ポジティブ心理学のPERMAと組織開発
みなさんはポジティブ心理学という学問をご存知でしょうか。初めて知った方には「ん?名前的になんか怪しい」と思った方もいると思います。
ポジティブ心理学は、アメリカの心理学者であるマーティン・セリグマン教授によって提唱されました。概要は以下のとおりです。
精神疾患を治すことよりも、通常の人生をより充実したものにするための研究がなされている。
Wikipediaより
TEDにもセリグマン教授の動画が上がっています。
ウェルビーイングの要素「PERMA」
ポジティブ心理学では、ウェルビーイング(心身および、社会的にも良好な状態)を構成する要素である「PERMA」の向上によって最終的に繁栄度の向上を目指しています。
PERMAは下画像の通り、各単語の頭文字をとったキーワードです。
Engagement:エンゲージメント、またはフロー状態を生み出す活動への従事
Relationship:関係性
Meaning and Purpose:人生の目的や仕事の意義、及び目的の追求
Achievement:何かを成し遂げること
これら5つの要素が高まると幸福な人生を送れそうだ、というのはなんとなく理解できると思います。
PERMAと組織開発
ポジティブ心理学は個人だけではなく、組織の繁栄もターゲットとしています。仕事・職場においてPERMAを向上できれば、よりよい組織になっていくと考えることができます。
PEMRAそれぞれの要素を仕事・職場を中心に考えてみましょう。
Positive Emotion:ポジティブ感情
⇒ネガティブな状況・感情をポジティブな状況・感情に転換することができるか、
組織としてネガティブな状況に対するコーピングを行うことが重要
Engagement:エンゲージメント、またはフロー状態を生み出す活動への従事
⇒フロー状態には専念と集中が重要です。
雑務を最小化・アウトソーシングし、本来やるべき業務に集中できる環境の提供。
Relationship:関係性
⇒職場のメンバーとの関係性の向上。まずは心理的安全性。
具体的には相互理解やアサーティブなコミュニケーションが重要。
Meaning and Purpose:人生の目的や仕事の意義、及び目的の追求
⇒自分が行っている作業・仕事が何に繋がっているのかという意味づけのために
ミッション・ビジョン・バリューの浸透が重要。
Achievement:何かを成し遂げること
⇒自分たちで建てた目標を達成していくことが重要で、
短期的で達成基準が明確な目標と、積み上げ式の長期的な目標のセットで
考えることが重要
いかがでしょうか。組織としてPERMAの向上のためにできることは上記以外もたくさんあると思います。リーダーやマネジャーは自分のチームのPERMA向上のためにできることは何か?を考えてみるのもよいと思います。
まとめ
今回はポジティブ心理学のPERMAをご紹介し、それを組織の中でどうやって活かすか、という例を書いてみました。参考になれば幸いです。
なお、セリグマン教授の著書はこちらです。