インターンシップ参加による効果(内定率、社会人基礎力、就労感)
今回は大学生がインターンシップに参加することによってどういう効果があるのか?ということについて書いてみたいと思います。
効果の定義にもよると思いますが、まずはインターンシップに参加したことによって内定取得率が上がるのか?という観点では、マイナビの2020年卒、2017年卒のリサーチをみるとどちらも内定取得率が上がっていることがわかります。
「【学生】6/15時点 内々定率比較」 出所:2020年卒マイナビ大学生内定率調査(6月臨時調査と6月末実施調査の結果を再集計)
https://saponet.mynavi.jp/column/detail/20210506134201.html
「2017年卒マイナビ大学生就職内定率調査」(6月実施)
https://news.mynavi.jp/article/20160915-a244/
2つの年の同じ時期(6月)での比較で、全体の内定率は異なっていますが、(2017年は全体が65.3%、2020年は72.0%)とはいえ、インターンシップ参加者の内定取得率のほうが不参加の内定取得率よりも20%程度高いことがわかります。
一概には言えませんが、そういう意味で学生にとってインターンシップに参加することは効果的だと考えられます。
インターンシップ参加による社会人基礎力への影響
内定取得率だけが効果、というわけではないと思います。ここではインターンシップへの参加が学生の社会人基礎力の向上に効果があるのかどうかという観点で考えてみたいと思います。
社会人基礎力は経済産業省が2006年から提唱している「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のことです。
社会人基礎力は「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されています。
詳細は経済産業省のホームページにも記載されています。
http://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/
下記の記事によれば、インターンシップ参加後の社会人基礎力(の得点)は12能力要素のすべてにおいて、インターンシップ参加前を上回っていたことが報告されています。
インターンシップ参加による社会人基礎力の変化について : 実習前後のアンケート調査の分析
中島 美佐穂 2015
特に能力の向上が見られたトップ5は下画像の通り発信力、実行力、課題発見力、計画力、主体性となっており、3つのカテゴリーでまんべんなく能力の向上が確認できることになります。
インターンシップが就労感に与える影響
少し違った観点での効果、としてインターンシップに参加する前と後では就労感が変わるのかという視点についても触れておきたいと思います。
下記の論文によれば、2日間程度の短期インターンシップでも就労感にポジティブな影響があることが報告されています。
短期インターンシップによる社会人基礎力自己評価の変化
岡本隆 園田雅江 曽我亘由 深堀秀史 垰康介 2019
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jasmin/201910/0/201910_195/_pdf/-char/ja
論文に掲載されている下画像をご覧頂くと、実習後(インターンシップ参加後)のほうがポジティブな印象が約30%増え、ネガティブな印象は約30%減っていることがわかります。
まとめ
いかがでしょうか。今回はインターンシップ参加による効果として、内定取得率、社会人基礎力、就労感の3つの観点から見てきましたが、どの観点でもポジティブな影響があると言えると思います。
参考になれば幸いです。