企業研修や労働組合の研修会でチームビルディング研修を初めて企画する担当者の方は、「何から考えればいいのか分からない」と悩むことが少なくありません。

そこで本記事では、研修企画に必要な検討項目を5W2H(Why・What・When・Where・Who・How・How much)の形式で整理しました。

この7つの項目を順番に埋めていけば、漏れのない研修企画書が完成します。

さらに、上位記事の傾向を踏まえ、チームの発達段階に応じた研修選定や、研修後の振り返り・効果測定のポイント、よくある失敗パターンまで網羅的に解説します。記事の最後にはチェックリスト付きのまとめ表も用意していますので、ぜひご活用ください。

5W2Hとは

今回は以下の7項目で、チームビルディング研修の企画を考えていきます。

Why:チームビルディング研修の目的・ゴールは何か?
What:どんなワーク、コンテンツを実施するのか?
When:いつ実施するのか?
Where:どこで実施するのか?
Who:誰を対象に実施するのか?
How:どのような運営体制で実施するのか?
How much:予算はいくらか?

それでは、1つずつ考えていきましょう。

【前提知識】タックマンモデルとチームの発達段階

5W2Hを検討する前に、タックマンモデルというフレームワークを押さえておくと、研修企画の精度が上がります。

タックマンモデルとは、心理学者ブルース・タックマンが提唱した、チームの発達段階を4つ(後に5つ)に分類したモデルです。チームがどの段階にいるかによって、最適な研修内容は異なります

段階 状態 おすすめの研修内容
形成期(Forming) メンバーが集まったばかりで、お互いをよく知らない 自己紹介ワーク、アイスブレイクゲーム、協力型ゲーム(NASAゲーム等)
混乱期(Storming) 意見の対立や衝突が生じやすい コンセンサスゲーム、合意形成ワーク、対話型ワークショップ
統一期(Norming) 役割分担やルールが確立されてきた 部課長ゲームなど役割分担型ワーク、目標設定ワーク
機能期(Performing) チームが高いパフォーマンスを発揮している ビジョン共有ワーク、振り返りワーク、次のチャレンジに向けた目標設定

貴社のチームが今どの段階にあるかを見極めた上で、5W2Hの検討を進めると、より効果的な研修を企画できます。

Why:チームビルディング研修の目的・ゴールは何か?

なぜチームビルディング研修を実施するのか?という問いも重要ですが、ここでは研修が終わった後にどのような状態になっていて欲しいか、つまり研修のゴールを明確にすることに焦点を当てます。

まず、弊社ではチームビルディングを以下のように定義しています。

チームメンバーが共通の目的に向かって、1+1が2より大きくなるようなチームワークを発揮している状態にすること

詳細は チームビルディングとは を御覧ください。

この定義を踏まえると、チームビルディング研修のゴールは大きく2つの軸に分かれます。

軸1:目標設定型

メンバーが納得できるボトムアップでの目標の設定をゴールとするパターンです。

具体的なゴール例:

・チームのビジョンや方針をメンバー全員で話し合い、合意する

・半期・年間の目標を現場の声を反映して策定する

・部署間の連携課題を洗い出し、解決の優先順位を決める

軸2:関係性構築型

チームワークを発揮できるような関係性の構築をゴールとするパターンです。

具体的なゴール例:

・メンバー同士の相互理解を深め、心理的安全性を高める

・部署や拠点を越えた横のつながりをつくる

・新メンバーの受け入れをスムーズにし、早期に馴染める環境をつくる

貴社の研修のゴールは上記の2つのうちどちらに近いでしょうか。まずはここを明確にすることが、研修企画の出発点になります。

なお、そもそもチームビルディング研修が本当に必要かどうかを確認しておくことも大切です。

あなたの会社にチームビルディング研修が不要な3つの理由

What:ワーク・コンテンツの選び方

研修のゴールが決まったら、次はどのようなワークやコンテンツを実施するかを考えます。目的によって最適なコンテンツは異なります

以下のテーブルで、目的別のおすすめコンテンツを整理しました。

研修の目的 おすすめコンテンツ 所要時間の目安
目標設定型 ワールドカフェ、ビジョン共有ワークショップなど対話型ワーク 2〜4時間
関係性構築型 NASAゲーム、コンセンサスゲームなどの協力型ゲーム 1.5〜2時間
両方 ゲーム(関係性構築)+対話ワーク(目標設定)の組み合わせ 3〜4時間

目標設定型の場合

メンバーが納得できるボトムアップでの目標の設定をゴールとする場合は、

メンバー同士がいま何を考えていて、今後どのようにしていきたいか?を話し合うワーク

を中心に研修コンテンツを考えるのがよいでしょう。

関係性構築型の場合

チームワークを発揮できるような関係性の構築をゴールとする場合は、

楽しみながら、共通の目標に向かってメンバー同士で協力して取り組むワーク

を中心に研修コンテンツを考えるのがよいでしょう。

関係性の構築をゴールとする場合はゲームを利用したワークが効果的です。ゲームには「楽しさ」があるため自然と参加者の心理的ハードルが下がり、普段は発言しないメンバーも積極的にコミュニケーションを取るようになります。

具体的なワークを知りたい方はこちらをご覧ください。

チームビルディング研修におすすめのゲーム15選|目的別の選び方と導入事例

ゲームがチームビルディングに効果的な理由を知りたい方は下記をご覧ください。

ゲームがチームビルディングに効果的な3つの理由

おすすめのゲーム型コンテンツ

関係性構築型の研修で特に人気の高いゲームをご紹介します。

NASAゲーム(コンセンサスゲーム)

宇宙飛行士として月面に不時着した設定で、生き延びるためのアイテムの優先順位をチームで話し合って決めるゲームです。「自分の意見を伝える力」と「相手の意見を受け入れる力」の両方が求められるため、チームワークの本質を体感できます。

詳しくは NASAゲームとは をご覧ください。

NASAゲーム

部課長ゲーム

部課長ゲーム

部長・課長・平社員に分かれ、情報伝達と意思決定を行うゲームです。組織内のコミュニケーションの課題を実感できるため、管理職研修やリーダーシップ研修としても活用されています。

詳しくは 部課長ゲームとは をご覧ください。

ベストチーム

ベストチーム

チームに配布された「行動カード」を交渉によって集め、得点を競うカードゲームです。カードには「業績ポイント」と「関係性ポイント」の2種類があり、ゲームを通じて業績と関係性のバランスや心理的安全性の重要性を体験的に学べます。

詳しくは ベストチームとは をご覧ください。

When:実施時期・時間

チームビルディング研修を「いつやるか」を考える際には、以下のポイントを検討しましょう。

実施日:平日か休日か

実施時間:何時間・何日間の実施にするか

・時間帯:午前か午後か

・時期(季節):年間のどのタイミングで実施するか

実施日・時間・時間帯

弊社でお問い合わせが多いケースは以下のとおりです。

実施日は平日、もしくは土曜日

実施時間は2〜4時間

午後13〜15時、13〜17時(その後、懇親会)

ただし、午後からのスタートにすると業務に追われ参加できない社員が出てくることを懸念し、午前中に実施される企業様もあります。

また、1日研修として午前に今年の目標発表などの座学・発表系プログラム、午後にゲームなどのアクティビティを実施するケースが多くなっています。

時期(季節)の傾向

チームビルディング研修は1年を通じて実施されていますが、特にお問い合わせが多い時期があります。

時期 主な実施目的
4〜5月 新入社員研修、新チーム発足時の関係性構築
7〜8月 上期の振り返り・下期に向けた目標設定
9〜10月 下期スタートに合わせたチーム強化、人事異動後のチーム再構築
1〜2月 年度末の振り返り、次年度に向けたビジョン共有

特に4〜5月の新入社員研修期と9〜10月の下期スタート時期はお問い合わせが集中する傾向にあります。早めの企画・手配をおすすめします。

Where:実施場所

実施場所は大きく3つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを整理しました。

場所 メリット デメリット
自社の会議室 費用がかからない、移動が不要 非日常感が薄い、業務の延長になりやすい
会社近くの貸し会議室 移動の負担が少ない、適度な非日常感 会場費がかかる
会議室付き宿泊施設(合宿型) 非日常感が高く研修効果が出やすい、懇親会との連携がしやすい 費用・移動時間がかかる、日程調整が難しい

関係性構築が目的の場合は非日常感のある場所が効果的です。合宿型では熱海や千葉などの海の近くや温泉地を選択される企業様が多い印象があります。

一方、目標設定が目的の場合は自社会議室や貸し会議室で十分なことが多いです。重要なのは「集中して対話できる環境」であり、必ずしも遠方に移動する必要はありません。

なお、会場選びではレイアウトの自由度も重要なポイントです。島型(グループワーク用)に机を配置できるか、プロジェクターやスクリーンが使えるかなども事前に確認しておきましょう。

オンラインでの実施も選択肢に

リモートワークが普及した現在、オンラインでのチームビルディング研修も増えています。弊社では、NASAゲームオンライン版や部課長ゲームオンライン版など、オンラインで実施できるコンテンツも多数ご用意しています。

NASAゲームオンライン

詳しくは NASAゲームオンラインとは をご覧ください。

部課長ゲームオンライン

詳しくは 部課長ゲームオンラインとは をご覧ください。

オンラインのメリットとしては、全国・海外の拠点からでも参加できる点、会場費がかからない点が挙げられます。一方、対面ほどの一体感は出にくいため、目的に応じて対面・オンラインを使い分けるのがおすすめです。

Who:対象者と人数

Whoに関しては対象社員と人数がポイントになります。

対象社員と研修目的の関係

対象社員によって、研修目的も変わってくることが多いです。以下のテーブルで整理しました。

対象 目標設定型 関係性構築型 よくある実施シーン
部署単位 期初のキックオフ、部署の方針共有
全社員 全社イベント、周年行事
階層別(新入社員、管理職など) 新入社員研修、管理職研修
複数の支部(労働組合様に多い) 支部合同の交流イベント

実際に、対象社員と目的に合わせてゲームを選ばれたお客様の声をご紹介します。

こども園、デイサービス、支援センター、調理部と複合施設のため、部署が異なる職員間において、話し合って合意することの大切さを実感してほしいということからコンセンサスゲームを選択しました。

人数について

弊社では10〜500名以上の実施実績があり、最も多いのは20〜40名です。

人数によって実施できるワークやコンテンツにも制限が出てきます。たとえば、対話型のワークは少人数(〜30名程度)が効果的ですが、ゲーム型のワークは100名以上の大人数でも同時に実施できるものがあります。

参加人数が多い場合は、グループ分けの方法(部署混合にするか、部署ごとにするか)も事前に決めておくとスムーズです。

How:どのような運営体制で実施するのか?

運営体制として考えられるのは以下の3つです。

1.外部の研修会社に研修の実施を依頼する場合
2.社員が研修内容を考え、実施する場合
3.研修会社のコンテンツを利用して社員が実施をする場合

3はイメージがわかないかもしれませんが、弊社を含めいくつかの研修会社では研修コンテンツのレンタルが可能となっています。

弊社では講師派遣以外の選択肢として、ゲームキットの貸し出しによる社内講師での実施も可能です。

社内講師が実施できるように動画でのマニュアルなどを用意しているため、品質が保証されているコンテンツを比較的低価格で実施できます。

2026年4月現在、NASAゲームの導入社数は約560社、受講者満足度は4.81(5点満点)となっております。

最新の満足度はこちらからご覧いただけます。

How much:予算はいくらか?

研修にかかる費用には以下のようなものがあります。

・会場費

・交通費・宿泊費(合宿型の場合)

・研修講師料

・備品代(ポストイットや模造紙など)

・飲食料やお菓子等

運営体制によって費用感は大きく変わります。以下のテーブルで比較しました。

運営体制 費用の目安(講師料・コンテンツ費) 特徴
外部講師派遣 10万円〜 プロの講師が進行。準備の手間が少ない
コンテンツレンタル(社内講師) 5万円〜 品質の高いコンテンツを低コストで。マニュアル付き
自社企画(完全内製) 備品代のみ 最も低コストだが、企画・準備の工数がかかる

受講人数や実施時間にもよりますが、研修会社に研修の実施を依頼する場合、講師料として10万円から、というのが一般的です。

一方、先に紹介した研修コンテンツのレンタルの場合、安ければ5万円からという場合もあります。「予算は限られているが、質の高い研修を実施したい」という場合にはレンタルがおすすめです。

なお、上記の費用はあくまでコンテンツ・講師に関する費用です。合宿型で実施する場合は、会場費・交通費・宿泊費が別途かかるため、総予算は1人あたり1〜3万円程度を見込んでおくとよいでしょう。

研修プログラムの進行例(タイムスケジュール)

実際にチームビルディング研修を実施する際のタイムスケジュール例をご紹介します。ここでは、午後の半日研修(13:00〜17:00)を想定しています。

時間 内容 ポイント
13:00〜13:15 オープニング・趣旨説明 研修の目的とゴールを全員で共有する
13:15〜14:45 目標発表・座学パート 今年度の目標共有やチームのビジョン・方針についての発表
14:45〜15:00 休憩
15:00〜16:30 メインワーク(NASAゲーム等) ルール説明→個人ワーク→グループワーク→結果発表→振り返り
16:30〜17:00 まとめ・クロージング 研修の学びを共有し、明日からのアクションを宣言

17:00以降は懇親会を実施するケースも多く、研修での体験を共有しながらチームの一体感をさらに深めることができます。

チームビルディング研修を成功させる5つのポイント

企画段階で押さえておきたい、研修を成功に導くポイントを5つご紹介します。

1. 目的を明確にし、事前に共有する

「なぜこの研修をやるのか」を参加者に事前に伝えておくことが重要です。目的が不明確なまま実施すると、「なんとなく楽しかった」で終わってしまい、研修の効果が薄れます。

2. 全員が参加できるコンテンツを選ぶ

一部の人だけが活躍するコンテンツではなく、全員に役割がある内容を選びましょう。たとえばNASAゲームでは、全員が意見を出し合って合意形成する必要があるため、全員参加型のワークになります。

3. 心理的安全性を確保する

「正解・不正解はない」「失敗しても大丈夫」という雰囲気をつくることが大切です。ゲーム型ワークは、仕事の場面とは異なるルールで進むため、自然と心理的安全性が確保されやすいメリットがあります。

4. 体験と内省を組み合わせる

ゲームやワークをやって終わりではなく、振り返りの時間を必ず設けることが重要です。「このゲームでの気づきは、日常業務のどんな場面に当てはまるか?」という問いかけが、学びの定着を促進します。

5. 研修後のフォローアップを計画しておく

1回の研修で劇的にチームが変わるわけではありません。研修後1〜2週間後に簡単な振り返りミーティングを設けるなど、継続的なフォローアップが効果を持続させます。

よくある失敗パターンと対策

チームビルディング研修でよくある失敗パターンを把握しておくことで、同じ轍を踏まない企画が可能になります。

失敗パターン 原因 対策
「楽しかった」で終わってしまう 振り返りの時間が不足 必ず30分程度の振り返りワークを設ける
一部のメンバーだけが盛り上がる コンテンツが特定タイプ向き 全員に役割があるゲーム型ワークを採用する
参加者のモチベーションが低い 研修の目的が伝わっていない 事前に目的・ゴールを周知する
研修後に何も変わらない フォローアップがない 研修後1〜2週間で振り返りミーティングを実施
予算オーバーになる 見積もりが甘い 会場費・備品代も含めた総予算を事前に算出する

研修後の振り返り・効果測定のやり方

研修を実施して終わりではなく、振り返りと効果測定を行うことで、次回の研修企画に活かすことができます。

研修直後にやること

・参加者アンケートの実施(満足度、気づき、改善点)

・チームごとの振り返り共有(ゲームでの気づきを業務に結びつける)

・写真や動画の記録(次回の社内プレゼン用)

研修後1〜2週間にやること

・フォローアップミーティングの実施(研修での気づきが業務で活かされているか確認)

チーム内のコミュニケーション量や質の変化を観察

・次回の研修テーマの検討

効果測定の指標例

・参加者満足度(5段階評価)

・研修前後でのチームの雰囲気に関するアンケートスコアの比較

・会議での発言数の変化

・チーム内のコミュニケーション頻度の変化

【チェックリスト】5W2Hまとめ表

最後に、チームビルディング研修を企画する際の5W2Hチェックリストを1つのテーブルにまとめました。企画書作成時にご活用ください。

項目 検討ポイント 代表的な選択肢
Why(目的) 研修後にどんな状態になっていて欲しいか? 目標設定型 / 関係性構築型
What(内容) 目的に合ったワーク・コンテンツは何か? 対話型ワーク / ゲーム型ワーク / 組み合わせ
When(時期) 実施日・時間帯・時期は? 平日 or 土曜 / 2〜4時間 / 午前 or 午後
Where(場所) 会場の非日常感・アクセス・レイアウトは? 自社会議室 / 貸し会議室 / 宿泊施設 / オンライン
Who(対象) 対象者と人数は?グループ分けは? 部署単位 / 全社 / 階層別 / 15〜30名が多い
How(運営) 誰が講師・ファシリテーターを務めるか? 外部講師派遣 / コンテンツレンタル / 完全内製
How much(予算) 講師料・会場費・備品代などの総額は? 外部講師10万円〜 / レンタル5万円〜 / 内製は備品代のみ

まとめ

チームビルディング研修を企画する際は、本記事で紹介した5W2Hの7項目を1つずつ検討することで、漏れのない企画が可能になります。

特に重要なのは最初のWhy(目的・ゴール)の設定です。「目標設定型」なのか「関係性構築型」なのかによって、その後のWhat(コンテンツ)やHow(運営体制)の選択が変わってきます。

また、タックマンモデルを活用してチームの発達段階を見極めることで、より的確なコンテンツ選定ができます。研修後の振り返りやフォローアップも忘れずに計画しておきましょう。

まずはゴールを明確にした上で、上記のチェックリストを活用しながら企画を進めてみてください。

チームビルディング研修で使えるゲーム型コンテンツについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

弊社では講師派遣はもちろん、ゲームキット、投影用の資料(pptx)、社内講師用の動画マニュアルをレンタルという形式でもご提供しております。

提供するパワーポイントには講師向けのトークスクリプトや解説が含まれています。

※画像はNASAゲーム

チームビルディング研修におすすめのゲーム15選|目的別の選び方と導入事例


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