足度は4.9(5点満点)となっております。
詳細はジョブスタ紹介記事もご覧ください。
ブレインライティングに関するよくある質問
Q. 参加人数は必ず6人でなければいけませんか?
A. 4〜8人程度の範囲なら有効に運用可能です。4人以下だと回転が早すぎて思考時間が足りず、8人以上だと全員分のシートを見ることが困難になります。
Q. 所要時間を短縮できますか?
A. 1ラウンド3分×6回=18分程度まで短縮可能ですが、3ラウンド目以降で思考が浅くなりがちです。可能なら5分×6回=30分を基本設計に。
Q. 助走期間は必ず必要ですか?
A. 参加者が普段から発想系ワークに慣れている組織では省略可能です。ただし、初めての実施・異なる部署メンバー混合・新卒研修などでは助走なしは失敗率が高いので、10〜20分は確保することを推奨します。
アイデア発想ワークショップ|研修導入をご検討の方へ
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詳細な資料、お見積りをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。
※同業他社様からのお問い合わせはご遠慮ください。
まとめ
ブレインライティングは「しゃべらないブレスト」として、30分で108個のアイデアを生む強力な発想手法です。ただし、いきなり実施すると1行目で詰まるという落とし穴があるため、助走期間で発想の種を醸成する設計が重要です。
オンラインツール(Miro/FigJam等)との相性も良く、リモート環境下の新規事業立案ワークショップでも有効に活用できます。出てきたアイデアはPPCO法などで実現可能性を高める後工程とセットにすることで、実装までの距離を縮められます。
関連テーマとしてブレストで出たアイデアはなぜ実行されないのか?とその対策(PPCO法)、社内でアイデアソンをやることの4つの効果もあわせてご覧ください。

