行動を変えるための研修のやり方
「研修で人は成長しない」という言葉をたまに目にすることがあります。
研修を提供している会社としては少し悲しい気持ちになりますが、同時に「研修だからこそ提供できる価値」を高めていこうという前向きな気持ちにさせてくれます。
「研修で人は成長しない」と言われる背景として大きく3つが考えられます。
2.研修の効果が測定できない
3.「満足」で終わり「行動」に結びつかない
1.数時間〜数日間では学べることに限界がある
確かに人が数時間〜数日間で学べることには限界があります。
しかし、「だから効果が無い」と言うことではありません。
例えば、Excelの使い方について数時間の研修を受講すればこれまで知らなかった便利な使い方を知ることができるでしょう。
2.研修の効果が測定できない
例えば上記で紹介したExcelの便利な使い方を研修で学んだとしてそれが営業成績にどの程度貢献したか、という効果測定は大変難しいものです。
定量的な効果測定を行うには、チームを2つのグループに分け、一方に研修を受講させ、もう一方は研修を受けず、一定期間の成績を比較するという実験的なアプローチによってようやくマシになるというものです。
なお、研修の効果測定としてはカークパトリックの4段階評価という有名な測定方法がありますので興味のあるかたは以下を御覧ください。
カークパトリックによる研修効果の測定
3.「満足」で終わり「行動」に結びつかない
研修自体は楽しかった、満足度が高かった、というアンケートをもらってもそれが「日常の行動」で活かせなければ意味がありません。
Excelの使い方など具体的なテクニックは翌日からでも利用できるスキルとして行動に結びつくでしょう。
しかし、例えば、コミュニケーション研修はどうでしょうか。
最近受講または実施したコミュニケーション研修を思い出して下さい。
そこでの学びは今、活かせていますか?
研修はその場で終わり、日常の行動に繋がらないこんなイメージがあると思います。
行動を変えるための研修のやり方
では、どのようにすれば行動を変える研修を実施できるでしょうか。
ポイントは「短いサイクルでのフィードバック」です。
まずは具体的なやり方を書いていきましょう。
部下とのコミュニケーション研修のようなものをイメージしてください。
2.ペアになってロールプレイング(様子を動画で撮影する)
3.撮影した動画をお互いに見る
4.ペアでディスカッション(気づいたことや改善点など)
5.ペアを変えて2〜4を繰り返す
参考:Work Rules!
先ほど書いたとおりポイントは「短いサイクルでのフィードバック」です。
自分自身で動画を見て振る舞いをチェックし、修正点をペアで考えます。
次のロールプレイングでは修正点を反映します。
先ほどとは違うペアで実施することでまた新しい視点が得られ、改善されていきます。
弊社がゲームを用いた研修を提供する理由
弊社ではゲームを用いた研修を提供していますが、ゲームという手法もまた「短いサイクルでのフィードバック」を実現するのに有効な手段です。
ゲームは比較的短時間で全体を把握する、シミュレーションすることに長けています。
そして、順位がついたり、時間を競ったりしながらフィードバックを得ることができます。
また、ゲーム自体が楽しいものであることから「もう一度やりたい」というモチベーションを促進し、より自然に改善を促すことができます。
まとめ
行動を変える研修を行うためのポイントは「短いサイクルでのフィードバック」
具体的なやり方は以下のとおりです。
2.ペアになってロールプレイング(様子を動画で撮影する)
3.撮影した動画をお互いに見る
4.ペアでディスカッション(気づいたことや改善点など)
5.ペアを変えて2〜4を繰り返す