ダブルループ学習を組織で活用する3つの方法
組織の学習には大きく分けてシングルループ学習と、ダブルループ学習の2つがあります。
これは米国ハーバード大、組織行動学の教授のクリス・アージリスが著書「組織学習」で提唱した概念です。(邦訳は無いようです。。。)
今回はこのダブルループ学習とシングルループ学習について書いていきます。
ダブルループ学習の図
この概念を図で表すと以下のようになります。
シングルループ学習とは「改善」
例えば、営業活動の中で、テレアポを行ったが、アポは取得できなかった、のように行動をすることで、何かしらの結果(フィードバック)を得ることができます。
その結果を受けて、行動を改善する(もしくは継続する)学習ループをシングルループ学習と呼びます。
先のテレアポの例では、トークスクリプトを改善する、声のトーンを変えるなどの改善がシングルループ学習になります。
シングルループ学習を一言で表すと「改善」といえるでしょう。
ダブルループ学習は「改革」
一方、ダブルループ学習とは、これまでの前提を捨て、これまでの行動基準自体を見直すことです。
先のテレアポの例では、テレアポというプッシュ型の営業ではなく、展示会への出展や、WEBマーケティングなど、プル型の営業の方が結果がでると考え、実践すること、となります。
ダブルループ学習を一言で表すと「改革」といえるでしょう。
どのようにダブルループ学習を活用するのか?
では、どのようにすれば組織内でダブルループ学習を活用できるのかということですが、ここでは3つの方法について触れておきたいと思います。
2.「目標」自体のブレインストーミングを行う
3.「外部研修」を実施する
上位2つは社内でできる取り組みで、最後の1つは外部の力を使います。
1.「目標」を現状の2〜10倍に設定する
例えば、現在のアポ獲得件数目標が月間30件だったとします。
売上を10%増加させるために目標も10%増の33件とした場合、多くの社員はシングルループ学習的に既存の業務の改善や、場合によっては勤務時間の長さで解決しようとするでしょう。
一方、目標件数を10倍の300件と設定した場合、多少の改善や、勤務時間の増加では対応しきれません。
この時、初めて前提を壊し、新しい方法を探さなければならなくなります。
これによって、強制的にダブルループ学習的に考えなければなりません。
2.「目標」自体のブレインストーミングを行う
売上を10%増加させるためにアポ獲得目標も10%増の33件とした、という目標自体に対して「この目標でいいのか?」というブレインストーミングを会議で行うのも良い方法です。
きっと「なんのために?」「そもそも」といった混乱が生まれるでしょう。
ただ、この混乱は組織をまとめるために必要な混乱です。
下図の混乱期というものが該当します。
※詳しくはタックマンモデルについての記事を御覧ください。
タックマンモデルとチームビルディング
ブレインストーミングによって新しい目標のアイデアが生まれるかもしれません。
目標自体を考えることもダブルループ学習では重要です。
3.「外部研修」を実施する
最後は外部の研修を受講することによって「新しい知識の習得」や「視座の引き上げ」を行うというものです。
社内のいつものメンバーで話し合っても会社独自の考え方や、業界としての標準など、知らないうちに思考の枠組みができあがってしまっていることがあります。
外部の研修会社による研修を実施することで、一般的な方法や、最新のトレンドに触れることで、思考の枠組みが広がったり、無くなったりする可能性があります。
これによって上記の2つが実施しやすくなると思います。
マシュマロチャレンジでダブルループ学習を体験する
たとえば、マシュマロチャレンジという研修を通してもダブルループ学習を体験することができます。
マシュマロチャレンジについてはこちらをご覧ください。
マシュマロ・チャレンジのやり方と92cmの最高記録
マシュマロチャレンジを3回繰り返す中で最初は改善であるシングルループ学習が進みますが、3回目でより大きな成果を出すためにはこれまでのやりかたを否定するダブルループ学習を体験することができます。
もちろん、そのためにSCAMPERといったアイデア発想法を紹介します。
興味のあるかたはこちらをご覧ください。
某企業様でマシュマロチャレンジを実施しました!
まとめ
ダブルループ学習を一言でまとめると以下のようにいえるでしょう。
ダブルループ学習は「改革」