仕事への没頭度合いを測定するジョブインボルブメントとは?
仕事へのモチベーションが高いほうが生産性が高い、と考えるのはなんとなく普通だと思います。
しかし、本当にそうなのでしょうか?今回は仕事への没頭度合いを測定するジョブインボルブメントという尺度を紹介し、現在明らかになっている仕事への没頭がもたらす効果について書いてみたいと思います。
ジョブインボルブメントとは?
ジョブインボルブメントは、職務への没頭の度合いを示す指標です。
会社側から見ると組織の活力や生産性に関係するものとして関心が高く、
個人の側からは、仕事生活を意義深く、実り多いもの(≒仕事満足)にするものとして重要であるとされています。
これまでの研究では、従業員のパフォーマンスや取組む姿勢と正の関係、離転職や欠勤率と負の関係にあることが明らかになっています。(Brown,1996)
-リテンションとワークシチュエーション・ワークコミットメントとの関係-
坂戸 渉
http://www.u-hyogo.ac.jp/mba/pdf/SBR/7-2/037.pdf
ジョブインボルブメントの測定
では、どのようにしてジョブインボルブメントを測定することができるのか?
下記の書籍にジョブインボルブメントを測定する7つの質問が掲載されています。
─職場と仕事を数値化する測定尺度、チェックリスト集─
2.今の仕事が生きがいである
3.今の私にとって仕事が生活のすべてである
4.私にとって最も重要なことが、今の仕事に密接に関連している
5.今は仕事から得られる満足感が一番大きい
6.今の仕事にのめり込んでいる
7.最も充実していると感じられるのは仕事をしているときである
一見するとワーカホリックの尺度かなと思ってしまいますが、仕事への没頭度合いを測る質問です。
ジョブインボルブメントの要因と結果
画像参考:https://www.jil.go.jp/publication/ippan/images/hrm-book-sample3.pdf
ここまでの研究でわかっていることとして、ジョブインボルブメントは上記のような「完璧への強い思い」と、「欲求が満たされる可能性の知覚」の2つの要因に関係し、職務態度や組織へのコミットメントに効果があることがわかっています。
一方、パフォーマンスや欠勤への影響についてはメタ分析上は仮設段階であるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ジョブインボルブメントとは仕事への没頭度合いを測る指標で、それらは職務態度や組織へのコミットメントに影響があることが明らかになっていることをご紹介しました。