会社の会議の問題点を話し合い、解決するための研修

NTTデータ経営研究所の調査によれば、業務時間の約15%が会議に費やされ、その45%が「無駄な会議が多い」と感じています。会議改善研修の効果的な進め方は ①コンセンサスゲーム(NASAゲーム等)で合意形成を共通体験する ②ゲーム後にディスカッションでゲームと現実を比較する ③ワールドカフェで全員の課題を可視化する、の3ステップ構成です。
【この記事で分かること】
・日本の会社員が会議に費やしている時間と感じている問題
・会議の質を下げる構造的な問題3つ
・会議改善研修の3ステップ設計(ゲーム→ディスカッション→ワールドカフェ)
・NASAゲームを使った具体的な研修フロー
目次
1. 会議に費やしている時間と無駄会議の現状
2. 会議の質を下げる3つの構造問題
3. 会議改善研修の3ステップ設計
4. NASAゲームを使った会議改善研修の流れ
5. ワールドカフェで会議改善のアイデアを収束させる
6. 関連研修|NASAゲームで合意形成と会議の質を体感する
7. 「会議改善研修」に関するよくある質問(FAQ)
8. まとめ|共通体験→比較→収束の3ステップで会議改善ディスカッションを設計しよう
会議に費やしている時間と無駄会議の現状
NTTデータ経営研究所の調査によれば、ビジネスパーソンは1週間のうちの約15%を会議に費やしています。8時間労働換算で1日あたり約1.2時間、年間にすると300時間近くを会議に投じている計算になります。

出典: NTTデータ経営研究所
そして、多くの人が会議に対して問題を感じています。同調査の問題TOP3は以下の通りです。
2. 会議の時間が長い(44.1%)
3. 会議の頻度が多い(36.7%)
つまり、業務時間の15%を投じている会議の半数近くが「無駄」と認識されている、という現状です。HEART QUAKEで研修中に会議のやり方をディスカッションしてもらうと「1回の会議が2時間半以上かかる」「結論が出ないまま終わる」「発言する人が固定化している」といった声が頻繁に出てきます。
会議の質を下げる3つの構造問題
無駄な会議が減らない背景には、単に「時間が長い・頻度が多い」だけでない、もっと構造的な問題があります。会議改善研修の現場で見えてくる3つの典型問題を整理します。
1. 声の大きい人の意見に誘導されやすい
会議では役職や経験年数、声の大きさによって発言力に偏りが生まれがちです。本来は全員から多様な視点を集める場であるはずが、特定の人の意見に引っ張られて結論が早期に固定化してしまうケースが多く見られます。
2. 合意形成のプロセスが共有されていない
「いつ・どうやって決めるか」が会議の冒頭で共有されていないと、議論はしたものの結論が出ない、もしくは進行役の独断で決まる、という状態に陥ります。多数決・コンセンサス・上位者承認など、合意形成の手段は複数あるため、会議の目的に応じて選び分ける感覚が必要です。
3. 会議のやり方を語る共通体験がない
「うちの会議は問題がある」と全員が薄々感じていても、何が問題かを言語化する共通言語が組織内に無いと、改善のディスカッションが噛み合いません。各自の体験はバラバラなので、「先週のあの会議が…」と話しても他の参加者には伝わらない構造です。
会議改善研修の3ステップ設計
会議の質を上げる研修を効果的に進めるには、以下の3ステップ設計が推奨されます。
ステップ1: コンセンサスゲームで合意形成を共通体験する
最初に全員で同じ「会議体験」を作ります。NASAゲームのようなコンセンサスゲーム(合意形成ゲーム)を実施し、チームで意思決定するプロセスを全員が直接体験することで、後のディスカッションの土台ができます。共通体験があると「あの場面で誰が・どう発言したか」を具体的に語れる素材が揃うため、抽象論で終わらない議論になります。
ステップ2: ディスカッションでゲームと現実を比較する
ゲーム終了後に、ゲームで起きた事象を現実の会議と比較するディスカッションを行います。「ゲームでもこの問題は起きていた→現実でも同じ問題がある」「ゲームではうまくいったが現実ではできていない」という比較軸で、自社固有の改善ポイントが浮き彫りになります。重いテーマである「自社の会議の問題」を直接語るより、ゲーム体験を経由した方が心理的安全性が高い議論になります。
ステップ3: ワールドカフェで全員の課題を可視化する
最後にワールドカフェ形式のディスカッションで、組織全体としての最大公約数的な課題を抽出します。ブレインストーミング形式と比べて、ワールドカフェはアイデアの発散と収束が自然発生的に進むため、研修の最後に「次の会議から変えたい1つのこと」レベルまで落とし込めます。
NASAゲームを使った会議改善研修の流れ
HEART QUAKEではNASAゲームを核とした会議改善研修を提供しています。NASAゲームは月面遭難という架空のシチュエーションで、生き残るために必要なアイテム15個に優先順位をつけ、それをチームで合意形成する古典的なコンセンサスゲームです。
研修の標準フローは以下の通りです。
2. 個人作業:15アイテムの優先順位付け(10分)
3. グループワーク:チームでの合意形成(30〜40分)
4. NASA公式回答との比較・採点(10分)
5. 振り返りディスカッション(30分):合意形成プロセスを言語化
6. ワールドカフェ:自社の会議改善アイデア共創(45〜60分)
ゲームのプロセスでは「声の大きい人主導」「議論が脱線する」「時間切れで決め切れない」など、現実の会議でも頻発する問題が高い確率で再現されます。それを当事者として体験した直後にディスカッションするので、自社の問題を語る言語が揃った状態で議論できる、というのが研修設計上の核です。
NASAゲームの詳細はこちらをご覧ください。
NASAゲームのやり方
ワールドカフェで会議改善のアイデアを収束させる
研修の最終フェーズでワールドカフェを使う理由は、組織内の「最大公約数的な課題」を効率的に発見できるからです。ワールドカフェでは席を入れ替えながら少人数で対話を重ねるため、特定の人の意見に偏らず、参加者全員のアイデアが自然に統合されていきます。
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出典: ワールド・カフェ・ネット
ブレインストーミングと比べて、ワールドカフェは収束フェーズが自然発生的に起きるのが特徴で、研修最後に「次回の会議から変える1つのこと」レベルまで落とし込みやすい手法です。
ワールドカフェの詳しい進め方はこちらをご覧ください。
社内でのワールドカフェのやり方
「会議改善研修」に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 会議改善研修はどのくらいの時間を想定すれば良いですか?
標準的にはNASAゲーム+ディスカッションで半日(4時間)、ワールドカフェまで含めると1日(7〜8時間)が目安です。組織規模や課題の深さに応じて調整可能で、初回は半日構成で試して、効果を見てから1日構成に拡張するパターンも一般的です。
Q2. なぜいきなりディスカッションせず、ゲームを挟むのですか?
「自社の会議の問題」というテーマは、参加者にとって心理的負荷が高い議題です。ゲームという共通体験を挟むことで、ゲーム内で起きた事象を媒介に語れるため、心理的安全性が確保された状態で深い議論ができます。ゲーム抜きで直接議論するより、自社固有の問題に踏み込みやすい構造です。
Q3. NASAゲーム以外のコンセンサスゲームでも代用できますか?
代用可能です。「砂漠のサバイバル」「冬山の遭難」など類似のコンセンサスゲームは複数存在し、HEART QUAKEでも提供しています。組織のテーマや業界に応じて選択できますが、迷ったらNASAゲームが最も実績が多くおすすめです。
Q4. ワールドカフェではなくブレインストーミングではダメですか?
ブレインストーミングでも可能ですが、ブレインストーミングは発散フェーズが強く、収束を別途設計する必要があります。ワールドカフェは席替えで自然に意見が統合されていくため、研修最後に「次回会議から変える1つのこと」までまとまりやすく、行動変容の起点として優れています。
Q5. オンライン研修でも実施できますか?
可能です。NASAゲームはオンライン版(Zoom + ブレイクアウトルーム)でも実施でき、ワールドカフェもブレイクアウトルームの席替え機能で再現可能です。対面と比べてファシリテーターの設計力がより重要になりますが、十分に効果を出せる構成です。
関連研修|NASAゲームで合意形成と会議の質を体感する
会議の改善は「やり方を理屈で学ぶ」だけでは行動変容に届きません。HEART QUAKEのNASAゲームを使った研修は、合意形成プロセスを全員で共通体験することで、自社の会議改善ディスカッションの質を底上げする設計です。研修時間や規模に応じて、ゲーム+ディスカッション(半日)から、ゲーム+ディスカッション+ワールドカフェ(1日)までフレキシブルに調整可能です。
NASAゲーム|MIT・各種大学院でも使われる古典的コンセンサスゲーム
月面遭難という架空のシチュエーションで、15個のアイテムに優先順位をつけてチームで合意形成するゲームです。シンプルなルールで初対面のメンバー同士でも盛り上がり、合意形成プロセスのリアルが浮き彫りになります。1980年代から各種MBAや組織開発の現場で使われ続けている定番教材です。

詳しくは下記をご覧の上、お問い合わせください。
NASAゲームのやり方
まとめ|共通体験→比較→収束の3ステップで会議改善ディスカッションを設計しよう
業務時間の15%を費やす会議の半数近くが「無駄」と認識されている現状を変えるには、会議のやり方そのものを語る場を研修として設けることが有効です。コンセンサスゲームで合意形成を共通体験し、ゲームと現実を比較するディスカッションで自社の問題を浮き彫りにし、ワールドカフェで全員のアイデアを収束させる。この3ステップ設計が、抽象論で終わらず行動変容まで届く研修設計の核となります。
