今回はここ数年話題となっている反転学習について書いていきたいと思います。
反転学習って言葉は聞いたことあるけど、それは学校教育の話でしょ?と思われている方もいるかもしれませんが、反転学習は学校教育でしか使えないわけではありません

今回は企業研修における反転学習を取り入れる簡単な方法を紹介したいと思います。

反転学習とは?


画像引用:https://media.shouin.io/what-is-flip-teaching

まず、簡単に反転学習について解説しておきたいと思います。なんとなく、事前に動画見てから授業(研修)に参加して、授業(研修)ではディスカッションとかやるんでしょ?というところまでは浸透してきていると思います。ざっくりそれであっていると思います。

反転授業の定義は以下のようになっています。

「反転授業」とは、従来教室の中でおこなわれていた授業学習と
演習や課題など宿題として課される授業外学習とを
入れ替えた教授学習の様式
だと定義される。

引用:http://smizok.net/education/subpages/a00029(flipped).html

そして、Strayerは以下のように述べています。

講義ビデオを用いることが反転授業の核心ではなく、講師と学生の交流、および
より深い学習の機会が増えたことが反転授業の核心

引用:効果的な反転授業の提案と実験による評価
梅澤 克之(2018)

反転学習の効果は?

気になるのは反転学習の効果だと思います。学校教育においては効果が出ているという報告が上がってきています。

Ghadiriは対面授業の時間を使って学習ポイントを明確にし、学生の質問に答えた。
授業の合格率は元々の59%から91%に上がった

Bidwellは、別の工学コースでD+からCへのコース平均点の改善を報告した。

引用:効果的な反転授業の提案と実験による評価
梅澤 克之(2018)

学習効果以外の反転学習のメリットして、特に企業研修での活用を考えると以下の2点が挙げられます。

1.事前学習は自分の好きな時間で受講できる

2.当日の研修時間を短くできる(可能性がある)

どちらも受講者が業務で忙しいという前提ですが、忙しい業務の中で、研修で4〜8時間の時間拘束が難しいというケース(要望)はあると思います。

そこで講義パートについては動画で自分の好きな時間に閲覧可能にして、当日のカリキュラムをディスカッションなどに重点を当てることで研修時間を2〜4時間程度に短縮することが可能かもしれません。

企業研修に反転学習を取り入れる簡単な方法

では、実際に企業研修に反転学習を簡単に取り入れるにはどうしたらいいのか?という問題ですが、ここでは2つの方法をご紹介したいと思います。

1.事前学習動画にTEDやYoutubeを活用する

2.ジグソーメソッドを活用する

1つめの事前学習動画にTEDやYoutubeを活用する、ですが、反転学習を行おうと思った時に大変なのが事前動画をどうやって準備するかということだと思います。

1回の研修用にe-learningシステムを導入するわけにも行かないと思いますので、TEDやYoutubeを活用するのが良いかと思います。

TEDには研修で使えそうな動画が多く掲載されています。例えば、リーダーシップ研修ではサイモン・シネックのゴールデン・サークルの動画が有効かもしれません。

TED Talks(外部サイト)

また、YoutubeにもGLOBIS知見録などのチャンネルがあり、事前学習に利用できそうです。

GLOBIS知見録 youtubeページ

例えば、以下の動画ではウェルビーイングについて言及されています。

このようにすでに世の中にある、無料で使えるツールを使うという方法があります。

2つめはジグソーメソッドを活用するという方法です。
ジグソーメソッドとは以下のように定義されています。

ジグソーメソッド(jigsaw method)とは、各学習者がまったく異なる領域の知識を
それぞれに学び、それを互いに教えあい、統合するという学習方法
である。

ある領域については知っていても、ほかの領域については知らない。そうすると、
そもそも理解レベルには差ができている。また、ある領域を知っているものは、
ほかの領域の知識をほかの人から説明された際に、何らかの新鮮なコメントを
行える可能性がある。よって、相互に理解を促進することができるのである。

引用:https://jinzai.diamond.ne.jp/

ということで、例えば、リーダーシップ研修を行う際に、あるグループにはミッション・ビジョン・バリューについての動画を見てもらい、別のグループにはサーバントリーダーシップについての動画について見てもらう、という形で異なる動画を見てもらった上で、当日のディスカッションに望んでもらうという方法です。

これによって1人の受講者が複数の動画を見なくても良いため、事前学習の時間が短縮できること、また、当日に学習できる知識があることで研修への満足度が向上する可能性が高まります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は企業研修に反転学習を取り入れる簡単な方法をご紹介しました。参考になれば幸いです。


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