今回は先日、私が読んだ失敗の科学という書籍において、上司に意見をするためのフレームワークである【PACE】が紹介されていましたので(第一章 P49)、みなさんにも紹介できればと思います。

失敗の科学では医療ミスや飛行機事故などいくつかの致命的な失敗についての事例が記載されており、その原因の1つとして、権威を持つ上司(機長や医師など)に対して、副操縦士や看護師などの補佐的な立場にある人が批判的な意見を言えなかったことが挙げられています。

そこで上司に意見をするための手法について学ぶ場が設定されたとされています。それがPACEです。

PACEは以下の単語の頭文字をつなげたものです。
PACE 失敗の科学

上司に意見をするときにはP⇒A⇒C⇒Eの順を追って意見したほうが良いということになります。

まずはProve (確認・探求)です。 問題や状況を上司に確認、探求する段階です。情報を集め、分析し、問題や課題を提案します。

続いて、Alert (注意喚起)です。 問題や状況に対する注意を喚起する段階です。問題の深刻さや重要性を上司や関係者に伝えます。

続いて、Challenge (挑戦)です。 問題に直面し、解決策を模索する段階です。問題を克服するためのアイデアや戦略を検討し、関係者や上司に提案します。

書籍内では詳しく書かれていませでしたが、Challengeでは、上司ではなく、自分が問題を解決するという前提でアイデアを考えて、それを提案するというイメージなのかもしれません。

最後がEmergency (緊急事態)です。 問題が緊急を要する場合、即座の対応が求められる段階です。状況を迅速に評価し、緊急の措置や対処法を実施します。この段階では、迅速かつ効果的な行動が必要です。

例えば人命に関わるような場合は、上司を差し置いてでも緊急事態に対応するという必要があるかもしれません。

このように次第に緊迫感が増していくのがわかります。

また、書籍内ではこのようにも記載されています。

一方、権威的立場にある機長は、
部下の主張に耳を傾けることを学び
明確な指示を出す技術も磨く。

当たり前ですが、コミュニケーションなので双方の伝える力、聞く力が必要ですね。

PACEとフォロワーシップ理論

PACEの話を読んで、私の頭に浮かんだのはフォロワーシップ理論でした。
フォロワーシップ理論はカーネギーメロン大学のロバート・ケリー氏によって提唱されたいわゆる部下のための理論で、下図が有名です。

フォロワーシップ 理論

縦軸⇒批判的思考(クリティカル・シンキング)
リーダーの言動に盲目的に従うのではなく、独自の視点で健全な批判性を持って考えること。

横軸⇒貢献力(積極的関与)
自らがイニシアチブを取り、組織のための自発的な行動(支援など)を取っている。

特に縦軸の批判的思考は上司が常に正解と盲信せず、健全な批判性を持って接することができるか?というもので、失敗の科学で紹介されているような緊急事態においては特に重要です。
また、合わせて横軸の貢献力も、最後は自分がイニシアチブを取るという姿勢につながってきます。

フォロワーシップについての詳細は過去記事にまとめてありますのであわせてご覧ください。

フォロワーシップ理論とフォロワーの5つのタイプ

いかがでしたでしょうか。参考になれば幸いです。
書籍も非常に面白いのでぜひ読んでみてください。
 


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