人狼は研修に使えるのか?その2
今回は、人狼は研修に使えるのか?その2というテーマで論文を紹介していきたいと思います。
なお、その2となっているのは、過去に人狼はコミュニケーション研修に使えるのか?という記事をあげておりますので、よろしければそちらもご覧ください。
人狼はコミュニケーション研修に使えるのか?
今回紹介する論文はこちらです。
金泉 則天 , 伊藤 毅志(2023)
情報処理学会ゲーム情報学研究会
https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2023/proceedings/pdf/JCSS2023_P2-002.pdf
5人人狼というのは、人狼における役割が、人狼1名、村人2名、占い師1名、狂人1名という設定です。
5人人狼の進行方法を簡単にまとめておきます。
★役職とゲーム設定
参加者5人に「人狼1人」「村人2人」「占い師1人」「狂人1人」を配布します。
占い師は夜に1人を占い、そのプレイヤーが人狼かどうかを知ることができます。
狂人は人狼をサポートする立場で、正体は人狼にも村人にもわかりません。
★ゲームの進行
1. 昼のターン:
– 全員で議論を行い、多数決で1人を処刑します。
2. 夜のターン:
– 占い師は1人を占い、その人物の役割を確認します。
– 人狼は1人を襲撃する相手として選びます。
※処刑されたプレイヤーの役職を公開するか、しないかはルール次第
3. 繰り返し:
– 昼と夜を交互に行います。
★勝敗条件
– 村人陣営の勝利: 人狼を処刑すれば勝利。
– 人狼陣営の勝利: 人狼と村人の数が同じになれば勝利
(狂人は人狼陣営としてカウント)。
さて、論文に話を戻しましょう。論文では、人狼を何度か実施していく中で、人狼初心者が熟達者が行う人狼のスキルを身に着けていく様子を表現されているいます。
ちなみに、ここでは、熟達者が行う人狼のテクニックとして以下が紹介されています。
「村人CO」と呼ばれるプレイがみられるようになる。
※COはカミングアウトの略
具体的にはこのようなプレイです。
初見ではこれがなぜ有効なのかわかりませんが、論文では熟達者のプレイを分析すると村人が占い師をカミングアウトする「村人CO」が登場するということです。
考察として以下のようにまとめられています。

実際にどのようなプレイが行われたのかを経験したことで、
フィードバックが起こり、戦略のチャンクとしての知識が格納され、
戦術が整理されて保存され、
次に同様の状況が起こったときには、瞬時に適切なプレイが行えている
様子が確認された。
これはまさにコルブの経験学習モデルですね。

既にご存知の方も多いかと思いますが、経験学習モデルは経験から学ぶプロセスとして4つのプロセスをサイクルにしたものです。(上図参照)
具体的経験と呼ばれ、普段の業務や、研修中のワークなどが該当します。
2.省察
内省的省察と呼ばれ、1の具体的経験を振り返ることを指します。振り返りの手法としてはKPT分析などが知られています。
3.概念化
抽象的概念化と呼ばれ、2の省察の結果、得られた気付きを抽出します。一言で言えば持論を作ることと言えるでしょう。
4.実践
能動的実践と呼ばれ、3の概念化で得られた気付きを実践で活用します。
詳しくは経験学習についての記事をご覧ください。
経験学習についての記事
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結論
ここまで論文についてのご紹介をしてきましたが、タイトルにある、人狼は研修に使えるのか?という問いについて、過去記事では、コミュニケーション研修に使えるとご紹介しましたが、今回は、3年目研修などでアイスブレイクとして経験学習理論の紹介に利用できるのではないか?と感じています。
3年目などの研修では、ここまで経験してきたことを内省し、何を学んできたのかを抽象化して言語化するというリフレクションの機会が必要だと思います。
ここでコルブの経験学習理論を紹介することになるかと思いますが、それをアイスブレイクとして人狼を行ったあとに紹介することで、経験学習理論をより腹落ちして学ぶことができるでしょう。
ぜひ論文もご覧になってください。
金泉 則天 , 伊藤 毅志(2023)
情報処理学会ゲーム情報学研究会
https://www.jcss.gr.jp/meetings/jcss2023/proceedings/pdf/JCSS2023_P2-002.pdf
