ストレスマネジメント研修で押さえる10領域と確認テスト37問 — 37問×10領域でカークパトリックLv2学習度を測定

【結論】ストレスマネジメント研修の前後で実施できる確認テスト37問(10領域に分類)を紹介します。受講者の知識定着度を可視化でき、カークパトリック4段階評価のレベル2「学習」を測定する筆記試験として活用できます。日本労働研究雑誌の論文を出典とした、研修設計にもそのまま使える信頼性の高い問題集です。

目次

1. ストレスマネジメント研修とは
2. カークパトリック4段階評価で「学習」レベルを測定する
3. ストレスマネジメント研修で使える37個の問題
4. ストレスマネジメント研修で押さえる10領域(カテゴリー)
5. よくある質問(FAQ)
6. 研修導入をご検討の方へ

今回はストレスマネジメント研修で使える37個の問題をご紹介したいと思います。

使い方としては、この問題を研修の「前後」で実施し、ストレスマネジメントの知識が身についたか?をチェックするために使う、または研修前の確認テストとして利用して興味付けを行い、設問と回答について研修内で紹介していくという形になるかと思います。

ストレスマネジメント研修とは

ストレスマネジメント研修とは、ストレスが生じる仕組みと対処法を学び、自分のストレスに早く気づき、適切に対処できる状態(セルフケア)をつくるための研修です。厚生労働省の指針では職場のメンタルヘルス対策を「セルフケア」「ラインケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」の4つのケアで整理しており、ストレスマネジメント研修は主にセルフケアを担います(メンタルヘルスの4つのケアとは?図解で内容と具体例を解説)。

一般社員向けには本記事の10領域をカバーするセルフケア研修、管理職向けには部下の不調のサインに気づいて支援するラインケア研修を組み合わせるのが基本形です。弊社のメンタルヘルス研修のラインナップはグループワーク形式で学べるメンタルヘルス研修3選で紹介しています。

カークパトリック4段階評価で「学習」レベルを測定する

これによって研修効果の測定法として知られているカークパトリックの4段階評価レベル2の「学習(Learning)」とされる、筆記試験(確認テスト)での受講者の学習到達度を測ることができます。

カークパトリックの4段階評価の全体像は、下の図と次の記事で解説しています。
カークパトリックの4段階評価 - Reaction(満足度)/Learning(知識)/Behavior(行動)/Result(成果)の4階層

カークパトリックによる研修効果の測定(4段階評価)

ストレスマネジメント研修で使える37個の問題

それでは実際に37個の問題を見てみましょう。出典論文の表2をもとに、10領域ごとに区切って一覧にしました。

No. 質問項目(一般的に適切なら○、適切でなければ×) 正解
1. ストレッサーを明確にする
1 自分がいま抱えている問題が何かを明確にする。
2 問題が複数あるときには、優先順位を考えて対処する。
2. 一次的評価(有害性の評価)を見直す
3 その問題の良い点にも注目する。
4 その問題を必要以上につらいと感じていないか確認してみる。
3. 二次的評価(対処方法の選択)を理解する
5 その問題にすぐに対処する必要があるかを検討してみる。
6 問題が長期化しそうなときには、なんでもよいので思いついた対処から試みる。 ×
7 自分には不可能と思っても、最良だと思われる対処方法を行う。 ×
8 今までの似たような経験を参考にしてみる。
9 その対処方法を行うことで、日常生活にどの程度支障が生じるかを考えてみる。
4. 実行している対処を再検討する
10 なかなか問題が解決しないときには、いま行っている対処方法を見直してみる。
11 一度決めた対処方法は最後まで変えないようにする。 ×
5. 自分のストレス対処資源を開発する
12 自分なりのリラックス法を知っておく。
13 得意とする対処方法の種類は最小限にとどめておく。 ×
14 自分がどんな考え方や行動を起こしやすいかを把握する。
15 職場や家庭などから助けが得られそうかを調べてみる。
16 自分の考え方や行動が正しいかどうか誰かと話してみる。
6. ストレス対処の種類を知る
17 その問題の原因は何かを考えて対処する。
18 自分の気持ちが楽になるような対処方法を行ってみる。
19 簡単に解決しそうにない問題はしばらく放っておく。
7. モデリングの方法を理解する
20 同じような問題をうまく解決できなかった人の対処方法は参考にならない。 ×
21 事前に対処方法のリハーサルをする。
22 対処したあとに、できるだけ早く自分のことをほめる。
23 想像通りになるかどうかはわからないので、事前に対処している場面をイメージしない。 ×
8. 認知の歪みの特徴を知る
24 こうしなければならないと考えて行動する。 ×
25 問題が発生した原因について、あまり自分を責めないようにする。
26 失敗も良い経験だと、自分をはげましてみる。
27 悪い考えばかり浮かんでも、考えをそらさないようにする。 ×
28 これまで自分が出来たところに目を向ける。
9. 日常的にストレスや健康を管理する
29 睡眠や食事よりも、問題の解決を優先する。 ×
30 専門医やカウンセラーに相談してみる。
10. 一般的に望ましいストレス対処の方法を知る
31 同時に複数の対処方法を行わない。 ×
32 状況に応じた対処をするように心がける。
33 自信のあるやり方で対処してみる。
34 問題に対処し続けると、それが解決してもかえって疲れがたまることがある。
35 対処方法は性格によって決まっているので変えようがない。 ×
36 問題に対処しているときには、適度に休みを入れる。
37 小さなステップに分けて、問題解決を試みる。

この37個の問題に正解できたらストレスマネジメントの基礎について理解できていると言えると思います。

なお、この問題集は下記の論文(表2)を参考にしています。

職場のメンタルヘルスに関する最近の動向とストレス対処に注目した職場ストレス対策の実際
大塚 泰正 鈴木 綾子 高田 未里
日本労働研究雑誌 49(1), 41-53, 2007-01

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2007/01/pdf/041-053.pdf

上表の「正解」列には答えを載せていますが、実際には正解を隠して受講者に○or×を選択してもらいます。

ストレスマネジメント研修で押さえる10領域(カテゴリー)

ちなみに、37個の問題は下表のような10個の領域(カテゴリー)に分類されています。

1. ストレッサーを明確にする

何が自分のストレス源(ストレッサー)になっているのかを言語化する領域です。「漠然と疲れている」状態から、人間関係・業務量・将来不安など具体的な対象として捉え直すことが、対処の出発点になります。

2. 一次的評価(有害性の評価)を見直す

ストレッサーが自分にとって本当に「脅威」「損失」なのかを見直す領域です。同じ出来事でも、人によって受け止め方は違うこと、過剰に脅威と評価していないかを点検します。

3. 二次的評価(対処方法の選択)を理解する

そのストレッサーに対し「自分は対処できるか」「どんな手段があるか」を見極める領域です。選択肢の幅を広げること自体がストレス耐性を高めます。

4. 実行している対処を再検討する

今やっている対処が効いているかを振り返って再評価する領域です。「とりあえず飲み会で発散」のような短期的対処に依存していないかを確認します。

5. 自分のストレス対処資源を開発する

頼れる人・場所・スキル・お金・健康など、自分が動員できるリソースを意識的に増やしていく領域です。「困った時の選択肢」を平時に育てる視点です。

6. ストレス対処の種類を知る

問題焦点型(原因に直接働きかける)/情動焦点型(感情を整える)/回避型/社会的支援の活用型など、対処戦略のレパートリーを体系的に知る領域です。

7. モデリングの方法を理解する

ストレス対処が上手な他者を観察・模倣して学ぶ「モデリング」の活用方法を学ぶ領域です。身近にいる「ストレス耐性の高い人」から戦略を吸収する視点です。

8. 認知の歪みの特徴を知る

「全か無か思考」「べき思考」「自己関連付け」など、ストレスを増幅させる典型的な思考パターンを知る領域です。気づくこと自体が対処の第一歩になります。

9. 日常的にストレスや健康を管理する

ストレスを「起きてから対処」ではなく、日常の睡眠・運動・食事・休息で予防的に管理する領域です。セルフケアの習慣化が再発防止の核心です。

10. 一般的に望ましいストレス対処の方法を知る

研究・実践で一般的に効果が確認されている対処方法を知る領域です。マインドフルネス、認知再構成、ソーシャルサポートの活用など、エビデンスのある王道を押さえます。

ストレスマネジメント研修 内容

37個の問題は使わない場合でも、ストレスマネジメント研修で伝える内容として上記の10個の領域を含めた研修設計を行うというのも有効かと思います。

よくある質問(FAQ)

Q. ストレスマネジメント研修の効果はどう測定すればいいですか?

A. カークパトリックの4段階評価のうち、レベル2「学習(Learning)」は筆記試験(確認テスト)で受講者の知識習得度を測定します。本記事の37問を研修の前後で実施することで、知識の定着度を数値で可視化できます。

Q. 37問はどのように使えばいいですか?

A. 主に2通りの使い方があります。①研修前に実施して受講者の現状把握&興味付けを行い、研修中に正答を解説する/②研修の前後で実施して、知識の定着度を比較する。設問と回答を研修内で扱うことで学習効果が高まります。

Q. 37問はどのような領域をカバーしていますか?

A. ストレッサーの明確化、一次的評価・二次的評価、ストレス対処の選択・再検討、対処資源の開発、対処の種類、モデリング、認知の歪み、日常的な健康管理、望ましい対処方法など、10領域(カテゴリー)を網羅しています。研修内容を設計する際の網羅性チェックにも活用できます。

Q. この問題集の出典は?

A. 大塚泰正・鈴木綾子・高田未里「職場のメンタルヘルスに関する最近の動向とストレス対処に注目した職場ストレス対策の実際」(日本労働研究雑誌49(1), 41-53, 2007-01)を参考に作成されています。論文PDFから原典を確認できます。

研修導入をご検討の方へ

自社のストレスマネジメント研修を設計する際の参考になれば幸いです。37問は「知識が身についたか」を測る確認テストですが、研修本体では、受講者一人ひとりが自分のストレッサー・ストレス反応・コーピングを見つける体験型のワークを組み合わせると、10領域の知識が自分ごとになります。弊社では、そのためのセルフケア研修用カードゲームとして『攻略!きみのストレスを発見せよ!』を提供しています。

攻略!きみのストレスを発見せよ!

『攻略!きみのストレスを発見せよ!』は、洗足ストレスコーピング・サポートオフィス所長の伊藤絵美先生が監修し、株式会社ウサギの高橋晋平氏の協力で開発されたカードゲームです。弊社は出版元の合同出版株式会社様と連携し、社会人向けストレッサーカード50枚を追加したうえで、運営用パワーポイントスライドと社内講師向け動画マニュアルを付属した研修用キットとして提供しています(実際にプレイしたレポート)。

※運営用パワーポイントスライドの例
攻略!きみのストレスを発見せよ! 運営用パワーポイントスライドの例

1つのカードキットで3つのゲームができます。①自分のストレス発見ゲーム(50枚のストレッサーカードから2枚を開き、親がどちらにより強いストレスを感じるかを他のプレイヤーが予想する)、②自分のストレス反応発見ゲーム(ストレスを感じたときにどんな反応・症状が出るかを発見する)、③自分のコーピング発見ゲーム(自分に合ったコーピングを発見する)の順に進め、ゲーム後には望ましいコーピングの特徴を伝えるミニ講義と、グループでコーピングリストを作成するワークを行います。

実施要項は3名から実施可能・1〜2時間・カードキット購入(社内講師で実施)または講師派遣です。キットの内容や価格、無料導入ユーザーの募集条件は下記の記事にまとめています。

『攻略!きみのストレスを発見せよ!』研修キット|五月病対策のためのセルフケア研修

『攻略!きみのストレスを発見せよ!』研修キットの詳細を見る

詳細な資料、お見積りをご希望の方はまずは下記より資料請求をお願いします。

※同業他社様からのお問い合わせはご遠慮ください。

お問い合わせ内容

※必須


企業名

※必須


ご担当者様氏名 (姓と名の間に半角スペースを入れてください)

※必須


メールアドレス

※必須


※メールアドレスは企業アカウントのみ有効とさせて頂いております。

研修目的

※必須

※研修の目的、ゴール、実施背景など箇条書きで構いませんのでご記入下さい。

その他、実施時期や受講人数など(300文字以内)


この記事を書いた人

千葉 順
千葉 順
株式会社HEART QUAKE 代表取締役
元法政大学兼任講師(キャリアデザイン論)
→ 詳しいプロフィール

関連記事

人気記事

お知らせ

関連記事

記事内検索

カテゴリ別

注目されているタグ

HEART QUAKE サポート
TOPに戻る
お問い合わせ