もしバナカード(ゲーム)の遊び方・やり方|人生の最期を考える対話ツール

35枚の言葉から大事なトップ10を選んで理由を共有することで、普段は話しにくい人生観や死生観を自然に言語化できます。
世代に合わせたアレンジを加えることで、キャリア研修や家族間の相互理解、医療・介護職の研修など様々な場面で活用可能です。
目次
1. もしバナゲームとは|ACPの現場で生まれたカードゲーム
2. もしバナゲームの遊び方|トップ10を選ぶ
3. ワークスタイルトランプ風に"カテゴリー分け"の応用
4. 研修・ワークショップでの活用アイデア
5. もしバナゲームの購入方法
6. まとめ
人生100年時代と言われる2025年現在、キャリアデザイン研修や人生設計ワークの文脈で人生の最期を考えるという切り口が改めて注目されています。
この記事では、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の現場で広く使われている「もしバナゲーム」をご紹介します。ご自身やご家族、職場の同僚と一緒にやってみることで、普段は話題にしない”人生の最期に大切にしたいこと”について対話できるカードゲームです。

もしバナゲームとは|ACPの現場で生まれたカードゲーム
もしバナゲームは、一般社団法人iACP(アイ・エーシーピー)が制作しているカードゲームで、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)の普及啓発を目的として開発されました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供 | 一般社団法人iACP |
| 構成 | 1セット36枚のカード(うち35枚は言葉、1枚はワイルドカード) |
| 対象 | 2〜4人程度 |
| 所要時間 | 30分〜1時間 |
35枚のカードには、重病のときや死の間際に「大事なこと」として人がよく口にする言葉が書かれています。
たとえば、「どのようにケアして欲しいか」、「誰にそばにいて欲しいか」、そして「自分にとって何が大事か」、という内容です。
(公式サイトより:https://www.i-acp.org/game.html)
この切り口は、ブロニー・ウェアによる書籍『死ぬ瞬間の5つの後悔』を思い出す方もいるかもしれません。
もしバナゲームの遊び方|トップ10を選ぶ
【要点】「もしバナゲーム」の基本的な遊び方の一つは、35枚のカードの中から自分にとって大事なトップ10を選ぶことです。選んだ10枚のカードについて、なぜそれを選んだのかを対話相手に伝えることで、普段話しにくい「人生の最期にどうありたいか」というテーマについて自然な対話が生まれます。
もしバナゲームの遊び方の1つに、自分にとって大事なトップ10を選ぶというシンプルなものがあります。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ①カードに目を通す | 全35枚のカードをざっと見る |
| ②自分のトップ10を選ぶ | 大事だと感じるカードを10枚選ぶ |
| ③選んだ理由を話す | なぜその10枚を選んだのか、対話相手に伝える |
| ④相手の選択を聞く | 相手のトップ10とその理由を聞く |
たったこれだけのプロセスで、普段は口に出しにくい“人生の最期にどうありたいか”についての対話が自然に成立します。
ワークスタイルトランプ風に”カテゴリー分け”の応用
弊社では類似コンセプトのワークスタイルトランプを提供しています。こちらはキャリアや働き方について考えるカードゲームで、もしバナゲームと遊び方に共通点があります。
相互理解を促すためのワークショップ向けツール「ワークスタイルトランプ」

実際に筆者(HEART QUAKE代表 千葉)ともしバナゲームをプレイしてみた際、ワークスタイルトランプで使う”カテゴリー分け”の応用も組み合わせてみました。
| アレンジ | 効果 |
|---|---|
| ①トップ10を選ぶ | 基本の遊び方 |
| ②10枚を自分なりのカテゴリーに分ける | 具体→抽象で語りやすくなる |
| ③カテゴリーに名前をつける(例: “一人になりたい系”) | 自分の価値観の輪郭が見える |
| ④相手と比較する | 相手と自分の価値観の違いが浮き上がる |
世代によって”話しやすい抽象度”が違う
このアレンジを妻とプレイした後の感想が興味深く、世代によって話しやすい抽象度が違うことが分かりました。
| 対象 | 向いている遊び方 |
|---|---|
| 若手・現役世代 | カテゴリー分け→抽象度を上げて対話 |
| 親世代・高齢世代 | カード1枚ずつ具体的に対話 |
若い世代ほど“死”が遠いため、具体的な状況で語るのは難しくなります。一方、高齢の親世代には具体的な状況として語りやすい、という違いがあるようです。
研修・ワークショップでの活用アイデア
【要点】もしバナカードは、家庭だけでなく、研修やワークショップの対話ツールとしても幅広く活用できます。シニア向けキャリア研修でのセカンドキャリアの言語化、新入社員研修での人生観・仕事観の相互理解、医療・介護職のACP実践練習、家族向けワークショップでの対話など、様々な場面で「人生の最期」を考えるきっかけを提供します。弊社では「死」をテーマにした体験型研修として、死の疑似体験ゲーム(オンライン版)も提供しています。
もしバナゲームは家庭での対話にも有効ですが、研修・ワークショップの素材としても活用できます。
| 活用場面 | ねらい |
|---|---|
| シニア向けキャリア研修 | セカンドキャリアの軸を言語化する |
| 新入社員研修・内定者懇親会 | 人生観・仕事観の相互理解 |
| 医療・介護職の研修 | ACPの実践練習として |
| 家族向けワークショップ | 親子で人生の最期について対話 |
弊社では「死」をテーマにした体験型研修のコンテンツとして、死の疑似体験ゲーム(オンライン版)もご用意しています。

「もしバナカード」と組み合わせたい「死の疑似体験ワーク」
「人生の最期」を考えるテーマで、もしバナカードと並んで弊社が活用しているのが死の疑似体験ワーク(五色カード法 / Guided Death Experience)です。下島裕美氏・蒲生忍氏が論文『医療倫理と教育(2) 五色カード法による死にゆく過程の疑似体験』(2009)で提唱したワークで、参加者は5色25枚のカードに「大切なもの」を書き出し、講師が読み上げる物語に沿って段階的にカードを手放していきます。
もしバナカードが「言葉」で大切な価値観を選び取るツールであるのに対し、死の疑似体験ワークは「物語と内省」で大切なものを手放していく体感型ワーク。「最初にカードに書いたものが、実はたいして大切ではないと気づいた」といった気づきが生まれやすく、シニア向けキャリア研修の「人生に焦点を当てた」プログラムで「もしバナカード」と組み合わせると、考える(言語化)と感じる(体感)の両面から人生の最期に向き合えます。
死の疑似体験ワークをオンライン化|キャリア研修で使える五色カード法(GDE)システム
シニアのキャリア研修で実施したい「死の疑似体験」ワーク
キャリア教育として「死の疑似体験ワーク オンライン」を実施した結果
シニア向けのキャリアデザイン研修で考えたい3つの視点
もしバナゲームの購入方法
もしバナゲームはiACPの公式サイトほか、Amazon等の通販でも購入可能です。
もしバナゲーム公式サイト
まとめ
【要点】もしバナカードは、普段話しにくい「死」というテーマを、カードを介して気軽に対話できるツールです。家族との対話からキャリアデザイン研修、医療・介護現場でのACP啓発まで幅広く活用でき、人生の最期を考えるきっかけを提供します。
もしバナゲームは、“死”という普段は話しにくいテーマを、カードを介して気軽に対話の俎上に載せられるツールです。
家族との対話、キャリアデザイン研修、医療・介護現場でのACP啓発まで幅広く使えるので、興味のある方はぜひ一度プレイしてみてください。


