株式会社HEART QUAKEのパートナーの新井です。今回は、私がリクルートの新人時代に行っていた営業ロープレの具体的な手順とポイントについて書いていきます。

新人時代、毎日上司にロープレをしてもらい、10〜20回と繰り返す日々でした。ロープレは営業の基本トレーニングとばかりに継続した結果、現在も定期的に実践する自分の習慣となりました。

本記事では、リクルート式営業ロープレの5つの手順+番外編を紹介し、それぞれのポイントや狙いを解説します。自社で営業ロープレを実施中の方は、自社の手順と比較してみてください。
※あくまで私が当時受け、そしてメンバーに実施していた内容をベースに記述しています。

リクルート式・営業ロープレの5つの手順

ビデオカメラを用意する
設定資料に基づき、営業役と顧客役に分かれてロープレを実施
③ 相互に感じたことをフィードバック
④ ビデオを見ながら自分の見た目・言動を確認し、再度フィードバック
⑤ 次回のロープレでの目標設定

番外編: たまにロープレ大会を行う

特にビデオカメラを使うという工程は、意外と実施されていない企業も多いのではないでしょうか。後ほど解説しますが、自分の姿を自分で見ることは大きな学びになります。

各手順のポイント解説

① ビデオカメラを用意する

最近であればスマートフォンで構いません。重要なのは必ず撮影・録音することです。

ビデオで見返すと、手の動き・表情・服装の乱れがよくわかります。また音声を聞けば話のスピード・声の聞き取りやすさ・コミュニケーションの成立度が分かります。

シンプルなことですが、動画撮影は営業における「見える化」そのものです。2020年代以降はZoom録画機能やTeams録画も簡単に使え、さらにAI音声解析ツールで話速・フィラー語検出まで行う企業も増えています。

② 設定資料に基づき、営業役と顧客役に分かれてロープレを実施

この設定資料には主に顧客役の設定が書かれています。

法人営業なら、その企業の概要・商品サービス(ホームページ相当情報)に加え、担当者の経歴・仕事歴・性格・企業が抱えている課題感・社内で起こっている問題など、当事者でなければ分からないであろう情報を多岐にわたって設定します。

設定資料に基づいて顧客役を演じることで、性格や背景情報が話し方・聞く態度・言われて嬉しい/嫌なポイントにどう影響するかを実感できます。

また、社内課題の想定は営業が仮説立案をトレーニングする格好の材料になります。「実はこういう課題があるからこそ、営業にこのポイントをついてほしい」という顧客役のフィードバックが、営業が商品を売るだけでなく課題解決を習慣化していくポイントになります。

③ 相互に感じたことをフィードバック

先輩後輩関係なく、感じたことはフィードバックします。先輩だから何でもできるわけではなく、後輩の方が優れていることも多々あります。

この相互フィードバックの仕組みは、組織づくりの観点でも、リクルートの「相互に信頼し、尊敬し合う文化」に大きく貢献していると感じます。上下関係ではなく「ロープレの場では対等」というフラットな関係性を明示的に運用することが、カルチャーの根づくりを支えています。

④ ビデオを見ながら自分の見た目・言動を確認し、再度フィードバック

③のフィードバックだけだと、どうしても感覚的になったり、伝えるのを忘れてしまうこともあります。

そこでビデオを確認しながら再度振り返ることで、具体的なシーンを指摘しながら「どんな言い方・態度が良かったのか」「なぜそのポイントで話を膨らませることができなかったか」などを話し合えます。

また、ビデオ閲覧の時間を確保することで、必ず自分の様子を客観的に見ることになります。最初は非常に恥ずかしいですが、すぐに慣れるので安心してください。

⑤ 次回の目標設定

フィードバックが終わったら、それを踏まえて自分の課題確認次回までに何を修正するかの目標設定を行います。

もちろん設定した目標が毎回到達するわけではありませんが、しっかりと自分が何を改善するのかを明確にすることが重要です。目標の抽象度が高すぎると改善にならないので、「今回は開始5分のアイスブレイクで相手の趣味を聞き出す」のような具体的な行動目標に落とし込むのがコツです。

番外編: たまにロープレ大会を行う

ロープレ大会とは、先述のロープレを大会形式で行い、順位をつけるイベントです。チーム対抗・個人戦などやり方は様々ですが、この大会があることでそこに照準を合わせて練習することになります。

練習でできないことは、本番ではできません。しかし仕事をしていると練習時間を確保することが意外と難しいもの。リクルートではこうしてオフィシャルなイベントにすることでこの問題を解決しています。

ビデオ撮影が生む5つの学習効果

ロープレでのビデオ活用は、単なる記録ではなく学習効果を最大化するレバーです。具体的には以下の5点が得られます。

①非言語情報の気づき: 手の動き・視線・姿勢など、本人が気づいていない癖が明確になります
②話速・間の最適化: 客観的に聞くと、自分の話す速度や沈黙の使い方の適切さが分かります
③フィラー語の発見: 「えー」「あの」「なんか」の頻度が客観視できます
④表情の確認: 笑顔の自然さ・緊張時の眉間のシワなど、商談の場での印象に直結する要素を確認可能
⑤成長の可視化: 3ヶ月前の映像と比較することで、成長が一目で分かります

オンライン時代のロープレアップデート

対面営業が主流だった時代と異なり、現代はオンライン商談が常態化しています。オンライン前提のロープレでは以下の観点も加味してください。

①画面共有の活用: 資料提示・ホワイトボード機能・チャット活用の練習
②カメラ映りの最適化: 照明・背景・目線の高さなど
③ハウリング・音質: マイク・ヘッドセット使用の是非、周辺ノイズ対策
④相手の反応への感度: 対面よりリアクションが読み取りにくいので、「今の話分かりますか?」のような確認頻度を上げる
⑤画面外の手元: 手元でメモを取っているか、気が散る動きをしていないかの確認

営業ロープレを1人でも始められるツール:ヒアリングチャレンジ

ロープレは基本的にペアや複数人で行うものですが、1人でも営業スキルを疑似体験できるビジネスゲームもあります。弊社株式会社HEART QUAKEが提供するヒアリングチャレンジは、カードゲーム形式でヒアリング力を訓練できる研修プログラムです。

ヒアリングチャレンジ

受講者が車の販売員になり、来店されたお客様に10個の質問を行って最適な車を提案するゲーム。ポイントは、お客様が「何がほしいか(What)」だけでなく「なぜほしいか(Why)」を聞き出すことで提案すべき車が変わる構造。仮説を持ったヒアリングという営業の本質を体験できます。

詳細はゲーム型営業研修「ヒアリングチャレンジ」の実施をご覧ください。

また、営業ロープレに関する本格的な研修のご要望は、執筆者・新井が所属する株式会社トレーナビリティーにお問い合わせください。

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その他、実施時期や受講人数など(300文字以内)


営業ロープレに関するよくある質問

Q. ロープレはどれくらいの頻度で実施すべきですか?
A. 新人期は毎日1セット、独り立ち後は週1〜月1が目安。商談前のウォーミングアップとしての事前ロープレも有効です。

Q. ビデオ撮影を嫌がるメンバーへの対応は?
A. 最初は誰もが抵抗感を持ちます。上司が先に自分のロープレを撮影してフィードバックを受ける姿を見せると、心理的ハードルが下がります。

Q. ロープレ用の設定資料はどう作ればよいですか?
A. 実際にあった商談ケースをベースに作成するのが最短です。企業概要+担当者像+潜在課題3つ+NG対応ポイントの4セクションで1枚A4程度が標準的です。

まとめ

リクルート式営業ロープレは、ビデオカメラ・設定資料・相互フィードバック・映像振り返り・目標設定の5つの要素で構成される体系的なトレーニングです。特にビデオ活用は、非言語情報・話速・フィラー語・表情・成長の可視化という5つの学習効果をもたらします。

オンライン時代には画面共有・カメラ映り・音質管理といった新しい観点も加味する必要があります。営業育成に悩む方は、ぜひ取り入れて実践してみてください。

関連テーマとしてゲーム型営業研修「ヒアリングチャレンジ」もあわせてご覧ください。


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