インターンシップ参加による効果(内定率、社会人基礎力、就労感)
大学生のキャリア形成・新卒採用戦略の中で、インターンシップの位置付けは年々大きくなっています。学生にとってのメリット、企業にとっての採用効果の両面で、「インターンシップにはどんな効果があるのか」を定量的に把握することは、プログラム設計の出発点となります。
本記事では、マイナビの就職活動調査と、複数の学術論文をもとに、インターンシップ参加が内定取得率・社会人基礎力・就労感の3つに与える効果を整理します。
インターンシップ参加の3つの効果(概要)
| 効果 | 概要 | データの出所 |
|---|---|---|
| 1. 内定取得率 | インターン参加者は非参加者より内定率が20%程度高い | マイナビ大学生内定率調査 |
| 2. 社会人基礎力 | 12の能力要素すべてで参加後のスコアが向上 | 中島(2015)研究最前線 |
| 3. 就労感 | ポジティブな印象が約30%増、ネガティブな印象が約30%減 | 岡本ほか(2019)短期インターンシップ研究 |
効果1: 内定取得率の向上
マイナビの就職活動調査によれば、インターンシップ参加者は非参加者よりも内定取得率が20%程度高いことが報告されています。

「【学生】6/15時点 内々定率比較」出所: 2020年卒マイナビ大学生内定率調査(6月臨時調査と6月末実施調査の結果を再集計)
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20210506134201.html

「2017年卒マイナビ大学生就職内定率調査」(6月実施)
https://news.mynavi.jp/article/20160915-a244/
2つの年の同じ時期(6月)での比較で、全体の内定率は異なります(2017年: 65.3%、2020年: 72.0%)が、いずれもインターンシップ参加者の内定取得率が非参加者よりも20%程度高いという傾向は共通しています。
効果2: 社会人基礎力の向上
社会人基礎力は、経済産業省が2006年から提唱する「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」で、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されます。
参考: 経済産業省 社会人基礎力
中島(2015)の研究によれば、インターンシップ参加後の社会人基礎力(の得点)は12能力要素のすべてにおいて、インターンシップ参加前を上回っていたことが報告されています。
中島 美佐穂 2015
特に能力の向上が見られたトップ5は、発信力・実行力・課題発見力・計画力・主体性で、3カテゴリーにまんべんなく能力向上が確認されています。

効果3: 就労感の変化
少し異なる観点として、インターンシップ参加前後で就労感がどう変わるかについても知見があります。
岡本ほか(2019)によれば、2日間程度の短期インターンシップでも就労感にポジティブな影響があることが報告されています。
論文中のデータを見ると、実習後(インターンシップ参加後)のほうがポジティブな印象が約30%増え、ネガティブな印象は約30%減っています。

効果を最大化するインターンシップ設計のポイント
インターンシップのプログラムを設計する際には、3つの効果を最大化するために以下の観点を押さえておくと効果的です。
・実務体験を組み込む:見学会形式ではなく、実際に業務を体験できるタスクを設ける(社会人基礎力12要素すべての向上に寄与)
・フィードバック面談を設ける:参加学生に「どんな能力が伸びたか/課題か」を言語化するフィードバックを返す
・振り返りワークを設計する:ケプトやKPT法などで、学びを定着させる時間を確保する
・現場社員と接点を作る:若手社員との対話が就労感のポジティブ変化に大きく効く
・短期+長期の組み合わせも検討:2日間の短期でも効果があるが、1ヶ月の長期と組み合わせると深さと広さの両方を得られる
採用設計・社会人基礎力を学ぶ書籍
インターンシップ設計・採用戦略の背景を学ぶには、下記書籍が参考になります。
まとめ
インターンシップ参加は、内定取得率・社会人基礎力・就労感の3つの観点で、いずれもポジティブな影響を生むことが複数の調査・研究で報告されています。学生・企業双方にメリットのあるプログラムですが、設計の工夫次第で効果はさらに大きくなります。

