組織力を高めるための方法の1つに「組織としての学習効果を高める」というものがあります。

人が経験を通して学習していくように、組織もまた経験を通して学習していきます。
少し古い例ではありますが、雪印の品質管理問題はおそらく同社の社員にとって現在も教訓となっているだろうと思います。

では、「組織としての学習効果」をどのように高めていけば良いのか?
今回は 「Know Who」(ノウフー)を中心に書いていきたいと思います。

組織としての記憶力とは

世界の経営学者はいま何を考えているのか」という本に「組織としての記憶力」という言葉が登場します。

※ハーバードビジネスレビューの後ろの方に「世界標準の経営理論」というトピックがありますが、その著者が書いた本です。

前述の本には以下のように書かれています。

人にはもの覚えのよい人と悪い人がいます。
もし同じように、組織にも記憶力のよい組織と悪い組織があれば、それは組織の学習効果に大きな影響を及ぼすはずです。

例えば、ある部門が新規事業の立ち上げに成功した時
そのノウハウが組織全体に浸透すれば組織の学習効果は高まっていると言えるでしょう。

他にも、トップ営業マンが後輩に営業のノウハウをシェアすることで後輩が育っていくという例を本やネットニュースで目にすることがあります。

組織の記憶力には「Know Who」が重要

また、前述の本の中では次のように記述されています。

組織の記憶力に重要なことは、組織全体が何を覚えているかではなく、組織の各メンバーが他メンバーの「誰が何を知っているか」を知っておくことである。

・・中略・・

組織にとって重要な事はWhat (何を知っているか)ではなく、Who knows what (誰が何を知っているか)である。

ここで言う Who knows what とは、ノウハウ (Know How)ではなく、ノウフー(Know Who)といえるでしょう。
もっと具体的に言えば、「誰が、何をできるか?」とも言えます。

例えば、新しいプロジェクトの立ち上げ時に、「この分野の知識が今のチームには足りない」となった時、「そういえば、あいつなら知ってるかもしれない。
昔、似たようなプロジェクトに関わっていたし。」という形で、「誰が知っているか、を知っている」ことはプロジェクトを前に進める力になるでしょう。

強豪サッカーチームで考える Know Who

現代社会は技術や、情報の変化のスピードが速まり、1人があらゆる情報や経験を保持していることは不可能です。

そこで、誰が、何をできるのか?というお互いの強みを知っておくことでお互いの強みを活かし合い、組織力を高めていく必要があります。

例えば、レアルマドリードというスペインの強豪サッカーチームで考えてみましょう。
このチームにはクリスティアーノ・ロナウドという世界最高峰のドリブラーがいます。

彼が左サイドでボールを持つと、相手ディフェンダーをドリブルで抜き去り、得点を取る確率が高まります。

もちろん、チームメンバーはそのことを知っていますから(Who know what)できるだけ相手ディフェンダーと1対1になるような状況で彼にボールを渡すようにします。
その結果、得点が生まれ、チームは勝利するのです。

まとめ

組織力を高めるためには「組織の学習効果を高める」ことが必要です。
そのためには「組織の記憶力」の重要な要素である「Who knows what」つまり、「Know who」(ノウフー) がポイントになっていきます。

お互いの強みを知り、活かし合うことで組織力は高まっていくのです。

世界の経営学者はいま何を考えているのか」をまだ読んでない方はぜひ読んでみて下さい。


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