先日読んだ本で面白いデータがありましたので紹介したいと思います。
それが、タイトルにも記載した通り、プロジェクトが失敗する割合は99.5%?というデータです。

実際に書籍に掲載されていた画像を引用したいと思います。

BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?
ベント・フリウビヤ/ダン・ガードナー/櫻井祐子
サンマーク出版 2024年

画像の文中にもあるとおり、プロジェクトといっても規模の大きなメガプロジェクトについての分析となっていますが、鉄則として、予算内に収まるプロジェクトは半分以下の47.9%で、かつ、工期内に完了したものについては1/10以下の8.5%、さらに、完了したはいいが、当初想定した便益(メリット)を享受できたものとなると、1/100にも満たない0.5%となるようです。

みなさんの担当されてきたプロジェクトはいかがでしょうか?
予算内に収まりました?当初の工期内に完了しましたか?想定していたメリットは得られましたか?

う、、、と言葉に詰まっても恥ずかしいことではないのかもしれません。
データを見る限り、うまくいくプロジェクトは1%以下のようですから。

ただし、注意したいのは分析対象となっているのが予算10億ドル(ざっくり1000億円超)のメガプロジェクトであることです。
そりゃそんだけの規模のプロジェクト(トンネル工事や鉄道、オリンピックなどが事例として掲載されています)なら予算や工期も溢れるだろうさ、と納得できる自分がいます。

しかし、予算超過、期間延長、便益過少という3つの問題についてはその規模によらずどんなプロジェクトでも起こるのではないでしょうか。

その理由や対策は本書の中で挙げられていますのでぜひ読んでいただきたいのですが、面白い一文がありましたので紹介したいと思います。

想定外が「予想通り」起きる

この一文には皮肉を感じますが、まさにその通りで、想定外のことが起こることだけは予想できるが、それがいつ、どんな事象で、どれだけのインパクトがあるのかを予想できないというのが実情です。

この記事を書いている2024年5月現在、新基幹システムの障害で、江崎グリコさんのプッチンプリンが出荷できていない状態が続いています。

グリコ、システム障害の影響で連結売上高を150億円下方修正

本書の中でもITプロジェクトのひどさは他のプロジェクトに輪をかけてひどいと記述されている部分があります。
新卒で入社したIT企業でもカットオーバーの遅延という話しはよく聞いたので個人的には心が傷んでいます。

また、こちらの一文も心が痛みます。

計画フェーズで見過ごされ真剣に検討されなかった問題が
すぐに露呈し、急いで事態の収拾に奔走する。
するとまた別の問題が発生し、さらに奔走する。

私はこれを「故障と修理のループ」と呼んでいる。

これはまさに、システム思考におけるシステム原型その1の応急処置の失敗です。

こちらの図についての解説は下記に記載しています。

簡単に解説!システム原型その1:応急処置の失敗

読んでいてズキッ!となるなる内容が多く、非常に面白い書籍でしたのでぜひ読んでみてください。

なお、弊社ではプロジェクトマネジメントを疑似体験するボードゲーム「プロジェクトテーマパーク」を用いた研修を実施しています。

本来であれば失敗できないプロジェクトマネジメントをボードゲームで疑似体験することで、そこからの気付きや学びを現実に活かすことができれば、と考えています。

なお、ミートボールで有名な石井食品様での導入事例も掲載しておりますのでぜひご覧ください。

石井食品様でプロジェクトテーマパークを用いた研修を実施しました


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